コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

流速

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

連続体力学において、流速: macroscopic velocity[1][2], flow velocity(流体力学), drift velocity(電磁気学)とは、連続体の運動を数学的に記述するためベクトル場である。流速ベクトルの絶対値flow speedと呼ばれ、スカラー量である。

定義

[編集]

流体の流速uはベクトル場;

で表され、流体粒子の任意の位置と任意の時間における速度を示す。

流速ベクトルの絶対値(flow speedq はスカラー量であり[3]

で表される。

利用

[編集]

流体の流速は、流体の運動に関する全ての事象を効果的に表すことが出来る。流体の多くの物理的性質は、流速の観点から数学的に表すことができる。一般的な例を以下に示す:

定常流

[編集]

が時間と共に変化しなければ、流体の流れは安定しているとされ:

が成り立つ。

非圧縮性流れ

[編集]

非圧縮性流れにおいては発散 は0であり:

が成り立つ。 ここで管状ベクトル場英語版

渦なし流れ

[編集]

渦なし流れにおいては回転 は0であり:

が成り立つ。 ここで非回転的ベクトル場英語版

非回転的な単連結空間 における流れは速度ポテンシャル )を用いることにより、ポテンシャル流として表される。渦なしかつ非圧縮性の流れにおいては、速度ポテンシャルのラプラス作用素は0であり: となる。

渦度

[編集]

流れの渦度は、流速より以下のように定義される。

したがって、非回転流では渦度は0である。

速度ポテンシャル

[編集]

非回転流れが単連結な流体領域を占める場合、スカラー場が存在し、

が成り立つ。 ここでスカラー場は流れの速度ポテンシャルである(非回転的ベクトル場英語版を参照)。

計測器

[編集]

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Duderstadt, James J.; Martin, William R. (1979). “Chapter 4:The derivation of continuum description from transport equations”. In Wiley-Interscience Publications. Transport theory. New York. p. 218. ISBN 978-0471044925 
  2. ^ Freidberg, Jeffrey P. (2008). “Chapter 10:A self-consistent two-fluid model”. In Cambridge University Press. Plasma Physics and Fusion Energy (1 ed.). Cambridge. p. 225. ISBN 978-0521733175 
  3. ^ Courant, R.; Friedrichs, K.O. (1999) [unabridged republication of the original edition of 1948]. Supersonic Flow and Shock Waves. Applied mathematical sciences (5th ed.). Springer-Verlag New York Inc. pp. 24. ISBN 0387902325. OCLC 44071435