測定マテリアル
測定マテリアル (英語: Measured Materials) とはマテリアルスキャナーなどにより測定して取得したデータに基づくマテリアルである。
反射における測定マテリアルには、一点における測定データしか含まないBRDFベースのもの (4次元)、面の測定データを含むSVBRDFベースのもの (6次元)、表面下散乱の測定まで行ったBSSRDFベースのもの (8次元) などが存在する。また反射と透過を合わせた測定マテリアルとして、BSDF (4次元のBRDFとBTDFの組み合わせ) ベースのものも存在する。
測定マテリアルは次元数が大きいため、レンダリングでは通常、測定マテリアルを物理ベースシェーディングのパラメータや曲線にフィッティングしてから使用するが、測定マテリアルを直接使用することのできるレンダラーも存在する。
測定マテリアル形式
[編集]- NKデータ (*.nk、*.IOR)
- 波長毎の複素屈折率 (Complex IOR)の測定データを記述する。NKファイルにはLuxCoreRender、Indigo Renderer[1]、Maxwell Render[2]などのスペクトラルレンダラーが対応している。
- なお、RGBレンダラーにも複素屈折率シェーダーを持つものはある (ArnoldのComplex IORシェーダー[3]、V-RayのComplex Fresnel shader[4]など)が、これらは三つの波長のデータのみとなる。
- MERL BRDFデータベース形式 (*.binary)
- BRDFの測定データを記述する。Maxwell Render 4.1以降などが対応している[5]。
- MBSDF形式 (*.mbsdf[6])
- MDL (マテリアル定義言語) の仕様の一部[6]。BSDF (BRDF及びBTDFの組み合わせ) の測定データを記述する[6]。Irayなどが対応している[7]。
- AxF形式 (*.axf)
- SVBRDF、BTF、カーペイント (フレーク対応)、ボリューメトリックの測定データを記述する[8][9]。フォーマット構造はCxF形式 (ISO 17972)を元にしている[8][9]。Iray 2015以降[10]、KeyShot[11]、Autodesk VRED[11]、Maxwell Render 4.1以降[5]、Radeon ProRender[12]、Unreal Studio 4.20以降[11]、Unity 2018.3以降[13]、Substance Designer 2017.2以降[14]などが対応している。
- VRscans形式 (*.vrscan)
- BTFの測定データを記述する[15]。V-Ray向けのVRscans Pluginが存在する[15]。
出典
[編集]- ^ Material Types Glare Technologies
- ^ IOR files Next Limit
- ^ Complex IOR Autodesk
- ^ Complex Fresnel shader Chaos Group
- ^ a b Next Limit releases Maxwell 4.1 CG Channel 2017年6月8日
- ^ a b c NVIDIA Material Definition Language 1.3 - Document version 1.3.2 P.119-120 NVIDIA 2016年9月16日
- ^ Iray Programmer's Manual - Measured materials NVIDIA
- ^ a b THE FUTURE OF MATERIAL COMMUNICATION VIA THE APPEARANCE EXCHANGE FORMAT "AXF" X-rite 2017年
- ^ a b AxF - Appearance exchange Format - Version 1.6 X-rite 2019年3月7日
- ^ Nvidia launches Iray 2015 CG Channel 2015年3月23日
- ^ a b c Unreal Studio Adds Support for X-Rite’s AxF Materials Exchange Standard Studio Daily 2018年8月13日
- ^ Foundry to integrate AMD’s Radeon ProRender into Modo CG Channel 2017年8月7日
- ^ Measured Materials Library 公開 Unity Technologies 2019年2月8日
- ^ Allegorithmic releases Substance Designer 2017.2 CG Channel 2017年10月20日
- ^ a b Chaos Group launches VRscans scanning service CG Channel 2016年10月26日
外部リンク
[編集]- FreeSnell: Refractive Index Spectra
- n,k database
- RefractiveIndex.INFO - Refractive index database
- MERL BRDF Database
- An Adaptive Parameterization for Efficient Material Acquisition and Rendering
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