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氏原寛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
氏原 寛うじはら ひろし
人物情報
生誕 1929年1月30日
日本の旗 日本
大阪府
死没 (2019-07-08) 2019年7月8日(90歳没)
出身校 京都大学
大阪市立大学
学問
学派 ユング分析心理学
研究分野 臨床心理学
カウンセリング
研究機関 大阪市教育研究所
大阪外国語大学
大阪市立大学
四天王寺国際仏教大学
椙山女学園大学
帝塚山学院大学
学位 学術博士(大阪市立大学・1990年)
主要な作品 『ユングを読む』
『カウンセリング実践史』
『カウンセリングは専門職である』
学会 日本ロールシャッハ学会
日本心理臨床学会
日本箱庭療法学会
公式サイト
帝塚山学院大学 教員紹介 - ウェイバックマシン(2018年11月7日アーカイブ分)
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氏原 寛(うじはら ひろし、1929年1月30日[1] - 2019年7月8日[2])は、日本臨床心理学者臨床心理士。専門は臨床心理学ユング派である。元帝塚山学院大学大学院人間科学研究科教授[3]

経歴

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1929年、大阪府生まれ。京都大学文学部史学科に入学し、西洋史学を専攻した。戦後の1953年、京都大学文学部を卒業。

卒業後は、大阪市立南高等学校教諭となり、大阪市教育研究所所員となった。一方で、大阪市立大学大学院生活科学研究科で学び、卒業した[3]。1977年、大阪外国語大学教授に就任。1984年からは大阪市立大学生活科学部教授。1990年、学位論文『「意識の場」理論と心理臨床の実践的研究』を大阪市立大学に提出して学術博士学位を取得[4]。1992年より四天王寺国際仏教大学文学部教授。 以降、1995年からは椙山女学園大学人間関係学部教授、2002年より帝塚山学院大学大学院人間科学研究科教授を務めた。帝塚山学院大学では、心理教育相談センター長も務めた。

研究内容・業績

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  • ユング派の心理学者として多数の翻訳を残した。

著書

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  • 『カウンセリングと教育』立教書院 1968
  • 『カウンセラー』青山書店 1972
  • 『臨床心理学入門 カウンセラーを志す人のために』創元社 1974
  • 『カウンセリングの実際』創元社 1975
  • 『心理臨床の実際 続・カウンセラーを志す人のために』創元社 1980.5
  • 『カウンセリングの実践』誠信書房 1985.5
  • 『心理診断の実際 ロールシャッハ・テストTATの臨床的解釈例』誠信書房 1986.6/オンデマンド版 2007.1
  • 『心の一生 ユング派に依るこころの原風景』ミネルヴァ書房(発達選書)1990.5
  • 『意識の場理論と心理臨床 ユング派的実践をめざして』誠信書房 1993.8
  • 『カウンセリングはなぜ効くのか 心理臨床の専門性と独自性』創元社 1995.2
  • 『おとなになるには カウンセラーが語る生き方ものの見方』ミネルヴァ書房 1995.9
  • 『子どもの心 カウンセラーからの提言』創元社 1996.11
  • 『カウンセリングの心』創元社 1997.10
  • 『ユングを読む』ミネルヴァ書房 1999.2[3]
  • 『カウンセリングの枠組み』ミネルヴァ書房 2000.8
  • 『実践から知る学校カウンセリング 教師カウンセラーのために』培風館 2000.9
  • 『カウンセラーは何をするのか その能動性と受動性』創元社 2002.1
  • 『ライフサイクルと臨床心理学』金剛出版 2004.2
  • 『ロールシャッハ・テストとTATの解釈読本 臨床的理解を深めるために』培風館 2005.3
  • 『カウンセリング・マインド再考 スーパービジョンの経験から』金剛出版 2006.11
  • 『日本の心理臨床 1 カウンセリング実践史』誠信書房 2009.4
  • 『心とは何か カウンセリングと他ならぬ自分』創元社 2012.4
  • 『カウンセリングは専門職である』人文書院 2014.8

