コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

暖房

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

暖房(だんぼう、煖房とも)は、室内を暖めて温度を上げる行為の総称。

歴史

[編集]

古くは、古代ローマハイポコーストが用いられていた。朝鮮半島にも三国時代に似た方式のオンドルがあり、いずれも火で暖めた空気を床下に通すことで暖房を行っていた。

1700年代中ごろには、イギリス蒸気暖房が初めて使われた。1800年代後半になると、アメリカ合衆国で鋳鉄製ボイラーが製造され、暖房技術の発展が進んだ。

日本では火鉢囲炉裏こたつなどがあるが、主に採暖型のものだった。明治時代以降、様々な方式のストーブが製造されたが、暖房の必要性がよく理解されていなかったことから、北海道ですら気候の異なる京都風の家が作られていた[1]。部屋全体を暖める暖房器具が普及するのは、第二次世界大戦後のことである。

暖房機器

[編集]

日本産業規格、JIS S 2091:2013「家庭用燃焼機器用語」[2]において、暖房機器Space heater)とは燃焼で発生したで、採暖または室内を暖める燃焼機器の総称と定義されている[注釈 1][3]。このため該当しない機器は#その他の暖房器具を参照。

ガス暖房機器

[編集]
ガスファンヒーター

ガス暖房機器(Gas heater)は燃料にガスを用いた暖房機器[注釈 2]

  • ガスストーブ – ガスを燃料とするストーブ。家庭用は表示ガス消費量が19キロワット (19,000 W)以下、開放式は7キロワット (7,000 W)以下のものを指す[注釈 3]
  • ガス温風暖房機 – 送風機による強制通気でガスを燃焼させ、燃焼ガスを含まず、温風を吹き出す方式[注釈 4]。FF式とも呼ばれる[注釈 5][7][5]
  • ガスファンヒーター – 送風機による強制通気でガスを燃焼させ、燃焼ガスを含んだ温風を強制対流させる方式の開放式ストーブ[注釈 6]
  • ガス暖炉 – ガスを燃料とした暖炉[注釈 7]

石油暖房機器

[編集]
石油ファンヒーター

石油暖房機器(Kerosene heater)は燃料に灯油軽油または重油を用いた暖房機器[注釈 8][8]

放射暖房

[編集]
室内に設置されたセントラルヒーティングの放射体(ラジエーター)部分

JIS Z 8117:2002「遠赤外線用語」[11]の中で、「暖房」もしくは「採暖」を目的とした機器のみを上げる。

その他の暖房器具

[編集]

上記に該当しない、機器・器具。

その他の暖房器具(方式別)
燃焼方式
電熱方式
温水・蒸気方式
熱交換方式

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 「暖房機器」と言う用語は「家庭用燃焼機器用語」、41001番[2]にて定義されている。
  2. ^ 42301番[2]にて定義。
  3. ^ 42302番[2]にて定義。
  4. ^ 42303番[2]にて定義。
  5. ^ a b 「強制給排気式」(ガス、番号:44309)または「強制給排形」(石油、番号:44310)のことを「FF式」とも称するが、FFの語源を用語上で明記していない[2][4][5]においてはForced Draught Balanced Flue Typeの略とあるが、一方[6]などではForced Flueの略とされている。いずれも正式な語源ではない点に留意されたい。
  6. ^ 42304番[2]にて定義。
  7. ^ 42305番[2]にて定義。
  8. ^ 43301番[2]にて定義。
  9. ^ 43302番[2]にて定義。
  10. ^ 43303番[2]にて定義。
  11. ^ 43304番[2]にて定義。
  12. ^ 43305番[2]にて定義。
  13. ^ 43306番[2]にて定義。
  14. ^ 43307番[2]にて定義。
  15. ^ 43308番[2]にて定義。
  16. ^ 5001番[11]にて定義。
  17. ^ 5004番[11]にて定義。
  18. ^ 5008番[11]にて定義。
  19. ^ 5012番[11]にて定義。
  20. ^ 5013番[11]にて定義。

出典

[編集]
  1. ^ SODANE - 昔の北海道の家はなぜ寒いのか? 司馬遼太郎がそのナゾに迫る! 編集根気 第2回
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p JIS S 2091:2013「家庭用燃焼機器用語」日本産業標準調査会経済産業省
  3. ^ Space heater Definition & Meaning” (英語). en:Dictionary.com. 2022年1月2日閲覧。
  4. ^ FF式の定義” (PDF). 一般財団法人 日本燃焼機器検査協会. 2022年1月3日閲覧。
  5. ^ a b c FFストーブとは? 温空感を応援し隊!”. サンポット. 2022年1月2日閲覧。
  6. ^ FF暖房』 - コトバンク
  7. ^ ガスFF暖房機”. リンナイ. 2022年1月2日閲覧。
  8. ^ a b 石油暖房機の種類”. 一般社団法人 日本ガス石油機器工業会. 2022年1月2日閲覧。
  9. ^ 長期使用製品安全点検・表示制度”. 経済産業省. 2022年1月2日閲覧。
  10. ^ 長期使用製品安全点検・表示制度のパンフレット” (PDF). 経済産業省. 2022年1月2日閲覧。
  11. ^ a b c d e f JIS Z 8117:2002「遠赤外線用語」日本産業標準調査会経済産業省
  12. ^ 放射暖房』 - コトバンク

関連項目

[編集]