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活量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

活量(かつりょう、: activity)は、実在溶液における実効モル濃度である。できる限りモル濃度(あるいは他の濃度)に近い性質を持ち、しかも厳密な熱力学の関係に登場し得る量である。一般的には、温度圧力物質量についての複雑な関数になる[1][2]

理想系と実存系に存在する誤差を修正するためにギルバート・ルイスによって導入された物理量で、普通、或いはと表される。活動度と呼ばれる場合もある。

化学ポテンシャルとの関係

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理想的な混合物の場合、成分化学ポテンシャルラウールの法則より以下のように与えられる:

ここで、は基準となる化学ポテンシャル、は成分モル分率は圧力、は温度である。

これに対し実在系、すなわちラウールの法則が成り立たない系では、化学ポテンシャルは以下のように活量で表される:

つまり

である。

溶液の場合、溶質の濃度が0に近づくにつれてラウールの法則からのズレが小さくなるため、溶媒および溶質の活量はモル分率で近似される(につれて)。

活量係数

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活量係数: activity coefficientは次式によって定義される。

これは理想とする数値からのずれを表す指標となっている。希薄溶液の場合、溶液および溶質の活量係数は1に近づく(につれて)。

絶対活量

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絶対活量: absolute activity)は以下のように定義される。そのため相対活量: relative activity)と呼ばれることもある。


近似

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活量は分圧を基準圧力1 barで除したものや、モル濃度を基準濃度1 mol/Lで除したもので近似される。

参考文献

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  1. ^ 田崎晴明『熱力学 現代的な視点から』(初版)培風館〈新物理学シリーズ 32〉、2000年4月12日、184頁。ISBN 9784563024321 
  2. ^ P. A. Atkins; J. de Paula 著、千原秀昭、中村亘男 訳『物理化学(上)』(8版)東京化学同人、2009年。ISBN 9784807906956 

関連項目

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