東高西低
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東高西低(とうこうせいてい)は、気圧配置の一種。日本付近から見て本州東方の気圧が高く、大陸方面の気圧が低い気圧配置であり、夏期または秋期に特に現れやすい。
概要
[編集]天気図上では、西の低気圧と東の高気圧に挟まれている図になる。
- 東高西低の気圧配置になると日本付近は南風が吹く場所が多くなり、太平洋からの湿った空気が入る太平洋側の山岳では天気が崩れることが多くなる。 一方、日本海側の山岳では天気の崩れが遅れ、低気圧や前線が接近した途端、天候が急激に悪化することが多くなることが多い[1][2]。
気象以外で使用される表現
[編集]→「西高東低 § 気象以外で使用される表現」も参照
名古屋市
[編集]愛知県名古屋市では、市の南西部に海抜0 m地帯が広がる一方、市内中心部を貫通する堀川より東は台地および丘陵地帯となっていることから、市内の地形は東高西低であると評されている[3]。また同市内では高度経済成長期の都市開発が主に市東部(名東区・天白区など)で進んだ一方、中川区・港区などの市西部は交通網整備・住宅地開発などの都市開発が遅れ、1987年(昭和62年)時点では人口増加率・地価上昇率ともに市東部が市西部を著しく上回っていたこと、および戦後に「人口重心」が市中心部から東進していく傾向が見られたことから、都市構造および都市発展の様子も「東高西低」であると評されている[4][5]。
名古屋学院大学教授の江口忍は2015年に、名駅(名古屋駅周辺エリア)の駅西は高層ビル建設が相次いでいた駅東に比べて存在感が薄いと評し、名古屋の「東西格差」の存在を指摘していた[6]。
神奈川県
[編集]神奈川県では県東部の横浜市・川崎市に人口が集中する傾向にある一方、それ以外の地域の多くは人口減や高齢化の傾向にあることから、人口分布および人口増加率は東高西低の傾向にあると評されており[7][8]、人口面および地価上昇率の面で東西格差の存在が指摘されている[9][10][11]。
脚注
[編集]- ^ “東高西低(とうこうせいてい)の気圧配置!!!!!”. fc2ブログ (2014年5月11日). 2023年6月18日閲覧。
- ^ “猪熊隆之の観天望気183回 天気が崩れていくときの雲(東高西低型)”. 空の百名山 (2022年7月1日). 2023年6月18日閲覧。
- ^ “都市計画概要2013 第1編 総論 第1章 市勢” (PDF). 名古屋市住宅都市局 (2013年10月1日). 2023年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月20日閲覧。
- ^ 『中日新聞』1988年2月1日朝刊一面1頁「「健康とスポーツの里」建設 名古屋の戸田川一帯 60ヘクタール、緑地など整備 新基本計画素案」(中日新聞社)
- ^ 『中日新聞』1988年7月28日朝刊市民版16頁「「人口重心」名古屋のヘソは鶴舞4丁目 市発展「東高西低」を反映 統計課まとめ」(中日新聞社)
- ^ 『中日新聞』2015年11月29日朝刊なごや東総合面25頁「街が変わる リニア本格着工 「駅東にない魅力つくれ」 名市大生ら駅西地区考える」(中日新聞社)
- ^ 『読売新聞』2022年1月1日東京朝刊神奈川県版2面24頁「避密を楽しむ 移住 テイクアウト専門店を営む ○○さん=神奈川 横浜→山北 相談増 空き家発掘急ぐ」(読売新聞東京本社・横浜支局)
- ^ 『読売新聞』2022年1月29日東京朝刊横浜版25頁「転入超過 全国最多 昨年3万1844人=神奈川」(読売新聞東京本社・横浜支局)
- ^ 『朝日新聞』1991年3月24日東京朝刊神奈川県2面28頁「東西格差(神奈川の針路 '91知事選で考える:4) 前途険しい地域振興 当面は「ゴルフ場」が頼り」(朝日新聞東京本社・横浜総局)
- ^ 『朝日新聞』2007年3月23日東京朝刊神奈川県版全県第二地方面28頁「住宅需要増え高騰 公示地価、16年ぶり上昇 /神奈川県」(朝日新聞東京本社・横浜総局)
- ^ 『読売新聞』2016年7月3日東京朝刊横浜版29頁「[争点の現場 参院選2016](5)人口減 若者世代の転出 横浜でも(連載)」(読売新聞東京本社・横浜支局)