横浜市交通局4000形電車
横浜市営地下鉄4000形電車 | |
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仲町台駅にて(2023年5月) | |
基本情報 | |
運用者 | 横浜市交通局 |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー→川崎車両 |
製造年 | 2021年 - 2024年 |
製造数 | 8編成48両 |
運用開始 | 2022年5月2日[1] |
投入先 | ブルーライン(1号線・3号線) |
主要諸元 | |
編成 | 6両編成 |
軌間 | 1,435 mm(標準軌) |
電気方式 |
直流750 V (第三軌条集電方式) |
最高運転速度 | 80 km/h |
設計最高速度 | 90 km/h |
起動加速度 | 3.2 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 766人 |
車両定員 |
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自重 | 31.5 - 35.5 t |
編成重量 | 202 t |
車体長 |
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車体幅 | 2,760 mm |
全高 | 3,575 mm |
車体高 |
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床面高さ | 1,040 mm |
車体 |
ステンレス (efACE) |
台車 |
ボルスタレスモノリンク式空気バネ台車 (先頭車:SS162TB・中間車:SS162MB) |
車輪径 | 860 mm |
固定軸距 | 2,100 mm |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機 三菱電機製 MB-5170-A2 (開放型高効率タイプ) |
主電動機出力 | 140 kW(4台/1両) |
駆動方式 | 平行可とう歯車形軸継手式 |
歯車比 | 98/15 (6.53) |
制御方式 |
ハイブリッドSiC適用IGBT素子VVVFインバータ制御 (応荷重機能及び回生制動付・速度センサレスベクトル制御) |
制御装置 |
三菱電機製 MAP-148-75V303A |
制動装置 | 応荷重付電空併用電気指令式電磁直通ブレーキ(回生ブレーキ併用) |
保安装置 |
車内信号方式3重系一体形ATC (高周波連続誘導方式・照査回路方式) ATO(地点検知車上演算方式) YTM(列車制御管理装置) |
備考 | 出典:交友社『鉄道ファン 2022年6月号』、電気車研究会『鉄道ピクトリアル 2022年6月号』 |
横浜市交通4000形電車(よこはましこうつうきょく4000けい[2]でんしゃ)は、横浜市交通局が横浜市営地下鉄ブルーラインにて運用する通勤形電車である。
概要
[編集]1992年にデビューした3000A形の置き換え用として[3][4]、3000V形以来5年ぶりに導入された車両である[5][6]。当初は3000V形2次車として投入が予定されていたが[7]、車体外観を一新したため30年ぶりの新形式としている[5][6][8]。
1972年に登場した1000形以来50年ぶりに川崎重工業がブルーラインの車両を受注し[7]、2021年10月に車両事業を継承した川崎車両が製造を担当した[8]。
1編成あたりの製造費用は約13億5000万円である[8]。
車体
[編集]外観は横浜市が行った各種調査から「横浜のイメージ」や「横浜らしさ」を抽出し、「海辺の先進的な都会感」をコンセプトとして位置づけ、凛とした佇まいとスピード感を感じさせるデザインとしている[9]。
先頭部の構体形状は、従来の車両の面影を残しつつ、全体的に平面や直線のエッジを際立たせた構成とし、車体外観を一新している[10][6][8]。そのため、見る角度によって表情を変化させ躍動感を感じるデザインとしている[10][6]。併せて、従来は横に並べていた前照灯や尾灯も、縦配列としている[10][6]。従来車と並ぶと車体幅がスリムに見えるが同じである[8]。構体は、オールステンレスとし、新規設計等によって軽量化を図っている[10][11]。
車内
[編集]客室設備
[編集]客室内はラインカラーや路線名(ブルーライン)である青を基本とし、床敷物や座席に採り入れている[10][11]。車内を広く明るく見せるため、車間貫通扉や座席の袖仕切にガラスを多用している[10][11]。安全性向上と防音のため両側に設けられた貫通扉は、3000V形同様に全面ガラスを採用しているが、衝突防止のためプリントされている横浜の名所や建物は異なるものとなっている[10][11]。バリアフリーの観点からホームと車両の床面の段差を極力無くし、乗降口付近の床面や乗降扉の中央部は黄色に色分けを行なっている[10][11]。また、全車の湘南台方の車端部に設置している車椅子スペース・ベビーカースペースでは、握り棒や二段の手すり、固定ベルトを設けている[10][11]。
座席は、車間部は6人掛け、車端部は3人掛けのロングシートを使用し、1人あたりの座席幅を従来車より10 mm広くさせた(470 mm→480 mm)バケットシートとしている[12][11]。柄や色は、ゆずりあいシートを含めて同一の青色を使っているが、ゆずりあいシート付近は床の色に赤色、壁の色に白色(一般席部は灰色)を使うことで認識しやすくしている[12][13]。様々な人に利用出来るように、スタンションポールや10 cm程低くしたつり革を設置している[10][11]。
安全対策として、全車両のドア上の鴨居部に、防犯カメラを千鳥状に1両あたり3箇所、非常通報装置を4箇所設置している[10][11]。
より分かり易く情報を提供するため、幅150 cmの各乗降口上に、17.5形の液晶ディスプレイを2基ずつ設置している[10][11]。左側は広告動画用を、右側は4カ国語5言語を表示可能な次駅案内用としている[14][15]。また、停電時でも一部のディスプレイは車載のバッテリーで表示が可能となっており、非常時でも視覚的な案内を可能にしている[14][15]。
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車内
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LCD式車内案内表示器
