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横浜新都市交通2000形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
横浜新都市交通2000形電車
2000形(並木北駅にて)
基本情報
運用者 横浜シーサイドライン
製造所 東急車輛製造
総合車両製作所横浜事業所
製造年 2010年 - 2014年・2019年・2021年 [1]
製造数 5両編成18本(90両)
このほか、事故代替新造5両編成1本(5両)
運用開始 2011年2月26日
投入先 金沢シーサイドライン
主要諸元
編成 5両編成
軌間 1,700 mm
電気方式 直流 750 V
(剛体複線式)
最高運転速度 60[3][2] km/h
設計最高速度 60[2] km/h
起動加速度 3.5[3][2] km/h/s
減速度(常用) 3.5[3][2] km/h/s
減速度(非常) 4.5[3][2] km/h/s
編成定員 236[2]
車両定員 (Mc1,Mc5)46[2]
(M2)47[2]
(M3)48[2]
(M4)49[2]
車両重量 (Mc1,Mc5)11.5[2]t
(M2)11.4[2]t
(M3)10.7[2]t
(M4)11.2[2]t
編成重量 56.3[2]t
全長 連結面間 8,400[2] mm
全幅 2,460[2] mm
全高 3,325[2] mm
Mc車アンテナ部 3,344[2]mm
床面高さ 1,095 mm
車体 ステンレス鋼
台車 4輪ステアリングアーム方式(側面案内)
新潟トランシス製 NTS72形
主電動機 東洋電機製造製 TDK6452-A
かご形三相誘導電動機[2]
主電動機出力 120[2]kW
駆動方式 車体装架直角カルダン駆動方式
歯車比 41/6 (6.833)[2]
編成出力 600 kW
定格速度 36.3[2] km/h
制御方式 2レベルIGBT素子
VVVFインバータ制御[2]
制御装置 東洋電機製造製 RG6013-A(1)・B(1)-M
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ純電気ブレーキ保安ブレーキ駐車ブレーキ・空油変換式ディスクブレーキ[2]
保安装置 ATC・TD装置・ATO[2]
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横浜新都市交通2000形電車(よこはましんとしこうつう2000がたでんしゃ)は、横浜シーサイドライン(旧・横浜新都市交通)に在籍し金沢シーサイドラインで運用されているAGT新交通システム車両

概要

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1989年(平成元年)のシーサイドライン開業当初から運用されていた1000形に代わる車両として「Friendly:人にやさしくお客さまに親しまれる車両,Safety:安全性を重視するとともに故障に強い車両,Eco:省エネに配慮した車両」を基本コンセプトに製造された。製造元は事業継承前は東急車輛製造[4]、事業継承後は総合車両製作所横浜事業所。

2011年2月26日のダイヤ改正[5]から1編成5両の第31編成が営業運転を開始[6]。当初は2015年までに1000形の16編成80両を置き換えるとしていたが、1年前倒しの2014年5月には置き換えを完了することになった[7][8]。その後、2019年には2編成が増備されている[9]

外観

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車体は同社初のステンレス製。東急車輛製造の製品としては、初めて側構体にレーザー溶接を本格採用し、滑らかな仕上がりになっている。外板仕上げはBG(ベルトグラインド)#80。車体長はホームドアの関係で1000形と同じ8,000mm。デザインは多摩美術大学の客員教授が手がけたもので、海・波・水面が光を受けたきらめき、船の帆や旗がはためいている風景、軽やかで華やかな躍動感を、カラー7色の組み合わせによる三角形の幾何学模様で表現している。沿線住民が集まる懇談会でデザインが決定した。

第46編成については、黒・赤のラインを基調としたデザインに変更される。黒は「夜空」、赤は「朝明け」を表し、窓横の星のデザインは「夜明け前の星」を表している[8]。また、LED前照灯も第46編成で初めて採用された。第48編成は「進む、繋げる、シーサイドウェーブ」というコンセプトに基づき、海をイメージした青色をベースに、明るい水色や温かみのある黄色を配色し、車両の直線的な形状に対し、曲線のカラーリングデザインをあわせることで、親しみやすさを込めたカラーリングとした[9]

座席

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座席はロングシートとクロスシート。クロスシートは同社で初の導入となった。また1000形では立ち入り禁止であった運転席スペースも、無人運転に限り開放され、左右の2席のみ着席が可能となった。これも同社初の試みである。

