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水島臨海鉄道MRT300形気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
水島臨海鉄道MRT300形気動車
MRT300形302(三菱自工前、2010年1月)
基本情報
運用者 水島臨海鉄道[1][2][3][4]
製造所 新潟鐵工所[1][2][3][4]
製造年 1995年 - 1996年[2][3][4]
製造数 6両[2][3][4]
運用開始 1995年2月11日[1][5]
投入先 水島臨海鉄道水島本線
主要諸元
軌間 1,067mm[5]
最高速度 95km/h[1]
車両定員 71(座席)+74(立席)= 145名[6]
車両重量 33.2t(空車)41.6t(積車)[1][6]
全長 21,300mm[1][5][6]
車体長 20,800mm[5]
全幅 2,928mm[1][5][6]
車体幅 2,800mm[5]
全高 3,980mm[1][5][6]
車体高 3,620mm[5]
車体 全鋼製[5]
台車 ボルスタレス台車
NP129D(動力)・NP129T(付随)[5][6]
動力伝達方式 液体式
機関 DMF13HZ)×1 / 両[5][6]
機関出力 330ps[5][6]
変速機 TACN-22-1611[5][6]
変速段 変速1段・直結2段[5]
制動装置 電気指令式ブレーキ
直通予備ブレーキ[1][5]
保安装置 ATS-SM[1][5]
備考 ワンマン対応・総括制御機構[1][5]
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水島臨海鉄道MRT300形気動車(みずしまりんかいてつどうMRT300がたきどうしゃ)は、1995年平成7年)に4両[2][3]1996年(平成8年)に2両[4]、計6両製造された水島臨海鉄道気動車である。

概要

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日本国有鉄道(国鉄)、西日本旅客鉄道(JR西日本)および四国旅客鉄道(JR四国)から譲受したキハ20形が在籍していたが、車両の老朽化が進んでいた。老朽化した車両の淘汰や、安全・快適なサービス向上を図るために[1][7][5]、301・302が1995年2月11日[7][5]、303・304が1995年11月29日[8][3]、305・306が1996年11月22日 [4]に製造された。

構造

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車体

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新潟鐵工所のローカル線向け軽快気動車「NDC」の機構をベースとしており、全鋼製である[5]。輸送量の多い通勤・通学路線であるため、通常形気動車同等の全長21.3mの大型車である[5]

301・302はクリームホワイトの車体に、ブルー濃淡の線で車体側面に「MR」のロゴマークが描かれており[1][5]、304 - 306は青色の車体に、一般から公募したひまわりの絵がラッピングされ、後者には「ひまわり号」という愛称がある[8]

側出入口または側引戸は車体両端2箇所に片開きドアを設けており、旅客乗降口の幅は910mmである[1][5]

車内

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車内はクリーム系で明るい色調であり、座席は中央の通路を挟んで4組ずつの固定クロスシートを中央部に、ロングシートを車端部に設置し、千鳥形に配列している[1][5]。 側窓は上段は固定、下段は上昇下降できるようにしてあり、巻上げ式のカーテンを設置している[1]。 ドアを開閉するときに、ドアチャイムが鳴り、自動・半自動の切り替えが可能であり、半自動ドアはボタンで操作する方式である[5]

301・302を導入当初はワンマン運転は実施しておらず、将来のワンマン化に備えて準備工事を施した構造としていたが[1][5]、1996年(平成8年)3月16日よりワンマン運転開始にともない[9]、全列車に自動音声合成装置(音声案内)やワンマン設備を設置し、車内駅名・料金案内表示装置(LED)を305・306に設置している。トイレは全車両設置されていない。

走行装置

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エンジンは、新潟原動機製のDMF13HZ(330PS/2000rpm)を1基搭載しており[1][5][6]、総排気量は12.7リットルで最大トルクは144kg・m/ 1300rpmである[1]液体変速機は、変速1段・直結2段の新潟コンバーター製のTACN-22-1611を搭載している[1][5][6]。 空気バネ式のボルスタレス台車を採用しており[1][5]、動力台車形式はNP129Dで、付随台車形式はNP129Tである[1][6]制動装置は、電気指令式空気ブレーキ、直通予備ブレーキを装備し、空気圧縮機はC-600形を1台装備、留置する際は保安ブレーキで代用としており、メンテナンスの省力化を図っている[1][5]

空調装置

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暖房装置は機関排熱を利用した温水温風式で、最大能力は49.3kW(42,400kcal/h)、冷房装置は駆動機関に直結した空気圧縮機により均一に冷風を送り出す方式で、最大能力は36.1kW(31,000kcal/h)である[1][5][6]