乗務員室
[編集]乗務員室はワンマン運転を前提とした設計としており、操作性や視認性を考慮し、従来の機器配置を再度見直した設計としている[12][16]。
ホーム監視の映像を従来の4画面を横一列にする表示から、運転台に設けた15インチ程の液晶ディスプレイ1基に、田の字型に4分割で表示する方式に改良している[12][16]。速度計は従来のデジタル式から、丸型のアナログ式に変更している[12][16]。
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運転台
編成
[編集]← 湘南台方面 あざみ野方面 →
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製造年度 | ||||||
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形式 | 4xx1 (Tc1) |
4xx2 (M2) |
4xx3 (M3) |
4xx4 (M4) |
4xx5 (M5) |
4xx6 (Tc6) | |
搭載機器 | CP | VVVF | SIV | VVVF | SIV | CP | |
動輪軸 | ○▼○ ○○ | ●▼● ●▼● | ●● ●● | ●▼● ●▼● | ●● ●▼● | ○○ ○○ | |
自重 | 32 t | 35.5 t | 33.5 t | 35.5 t | 34 t | 31.5 t | |
車両番号 | 4621 | 4622 | 4623 | 4624 | 4625 | 4626 | 2022年度 |
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4661 | 4662 | 4663 | 4664 | 4665 | 4666 | ||
4671 | 4672 | 4673 | 4674 | 4675 | 4676 | 2023年度 | |
: | : | : | : | : | : | ||
4691 | 4692 | 4693 | 4694 | 4695 | 4696 |
- 凡例
今後の予定
[編集]2022年度末までに5編成、2023年度までに3編成が導入され[9]、3000A形を代替する予定[3][4]。
2027年度から3000N形(2次車)と3000S形(4次車)の置き換え用として4000形(2次車)を2027年度に1編成、2028年度から2030年度にそれぞれ4編成の計13編成が追加導入される計画である[17]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b 『ブルーライン新型車両4000形 営業運行開始日決定!& 試乗・見学ツアー開催』(PDF)(プレスリリース)横浜市交通局技術管理部車両課/一般財団法人横浜市交通局協力会、2022年3月29日。オリジナルの2022年3月29日時点におけるアーカイブ 。2022年5月21日閲覧。
- ^ “大阪メトロ「10系」はなぜ第3軌条車両初の「冷房車」になれたのか? 7月引退を機に考える”. Merkmal. p. 3 (2022年6月28日). 2022年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月7日閲覧。 アーカイブ 2022年7月7日 - ウェイバックマシン
- ^ a b 『鉄道ファン』通巻第734号、p.58。
- ^ a b 『鉄道ピクトリアル』通巻第999号、p.137。
- ^ a b 『鉄道ファン』通巻第734号、p.54。
- ^ a b c d e 『鉄道ピクトリアル』通巻第999号、p.132。
- ^ a b 『横浜市交通局向け地下鉄電車を受注』(プレスリリース)川崎重工業、2018年10月11日。オリジナルの2021年12月14日時点におけるアーカイブ 。2022年5月15日閲覧。
- ^ a b c d e “横浜市営地下鉄「大幅イメチェン」新車が担う課題 開業50年の節目に登場、久しぶりの「新形式」”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社 (2022年4月23日). 2022年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月21日閲覧。 アーカイブ 2022年4月23日 - ウェイバックマシン
- ^ a b 『横浜市営地下鉄ブルーラインに新型車両登場!』(PDF)(プレスリリース)横浜市交通局車両課、2021年12月13日。オリジナルの2021年12月13日時点におけるアーカイブ 。2022年5月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『鉄道ファン』通巻第734号、p.55。
- ^ a b c d e f g h i j 『鉄道ピクトリアル』通巻第999号、p.133。
- ^ a b c d e 『鉄道ファン』通巻第734号、p.56。
- ^ 『鉄道ピクトリアル』通巻第999号、pp.133 - 134。
- ^ a b 『鉄道ファン』通巻第734号、p.57。
- ^ a b 『鉄道ピクトリアル』通巻第999号、pp.136 - 137。
- ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』通巻第999号、pp.134 - 135。
- ^ “横浜地下鉄ブルーライン4000形「2次車」計画 3000形の2次車と4次車を更新へ”. 鉄道プレスネットワーク (2024年2月18日). 2024年3月29日閲覧。
参考文献
[編集]- 熊谷勝博(横浜市交通局技術管理部車両課)「横浜市交通局4000形」『鉄道ファン』第62巻第6号(通巻第734号)、交友社、2022年6月1日、54 - 58頁。
- 熊谷勝博(横浜市交通局技術管理部車両課)「横浜市交通局4000形」『鉄道ピクトリアル』第72巻第6号(通巻第999号)、電気車研究会、2022年6月1日、132 - 137頁、ISSN 0040-4047。
- 山畑勝・柏昭一(横浜市交通局技術管理部車両課)「横浜市交通局における新型車両の導入! 〜ブルーライン4000形車両の概要〜」(PDF)『SUBWAY(日本地下鉄協会報)』第233号、日本地下鉄協会、2022年5月27日、48 - 52頁、ISSN 0289-5668、 オリジナルの2022年5月29日時点におけるアーカイブ。