車内装備

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  • 1000形より幅10cm、高さ5.5cm広がり、車椅子スペース弱冷房車優先座席(全席でなく一部座席となった)は標準で設けられた。
  • 当路線の大半は無人駅であることから車内の防犯上、防犯カメラが1両に2基ずつ搭載されている。防犯カメラ設置は通勤用車両では埼京線205系電車に次ぐ2番目の事例である。
  • 度々、乗客から要望が出ていた荷物棚も設置されている。
  • 客室側窓のカーテンは省略され、遮光性の高いガラスを採用した。
  • 換気できるよう、窓は開閉することができる。
  • 開く時に3回、閉まる時に4回鳴るドアチャイムが設置されている。
  • ドア開閉表示灯(ドア開閉時に赤く点滅)・路線情報を流す液晶ディスプレイ (LCD) 方式の車内案内表示装置(映像情報配信装置・トレインビジョン・VIS)も設置している。
  • 2013年7月17日から導入される第42編成より、車内照明がLED照明になっている。AGTでは初めての事例である[10]

主要機器

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  • 主制御器には東洋電機製造製の2レベルIGBTによるVVVFインバータ制御装置、RG6013-A(1)・B(1)-Mを採用した(PGセンサレス ハイブリッドベクトル制御・純電気ブレーキ対応)[3]。1C2M仕様のものをMc1車およびMc5車に、1C1M仕様のものをM3車に装備する[3]
  • 主電動機はかご形三相誘導電動機のTDK6452-A(端子電圧550V、電流162A、力率85.5%、周波数49Hz、1時間定格出力120kW、定格回転数1,445rpm、すべり1.8%、効率91.0%)を採用した[3]
  • 補助電源装置には静止形インバータ(SIV)のSVM38-4055A(定格容量 38kVA)を採用した[3]。出力電圧はSIVによる三相交流200V/60Hzのほか、変圧器による単相交流100V/60Hzが2kVA、整流器による直流100Vが5kWである(いずれもSIV箱に内蔵)[3]。編成中で2台搭載し、1台が故障した際には故障していないSIVから受給電装置を介して電力を供給する[3]

編成

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1000形と優先席・車椅子スペースの位置が異なる。製造は事業継承前は東急車輛製造[4]、事業継承後は総合車両製作所横浜事業所。

車両番号の付与方法は、千の位で2000形を表す「2」を、百ならびに十の位で製造順を(第一編成であれば「01」)、一の位で編成内における連結順を示すという、横浜市営地下鉄の各形式に準じた方式が採用されている。

横浜新都市交通2000形編成表
 
号車 1 2 3 4 5
形式 2○○1
(Mc1)
2○○2
(M2)
2○○3
(M3)
2○○4
(M4)
2○○5
(Mc5)
設備 優先席
優先席
弱冷房
優先席
優先席 優先席
搭載機器 主電動機
VVVF
CP
主電動機
SIV
BT
主電動機
VVVF
主電動機
SIV
BT
主電動機
VVVF
CP

運用

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現在は全列車が2000形で運転されている。1000形の引退前は、全編成が1000形と共通運用で運用上の区分はなかった。

廃車

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金沢シーサイドライン新杉田駅逆走事故で破損した41編成が廃車となり、2021年に同車番で全車が代替新造された。

参考文献

[編集]

脚注

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  1. ^ シーサイドライン2000形が姿を現す(交友社鉄道ファン)。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 横浜新都市交通 金沢シーサイドライン 2000型車両 - 車両技術241号 日本鉄道車両工業会
  3. ^ a b c d e f g h i j 横浜新都市交通株式会社2000型電機品 (PDF) - 東洋電機技報 第123号(インターネットアーカイブ)。
  4. ^ a b 2014年に横浜金沢プロパティーズへ商号変更後、2016年に東京急行電鉄に吸収合併され解散した。
  5. ^ ダイヤ改正を実施します (PDF) - 横浜新都市交通株式会社 2011年2月14日
  6. ^ シーサイドライン2000形が営業運転を開始 - 『鉄道ファン交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年2月27日
  7. ^ 1000型車両サヨナラ企画“第3弾”1000型車両サヨナラ乗車体験会! 参加者募集 - 横浜シーサイドライン、2014年3月24日、2014年3月28日閲覧(インターネットアーカイブ)。
  8. ^ a b 横浜シーサイドライン2000型新造車両、黒・赤の新しいデザインでデビュー! - マイナビニュース、2014年4月9日、同日閲覧。
  9. ^ a b 横浜シーサイドラインが新色の2000形を新製増備、12/2から通常運行へ - 鉄道チャンネル、2019年11月26日
  10. ^ シーサイドラインの車両に、環境にやさしいLED照明を採用いたします。 (PDF) 横浜新都市交通 2013年6月28日閲覧(インターネットアーカイブ)。