運用

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1995年(平成7年)2月11日から営業運転を開始し[1] 、1995年から1996年(平成8年)にかけて投入された[2][3][4]

導入以来、車両外装に大きな変化は特になかったが、303は2020年令和2年)4月、水島臨海鉄道営業開始50周年を記念し、赤と青のツートンカラーに塗り替えられ、車内の座席シートを暖色系の格子模様柄に取り替えており、同月1日から運行を開始している[10][11]

305は2022年(令和4年)12月、児島競艇場開設70周年を記念し、倉敷芸術科学大学の学生が発案したラッピング列車となり、同月23日より運行を開始し、2024年(令和6年)3月末までの運行予定となっている[12][13][14]

304は2023年(令和5年)2月、水島本線三菱重工水島航空機製作所(現在の三菱自工水島製作所)専用鉄道として開業80周年を迎えることから、32系電車113系電車などで使用されたスカ色を元に、車体上半分をクリーム1号、車体下半分を青15号に塗装し、車内の座席シートを303と同様に暖色系の格子模様柄に取り替えており、同月8日より運行を開始している[15][16][17]

302は2023年12月、三菱ガス化学脱酸素剤「エージレス」のデザインが施されたラッピング列車となり、同月26日に水島駅にて出発式が開催され、2024年1月より運行を開始し、2025年(令和7年)3月までの運行予定となっている[18][19][20][21][22]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 『鉄道ファン1995年5月・水島臨海鉄道MRT300形』p64
  2. ^ a b c d e f 『鉄道ピクトリアル1995年10月・新車年鑑1995年版』p188
  3. ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル1996年10月・新車年鑑1996年版』p187
  4. ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル1997年10月・新車年鑑1997年版』p179
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 『鉄道ピクトリアル1995年10月・新車年鑑1995年版』p134
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m 『鉄道ピクトリアル1995年10月・新車年鑑1995年版』p182
  7. ^ a b 『鉄道ピクトリアル1995年10月・新車年鑑1995年版』p99
  8. ^ a b 『鉄道ピクトリアル1996年10月・新車年鑑1996年版』p104 - 105
  9. ^ 貨物・旅客輸送併営で地域活性化に取り組む
  10. ^ 【2020年4月1日】「50周年記念号」運行開始
  11. ^ 水島臨海鉄道MRT303のカラーリングが変更される
  12. ^ 児島ボート 70周年記念号が走ります!!
  13. ^ 児島ボートのラッピング列車公開 水島臨鉄、デザインは大学生考案
  14. ^ 水島臨海鉄道MRT305が「児島ボート70周年記念号」に
  15. ^ 水島臨海鉄道MRT304が新塗装に
  16. ^ 【開業80周年記念】MRT304の記念塗装について
  17. ^ 【なんとスカ色…?】水島臨海鉄道MRT300形304号の塗装変更
  18. ^ 三菱ガス化学 エージレス ラッピング列車の運行について
  19. ^ 水島臨海鉄道×三菱ガス化学 コラボラッピング列車お披露目
  20. ^ 水島臨海鉄道でラッピング列車の出発式 倉敷市に工場がある化学メーカーの「脱酸素剤」をPR 岡山
  21. ^ 三菱ガス化学 エージレス 運用表
  22. ^ 水島臨海鉄道で「エージレス」ラッピング車両運転

参考文献

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雑誌記事

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  • 寺田 祐一『私鉄気動車30年』JTBパブリッシング、2006年。ISBN 4-533-06532-5 
  • 交友社鉄道ファン』通巻409号(1995年5月)
    • 「水島臨海鉄道MRT300形」409号 pp. 64
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻号「新車年鑑1995年版」(1995年10月)
    • 藤井信夫、大幡哲海、岸上明彦「各社別車両情勢」 pp. 86-101
    • 水島臨海鉄道株式会社 運輸部 岡部昌「水島臨海鉄道MRT300形」 pp. 134
    • 「II. 民鉄車両 II-1 車両諸元表」 pp. 182-184
    • 「II. 民鉄車両 II-2 1994年度車両動向」 pp. 184-196
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻号「新車年鑑1996年版」(1996年10月)
    • 藤井信夫、大幡哲海、岸上明彦「各社別車両情勢」 pp. 88-105
    • 「II. 民鉄車両 II-2 1995年度車両動向」 pp. 183-195
  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻号「新車年鑑1997年版」(1997年10月)
    • 「II. 民鉄車両 II-2 1996年度車両動向」 pp. 176-186

Web資料

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外部リンク

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