永井和子 (国文学者)
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永井 和子(ながい かずこ、1934年 - )は、日本の国文学者。学習院女子大学名誉教授。夫は生化学者で東京大学名誉教授の永井克孝。
東京生まれ。学習院初等科、学習院女子中等科を経て、1953年学習院女子高等科卒業。1957年お茶の水女子大学文教育学部文学科卒業。1958年同専攻科修了。1960年学習院大学大学院修士課程修了。1979年学習院女子短期大学講師に就任し、のち助教授、教授。1998年に学習院女子短期大学が改組され、学習院女子大学が開学。それに伴い、学習院女子大学教授。2005年退任、名誉教授。2006年7月から2011年3月まで同学長を務めた[1]。
学習院女子高等科では、学習院女子短期大学の阿部俊子の授業を受け[2]、お茶の水女子大学で関根慶子に、学習院大学大学院で松尾聰に師事。
祖父は眼科医の前田珍男子(うずひこ)[3]、父は同じく眼科医の前田太郎、叔父前田護郎は西洋古典学・新訳聖書研究者、同じく叔父の前田司郎は理化学研究所に勤め、その妻は紅梅文庫主の前田善子[4]。
著書
[編集]- 『寝覚物語の研究』(笠間書院 1968)*序は久松潜一と松尾聡
- 『続 寝覚物語の研究』(笠間書院 1990)笠間叢書
- 『源氏物語と老い』(笠間書院 1995)笠間叢書
- 『幻想の平安文学』(笠間書院 2018)
- 『日なたと日かげ 永井和子随想集』(笠間書院 2018)
校注
[編集]- 『源氏物語 蓬生 関屋 源氏物語分巻』(笠間書院 1966 松尾聡・永井和子)
- 『源氏物語 絵合 源氏物語分巻』(笠間書院 1967 松尾總・永井和子)
- 『源氏物語 松風 源氏物語分巻』(笠間書院 1967 松尾總・永井和子)
- 『伊勢物語』(笠間書院 1968 松尾總・永井和子)
- 『源氏物語 橋姫 源氏物語分巻』(笠間書院 1968 松尾總・永井和子)
- 『源氏物語 朝顔 源氏物語分巻』(笠間書院 1970 松尾總・永井和子)
- 『源氏物語 薄雲 源氏物語分巻』(笠間書院 1970 松尾總・永井和子)
- 『源氏物語 夢浮橋 源氏物語分巻』(笠間書院 1970 松尾總・永井和子)
- 『枕草子選釈』(武蔵野書院 1977 松尾總・永井和子)
- 『伊勢物語 全対訳日本古典新書』(創英社 1978)
- 『枕草子 日本古典文学全集 11』(小学館 1974 松尾總・永井和子)*底本は能因本
- 『校註源氏物語 帚木 空蝉』(武蔵野書院 1978)
- 『源氏物語 若紫 源氏物語分巻』(笠間書院 1979 松尾總・永井和子)
- 『枕草子 完訳日本の古典12・13』(小学館 1984 松尾總・永井和子)*底本は能因本
- 『源氏物語 須磨 源氏物語分巻』(笠間書院 1986 松尾總・永井和子)
- 『源氏物語 末摘花 源氏物語分巻』(笠間書院 1988 松尾總・永井和子)
- 『枕草子 新編日本古典文学全集18』(小学館 1997 松尾總・永井和子)*底本は三巻本
- 『源氏菫草 学習院女子中・高等科図書室蔵』(学習院女子短期大学国語国文学会 1999)
- 『横笛・鈴虫 源氏物語の鑑賞と基礎知識 No.26 国文学「解釈と鑑賞」別冊 』(至文堂 2002)
- 『枕草子 日本の古典をよむ』(小学館 2007 松尾總・永井和子)
- 『枕草子[能因本]原文&現代語訳シリーズ』(笠間書院 2008 松尾總・永井和子)*『完訳日本の古典』(1984)の合冊版
- 『伊勢物語 原文&現代語訳シリーズ』(笠間書院 2008)*『伊勢物語』(1978)の一部改訂増補版
- 『いはでしのぶ 中世王朝物語全集4』(笠間書院 2017)
記念論集
[編集]- 『源氏物語へ源氏物語から 中古文学研究24の証言』(笠間書院 2007)
脚注
[編集]- ^ やわらぎyawaragi 学習院女子大学だより 第16号 40頁(2014年3月)https://www.gwc.gakushuin.ac.jp/about/yawaragi_No16.pdf
- ^ 永井和子『日なたと日かげ』(笠間書院 2018)p172~p173「阿部先生と高校生」、p223~p225「阿部俊子先生 可能性の挑戦者」。
- ^ 『人事興信録 4版』(人事興信所編 1915)https://dl.ndl.go.jp/pid/1703995/1/671
- ^ 永井和子『幻想の平安文学』(笠間書院 2018)p442~p473「「紅梅文庫」覚え書き―目録を中心に」,伊藤鉃也編『もっと知りたい 池田亀鑑と「源氏物語」第2集』(新典社 2013)p8~p54「対談 前田善子の紅梅文庫と池田亀鑑の桃園文庫」(伊藤鉃也と永井和子の対談)