朝鮮中央動物園
朝鮮中央動物園 | |
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施設情報 | |
面積 | 1平方キロメートル |
頭数 | 5000頭・匹以上 |
種数 | 650種 |
開園 | 1959年4月 |
所在地 | 朝鮮民主主義人民共和国平壌市大城区域 |
位置 | 北緯39度04分23秒 東経125度48分49秒 / 北緯39.073136度 東経125.813477度座標: 北緯39度04分23秒 東経125度48分49秒 / 北緯39.073136度 東経125.813477度 |
朝鮮中央動物園 | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 조선중앙동물원 |
漢字: | 朝鮮中央動物園 |
RR式: | Joseon Jung-ang Dongmulwon |
MR式: | Chosǒn Chung'ang Tongmulwǒn |
朝鮮中央動物園(ちょうせんちゅうおうどうぶつえん、チョソンちゅうおうどうぶつえん、朝鮮語: 조선중앙동물원)は、朝鮮民主主義人民共和国の平壌市にある朝鮮民主主義人民共和国の国立動物園である。その立地から平壌動物公園(ピョンヤンちゅうおうどうぶつえん、朝鮮語: 평양중앙동물원)とも呼ばれる。平壌の中心地にある大城山のふもとに位置し、1959年4月に金日成の指導により設立された[1]。
合計650種からなる5,000頭・匹を超える動物を飼育しており、面積は約1平方キロメートルにおよぶ[1]。
見どころ
[編集]動物園のゾウは、主な見どころの1つと言われている。飼育されているすべての象は、1959年にホー・チ・ミンから金日成に贈られた1頭の「英雄ゾウ」の子孫である[2]。動物園がゾウやその他の外国の動物を飼っていたことから、金日成は朝鮮中央動物園を「資本主義者」だとして非難し、伝えられるところでは在来の動物のみを飼うように指示していた[3]。しかし、2001年の朝鮮中央通信の報道によれば、朝鮮中央動物園は、他国の国家元首や一般人からの贈り物として贈られた400頭を含む、外国の様々な動物を飼育していることが分かっている。その多くは、スウェーデンのスカンセン水族館の館長を務める Jonas Wahlström から送られたものであり、1985年に設立された「動物博物館」という新しい展示で見られる[4]。イギリス紙のデイリー・テレグラフの報告によれば、動物園にはオウムも展示されており、このオウムは英語で「偉大な指導者、金日成同志 (Long live the Great Leader, Comrade Kim Il-sung)」と鳴けるという[5]。
2005年4月には、韓国の動物園と初となる動物交換を実施した。この交換で、ラマやカバをはじめとする複数種の動物を受け取った。代わりにツキノワグマ、アフリカの子馬、シベリアイタチなどが韓国の動物園に贈られた[6]。
防疫上の理由で、平壌ではイヌを飼うことが禁止されており、政府はイヌをペットとして飼う慣行を公式に批判している[7]。そのため、朝鮮中央動物園には、金日成が飼育し、1994年の没後に寄付された8匹を含め、イヌも展示されている[7]。 2000年のサミットで金大中から金正日に贈られたつがいの珍島犬も動物園で飼われている[8]。 この珍島犬のつがいは、2001年9月に5匹の子犬を産んでいる[8]。
2010年、ジンバブエのワンゲ国立公園の野生生物が、朝鮮中央動物園を含む複数の朝鮮民主主義人民共和国の動物園の飼育動物に加えられた。ジンバブエの保護活動家は、動物が長期の輸送や朝鮮民主主義人民共和国の動物園の状況に耐えられないのではないかと懸念し、この取引を非難した。ジンバブエ当局は、専門の獣医を朝鮮民主主義人民共和国の動物園に派遣し、飼育状況を確認することとなった[9]。
批判
[編集]朝鮮中央動物園は旅行ガイドのロンリープラネットと新聞のアジアタイムズによって非難されてきた。ロンリープラネットの朝鮮民主主義人民共和国旅行ガイドでは、「気が滅入り、意気消沈する場所で是非とも避けるべき」と解説されている[10]。アジア・タイムズが発表した2006年の報告書では、ケージの中の動物同士を、時には異なる種の動物同士を、戦わせ死に至らせる「自然ドキュメンタリー」の映画が存在し、『戦う動物』と題されていると報告している。この報告書は、絶滅危惧種を含む本映画の登場動物の多くは、朝鮮民主主義人民共和国内では朝鮮中央動物園でのみ飼育されていることを注記している。これを根拠に、アジアタイムズは異なる種類の動物同士を一つのケージに入れたり、互いに攻撃しあうように刺激することを含め、朝鮮中央動物園の飼育員が本映画の製作について共謀していると非難した[11]。 動物園には、タバコを吸うチンパンジー、バスケットボールをするサル、そろばんを弄る様に訓練された犬が見物となっている[12]。
アクセス
[編集]出典
[編集]- ^ a b “Central Zoo, Center for Cultural and Emotional Life”. Korean Central News Agency. (2006年8月2日). オリジナルの2007年9月26日時点におけるアーカイブ。 2007年7月18日閲覧。
- ^ “Gift animals”. Korean Central News Agency. (2001年7月20日). オリジナルの2007年10月10日時点におけるアーカイブ。 2007年7月18日閲覧。
- ^ French, Paul (2004年3月12日). “Pyongyang: The Hidden History of the North Korean Capital by Chris Springer”. Asian Review of Books. オリジナルの2004年6月13日時点におけるアーカイブ。 2007年7月18日閲覧。
- ^ “Animal Museum of Central Zoo in DPRK”. Korean Central News Agency. (2006年9月25日). オリジナルの2007年10月8日時点におけるアーカイブ。 2007年7月18日閲覧。
- ^ Kershaw, Andy (2003年3月20日). “North Korea: The paranoid state”. The Daily Telegraph 2007年7月18日閲覧。
- ^ Brooke, James (2005年5月15日). “A quarantine: Definitions differ in Seoul and the U.S.”. International Herald Tribune 2007年7月18日閲覧。
- ^ a b Kang, Chol-hwan (2000年11月5日). “Dogs Are Hard to Find in Pyongyang”. The Chosun Ilbo. オリジナルのJune 26, 2006時点におけるアーカイブ。 2007年7月18日閲覧。
- ^ a b “Exchanged Dogs Pup '2nd Generation' in Pyongyang and Seoul”. The People's Korea (169). (2001-11-03) 2007年7月18日閲覧。.
- ^ http://www.timeslive.co.za/africa/article463655.ece/Noahs-Ark-deal-row-rages-on
- ^ Bender, Andrew (2004). Lonely Planet: Korea. Lonely Planet. p. 349. ISBN 1-74059-449-5
- ^ Card, James (2006年1月28日). “North Korea: Red in tooth and claw”. Asia Times 2007年7月18日閲覧。
- ^ Simon, Johnny (19 October 2016). “The star of the Pyongyang zoo is a chain-smoking chimp”. Quartz 19 October 2016閲覧。