コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

流れ星が消えないうちに

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
流れ星が消えないうちに
Before shooting star fade out
著者 橋本紡
発行日 2006年2月20日
発行元 新潮社
ジャンル 恋愛小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 281
公式サイト www.shinchosha.co.jp
コード ISBN 978-4103007517
ISBN 978-4101351810文庫本
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

流れ星が消えないうちに』(ながれぼしがきえないうちに、Before shooting star fade out)は、橋本紡による小説

出版社は新潮社新潮文庫)。2014年、新潮文庫の100冊にもラインアップされている[1]。2015年には映画化された[2]

概要

[編集]

かつての恋人を想う奈緒子、今は亡き親友を想う巧、奈緒子と巧をつなぐ加地の存在、周囲の人々との日常物語。橋本の他作品と同様、『車輪の下』『銀河鉄道の夜』などの文学小説が作中に登場する。

また、この他に星座流星群といった天体プラネタリウム)、野球サッカーボクシングなどのスポーツなども登場する。

千葉県を舞台にしており、これは、作中の設定や描写、一部の人名にも反映されている。

橋本の代表的な作品『半分の月がのぼる空』のとある大きなテーマを、別の角度から描いた作品としても話題を集めた[要出典]

2007年2月には、ベネッセによる「高2進研プロシードテスト模試」に問題文として出題された。

あらすじ

[編集]

奈緒子はいつからか玄関で寝る生活をしていたが、ある日、父親が家出してきて、どこか奇妙な親子での生活が始まる。その頃、奈緒子の恋人・巧は、ボクシングの練習で山崎先輩にKOをくらい、身のあり方を考えていた。そんな2人の共通点は、奈緒子の恋人であり巧の親友たる加地の存在だった。

登場人物

[編集]
本山 奈緒子(もとやま なおこ)
一軒家で一人暮らしをしている21歳の大学生。元々は家族4人で住んでいたが、父の転勤に伴い、大学進学が決まっていた奈緒子を残し、家族は佐賀県へ引っ越した。
かつての恋人・加地が事故で亡くなってしまってから、加地への想いの強さあまりに気持ちの整理がつけられずにいる。そのため、自分の部屋で寝ることができず、現在は玄関で毎晩寝ている。
川嶋 巧(かわしま たくみ)
(姉によって)金髪頭にされた20歳の大学生で、奈緒子の現在の恋人。
当初、ボクシングをしていたが、自分の気持ちと山崎の意見からやめることにした。それ以前はサッカーをしていたが、こちらも高校卒業後にやめた。
ひょんなことから親友のような仲になった奈緒子の元恋人・加地との思い出ばかり考えている。
加地(かじ)
奈緒子とは小学生からの幼馴染にして初恋の相手、巧とは高校時代からの同級生。一年半前に、旅先の海外で事故死した。
高校生時代は読書や天体などインドア志向であったが、巧と知り合ってから、自らの言葉や考えに向き合った生き方をはじめ、奈緒子に告白して付き合うようになった。さらに、大学進学後は授業をほったらかしてまで、積極的にあてのない旅に出るようになった。
彼が生前に残した言葉は、奈緒子や巧に強い印象を残した。また、巧に語った言葉は後に奈緒子の父を経て、奈緒子に伝わってゆく。
本山 絵里(もとやま えり)
奈緒子の妹で、奈緒子とは3つ年下。家出した父の様子を見にやってきた。
奈緒子の父
演 - 小市慢太郎
3年前佐賀に転勤していたが、突如、奈緒子のもとへ家出して来た。以後、かつての自宅で鬱々と過ごすも、巧と飲んでからあることをきっかけに活動を始める。巧との会話から読売ジャイアンツのファンらしい。
かつては、地域との関係は希薄であったが、現在は性格の良さから地域住民から頼られ、娘・奈緒子との溝も次第に埋まってゆく。
奈緒子の母
山崎(やまざき)
巧の1つ年上の先輩で、巧と同じくサッカーをしていたが、現在はボクシングをやっている。
作中での呼び名は「山崎先輩」。巧の姉・瑞穂に想いを抱いている。
川嶋 瑞穂(かわしま みずほ)
巧の姉。見た目は美人だが、巧曰く、口は悪くガサツな性格。
山崎の憧れであるが、山崎は瑞穂の嫌いな「マッチョで胸毛が多い」に該当している。
春日 貴子(かすが たかこ)
奈緒子の友人。加地を亡くしてからの奈緒子を心配する。
伊沢(いわさわ)
藤木(ふじき)
カレン君
瑞穂が以前憧れていた全国クラスのサッカー強豪校の選手のこと。プロ内定を受ける実力を持つFW。
県大会2次予選で、巧や山崎らとベスト8を掛けて対戦したことがある。
名前やポジションから、実在のサッカー選手、カレン・ロバートと思われる。

映画

[編集]

同名タイトルで、2015年11月21日公開。監督は柴山健次、主演は波瑠[2]。2014年12月からクランクインし、武蔵野市三鷹市でオールロケが敢行される[2]

キャスト

[編集]

スタッフ

[編集]

関連項目

[編集]
  • 斎藤美奈子 - 著書『文芸誤報』で本書を「中年カップルみたい」・「作家として敗北している」など歯に衣着せぬ言葉で酷評した。

脚注

[編集]
  1. ^ 新潮文庫の100冊 2014”. 新潮文庫. 2014年12月9日閲覧。
  2. ^ a b c “波瑠主演!人気恋愛小説「流れ星が消えないうちに」を映画化”. 映画.com. (2014年12月9日). https://eiga.com/news/20141209/2/ 2014年12月9日閲覧。 
  3. ^ 塩ノ谷早耶香、新曲「流れ星」が波瑠主演映画の主題歌に決定”. musicman-NET (2015年8月7日). 2015年8月16日閲覧。
  4. ^ 桐嶋ノドカ、波瑠主演「流れ星が消えないうちに」挿入歌を配信リリース”. 音楽ナタリー (2015年9月23日). 2015年9月24日閲覧。

外部リンク

[編集]