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河東泰之

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

河東 泰之(かわひがし やすゆき、旧姓:浅野、1962年 - )は、日本数学者東京大学大学院数理科学研究科教授。専門は作用素環論[1]

経歴

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東京都大田区生まれ。父親は石油会社勤務、母親は公文教室の先生という家庭環境で育つ[2]。本人も小学6年生時から中学1年生時にかけて公文を学習し、小学校入学前に四則計算、小学6年生時には微分積分の計算もできた[2]。また娘も公文を学習していたということで、三代続く公文一家である[2]

1978年、麻布中学校卒業[3]。1981年、麻布高等学校卒業[3]。麻布中学・高校の同級生にコール賞受賞者の中島啓、麻布高校の5年後輩で現在の同僚に数学者の辻雄がいる[3]

1981年、東京大学理科一類入学[3]。大学時代はASCIIで働いていた[3]。何冊か書いたソフトウェアの本のうち一つが大売れし、印税で学生生活をしていた[3]

1985年、東京大学理学部数学科卒業[3]。1987年、東京大学大学院修士課程修了[3]。1989年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校PhD[3]。カリフォルニア大学ロサンゼルス校での指導教官は富田・竹崎理論の竹崎正道[4]。1990年、東京大学 理学博士[5]

東京大学理学部助手、同講師、同助教授を経て、現職。2014年度は東大で、教養自然科学委員会委員、教養総合的教育改革実施特別委員会委員、教養総合科目運営委員会委員、全学カリキュラム改革部会委員を務めている。

最大の業績[6]2004年イタリア数学者Roberto Longo[7]と共著で書いた「Classification of local conformal nets. Case c< 1」である。中心電荷が1未満という限定された条件で、Longoと共に分類理論を完成させた。

家族・親族

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妻の河東晴子は、東京大学工学部電気工学科卒業、東京大学工学博士三菱電機社員、三菱電機情報技術総合研究所主管技師長社員、日本工学会理事、日本工学会フェロー[8][3]。河東泰之とは、東京大学理科一類の同級生[3]

俳人の河東碧梧桐は妻の曾祖父の弟[9]

指導

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弟子に現在日本の作用素環論をリードする小澤登高、元同僚に作用素環論の研究者の泉正己[10]がいる。

数学の学習について「『全部完全にわかった』という状態になるまで、考えたり、調べたり、人に聞いたりするのをやめてはならない。こういうことができない人が、大学院の博士課程にいるのはおかしい」と主張している[11]

受賞・講演歴

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脚注

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  1. ^ 数学者・河東泰之さん(前編)|KUMON now! OB・OGインタビュー|公文教育研究会”. www.kumon.ne.jp (2018年11月28日). 2019年11月22日閲覧。 “作用素環論に辿り着いたのは本当に偶然です。大学4年のころ、ゼミ選択のリストのなかでちょっと面白そうに見えたのと、日本では当時やっている方が少ない、つまりまだ誰もよくわかっていない領域だった”
  2. ^ a b c 未だ見ぬ世界を解き明かすための「数学」というコトバ”. www.kumon.ne.jp. 2019年11月22日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k C. V. of Y. Kawahigashi”. www.ms.u-tokyo.ac.jp. 2022年7月13日閲覧。
  4. ^ UCLA では竹崎正道先生についた”. www.ms.u-tokyo.ac.jp. 2019年11月22日閲覧。
  5. ^ 取得学位 理学博士”. CiNii (1990年6月25日). 2023年2月24日閲覧。
  6. ^ 特に、「中心電荷が1未満」という条件の下で、イタリアのLongo とともに、数十年の研究の歴史で初めての分類理論を完成し、これまで知られていなかった構成法を発見したことが最大の結果です。”. www.ms.u-tokyo.ac.jp. 2019年11月22日閲覧。
  7. ^ Tensor Categories and Endomorphisms of von Neumann Algebras”. link.springer.com (2018年11月28日). 2019年11月22日閲覧。
  8. ^ 所信表明”. www.ieice.org. 2022年7月23日閲覧。
  9. ^ C. V. of Y. Kawahigashi”. www.ms.u-tokyo.ac.jp. 2022年7月13日閲覧。
  10. ^ 同僚の泉正己助教授が,日本数学会が新たに創設した建部賢弘賞の第1回の受賞者に決まりました.”. www.ms.u-tokyo.ac.jp. 2019年11月22日閲覧。
  11. ^ セミナーの準備のしかたについて”. www.ms.u-tokyo.ac.jp (2000年10月20日). 2019年11月22日閲覧。
  12. ^ ICM Plenary and Invited Speakers 国際数学者連合公式サイト(英文)

外部リンク

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