共編著

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  • 森省二共編『名作童話の深層』創元社 1989.5/オンデマンド版 2010.2
  • 山中康裕共編『寂しい女』人文書院(症例研究)1991.6
  • 東山紘久共著『カウンセリング初歩』ミネルヴァ書房 1992.3
  • 山中康裕共編『老年期のこころ 男の本音女の真実』ミネルヴァ書房 1994.8
  • 東山紘久共編『幼児保育とカウンセリングマインド』ミネルヴァ書房 1995.4
  • 成田善弘共編『転移/逆転移 臨床の現場から』人文書院 1997.2/新版 2008.11
  • 『ロールプレイとスーパーヴィジョン カウンセリングを学ぶ人のために』ミネルヴァ書房 1997.7
  • 杉原保史共編『臨床心理学入門 理解と関わりを深める』培風館 1998.10
  • 菅佐和子共編『思春期のこころとからだ』ミネルヴァ書房 1998.4
  • 村山正治共編『今なぜスクールカウンセラーなのか』ミネルヴァ書房 1998.2
  • 成田善弘共編『共感と解釈 続・臨床の現場から』人文書院 1999.3
  • 成田善弘共編『カウンセリングと精神療法 心理治療』培風館(臨床心理学1)1999.7
  • 増井透・神谷栄治共編『私の知らない私 無意識の心理学』培風館 1999.4
  • 村山正治共編『ロジァーズ再考 カウンセリングの原点を探る』培風館 2000.6
  • 東山紘久共著『エッセンシャル臨床心理学 30章で学ぶこころの謎』ミネルヴァ書房 2000.10
  • 成田善弘共著『診断と見立て 心理アセスメント』培風館(臨床心理学 2)2000.2
  • 成田善弘共編『コミュニティ心理学とコンサルテーション・リエゾン 地域臨床・教育・研修』培風館(臨床心理学 3)2000.3
  • 松島恭子・千原雅代共編『はじめての心理学 心のはたらきとそのしくみ』創元社 2000.3
  • 田嶌誠一共編『臨床心理行為 心理臨床家でないとできないこと』創元社 2003.7
  • 西川隆蔵・康智善共編『現代社会と臨床心理学』金剛出版 2006.3
  • 成田善弘共編『意識と無意識 臨床の現場から』人文書院 2006.4
  • 森田美弥子共編『ロールシャッハ法の豊かな多様性を臨床に生かす 1症例をめぐってのさまざまなアプローチから』金子書房 2017.7

翻訳

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  • ゲルハルト・アードラー著、多田建治共訳『生きている象徴』人文書院 1979.6
  • M-L.フォン・フランツ『おとぎ話の心理学』創元社ユング心理学選書)1979.12/創元アーカイブス 2022.1
  • M=L.フォン・フランツ『おとぎ話における悪』人文書院 1981.5
  • M=L.フォン・フランツ『おとぎ話における影』人文書院 1981.5
  • A.バートン『カウンセリングと心理治療』人文書院 1982.7
  • エーリッヒ・ノイマン著、野村美紀子共訳『芸術と創造的無意識』創元社(ユング心理学選書)1984.5/創元アーカイブス 2021.2
  • ジェームズ・A.ホール著、片岡康共訳『ユング派の夢解釈 理論と実際』創元社(ユング心理学選書)1985.11
  • マリオ・ヤコービ『分析的人間関係 転移と逆転移』創元社(ユング心理学選書)1985.4
  • S.ビルクホイザー=オエリ『おとぎ話における母』人文書院 1985.4
  • M.スコット・ペック著、矢野隆子共訳『愛と心理療法』創元社 1987.5
  • M.-L.フォン・フランツ『夢と死 死の間際に見る夢の分析』人文書院 1987.11
  • ローズマリー・ゴードン『死と創造』創元社(ユング心理学選書)1989.1
  • A.サミュエルズ著、李敏子共訳『こころの病理学 現代ユング派の臨床的アプローチ』培風館(分析心理学シリーズ)1991.6
  • 『ユング・コレクション 子どもの夢』人文書院 1992
  • M.シドリ、M.デイヴィス著、山下景子共訳『子どもの個性化 ユング派の子どもの心理治療』培風館(分析心理学シリーズ)1992.10
  • M.フォーダム著、李敏子共訳『ユング派の分析技法 転移と逆転移をめぐって』培風館(分析心理学シリーズ)1992.7
  • C.A.マイヤー『個性化の過程-ユングの類型論よりみた人格論』創元社 1993
  • C.A.マイヤー『ユング心理学概説 4 個性化の過程 ユングの類型論よりみた人格論』創元社 1993.5
  • A.ヤッフェ他、李敏子共訳『臨死の深層心理』人文書院 1994.9
  • アニエラ・ヤッフェ編『ユング そのイメージとことば』誠信書房 1995.8
  • C.A.マイヤー『ユング心理学概説3 意識 ユング心理学における意識形成』創元社 1996.2
  • ジョイス・マクドゥーガル著、李敏子共訳『身体という劇場 心身症への精神分析的アプローチ』創元社 1996.3
  • マイケル・フォーダム著、越智友子共訳『ユング派の心理療法 分析心理学研究』誠信書房 1997.6
  • M・スコット・ペック著、矢野隆子共訳『愛すること、生きること 全訳「愛と心理療法」』創元社 2010.9

論文

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  • 「永遠の少年-ユング派的現代青年論」『発達』第33号 1988
  • 「中年期の危機」『臨床心理学大系 3. ライフサイクル』金子書房 1990

脚注

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  1. ^ 『現代物故者事典 2021〜2023』日外アソシエーツ、2024年、p.795。
  2. ^ 【訃報】氏原寛先生逝去 帝塚山学院大学 大学院 心理教育相談センター
  3. ^ a b c 氏原 寛 | 詳細 | 教員紹介 | 学部・大学院 | 帝塚山学院大学”. www.tezuka-gu.ac.jp. 2018年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月6日閲覧。
  4. ^ 氏原寛『「意識の場」理論と心理臨床の実践的研究』 大阪市立大学〈学術博士(学位授与番号:乙第1379号)〉、1990年。NAID 500000112612https://dl.ndl.go.jp/pid/3078716/1/1 

参考文献

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  • 大泉溥 編『日本心理学者事典』クレス出版、2003年、165頁。ISBN 4-87733-171-9