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明日は遠く

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

明日は遠く」はエルヴィス・プレスリーコンピレーション・アルバム

解説

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1966年5月から1968年1月に映画とは無関係に録音され、サウンド・トラックのボーナスソングやシングルとして発表されていた曲を収録。 1966年6月10日録音の「毎日がクリスマスなら」と1967年9月11日録音の「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」「ウィ・コール・オン・ヒム」の3曲はクリスマス・ソング、ゴスペルであるためか収録されていない。 収録曲の録音場所は全てナッシュビルのRCAスタジオBである。 ボブ・ディランはエルヴィスの「明日は遠く」をこの曲のカバーの中で最も気に入っていると語っており[1]、私の宝物だとコメントしている[2]。 この曲は、ディラン自身のものとしては正式には録音されておらず、『グレーテスト・ヒット第2集 (アルバム)』で1963年のライヴ・バージョンが発表されているのみである。 エルヴィスは当時よく聴いていたオデッタのアルバム“Odetta Sings Dylan”でこの曲を覚えたという[3]。 「ギター・マン」はエルヴィスがラジオで聴いて気に入り、カバーすることを望んでいたが、ジェリー・リードのようなギターを再現出来なかったため、ついにジェリー・リード本人を呼ぶことにした。 釣り旅行中だったジェリー・リードがスタジオにやってきた時には、リードは1週間ほど髭を剃っておらず、古い泥だらけの服を着て現れ、フェルトン・ジャーヴィスによるとアラバマの野生人のように見えたため、エルヴィスは驚いたという[4]。 「ギター・マン」はフェードアウトして終わるが、エルヴィスはこの後に続けて「ホワッド・アイ・セイ」を歌っており、そのバージョンは『フロム・ナッシュヴィル・トゥ・メンフィス ジ・エッセンシャルズ60’sマスターズ』で発表されている。 「ギター・マン」と「ビッグ・ボス・マン」の録音後、ジェリー・リードに「ギター・マン」の版権を譲るよう交渉が行われたがリードはそれを拒否したためビジネス上のトラブルが起き、リードは帰ってしまった。 1968年1月のセッションでリードは呼び戻され録音に参加し、自作曲の「アメリカ魂」を提供している。 チャック・ベリーのカバーである「モンキー・ビジネス」では歌詞の横浜の部分をヴェトナムに変えて歌っており、時代を反映している。 「いつも夢中」と「アイル・リメンバー・ユー」は『フロム・ナッシュヴィル・トゥ・メンフィス ジ・エッセンシャルズ60’sマスターズ』と同様、オリジナル・リリースとは異なるテイク、またはバージョン(「アイル・リメンバー・ユー」は間奏等を含む、未編集のロング・バージョン)が収録されている。 「ラヴ・レター」のセッションではフロイド・クレイマーの到着が遅れたため、デヴィッド・ブリッグス(David Briggs)が代わりにピアノを弾き、 フロイド・クレイマーが到着してもエルヴィスはデヴィッド・ブリッグスにピアノを弾いてもらうように希望したため[4] 彼がそのままピアノを担当したが、1970年にデヴィッド・ブリッグスの希望で[5]再録音され『ラヴ・レター・フロム・エルヴィス』に収録された。

収録曲

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Track 録音日 邦題 曲名 作曲者 時間
1. 68/1/15 モンキー・ビジネス Too Much Monkey Business チャック・ベリー 2:32
2. 67/9/10 ギター・マン Guitar Man Jerry "Reed" Hubbard 2:17
3. 66/5/25 明日は遠く Tomorrow Is A Long Time ボブ・ディラン 5:22
4. 68/1/16 アメリカ魂 U.S. Male Jerry "Reed" Hubbard 2:43
5. 67/9/10 ビッグ・ボス・マン Big Boss Man Luther Dixon, Al Smith 2:52
6. 66/5/26 ラヴ・レター Love Letters Edward Heyman, Victor Young 2:52
7. 66/6/10,12 青い涙 Indescribably Blue Darrell Glenn 2:49
8. 66/5/28 恋のあわてん坊 Fools Fall In Love Jerry Leiber, Mike Stoller 2:07
9. 67/9/11 ハイ・ヒール・スニーカーズ Hi-Heel Sneakers Robert Higginbottham 4:33
10. 66/5/26 横丁を下って Down In The Alley Jesse Stone, Clovers 2:49
11. 66/5/28 いつも夢中 Come What May Franklin Tableporter 1:59
12. 67/9/10 私のもの Mine Roy C. Bennett, Sid Tepper 2:37
13. 67/9/10 ジャスト・コール・ミー・ロンサム Just Call Me Lonesome Rex Griffin 2:06
14. 67/9/10 愛しているのに You Don't Know Me Cindy Walker, Eddy Arnold 2:28
15. 67/9/11 ステイ・アウェイ Stay Away Sid Tepper, Roy C. Bennett 2:21
16. 67/9/11 シンギング・トゥリー Singing Tree A.L. Owens, A.C. Solberg 2:18
17. 68/1/15 ゴーイング・ホーム Going Home Joy Byers 2:30
18. 66/6/10,12 アイル・リメンバー・ユー I'll Remember You Kui Lee 4:06

参加ミュージシャン

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1966年5月25~28日セッション

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  • エルヴィス・プレスリー - Elvis Presley - ヴォーカル
  • スコティ・ムーア - Scotty Moore - ギター
  • チップ・ヤング - Chip Young - ギター
  • ボブ・ムーア - Bob Moore - ベース
  • ヘンリー・ストレゼレッキ - Henry Strzelecki - bass
  • チャーリー・マッコイ - Charlie McCoy - ギター、ベース、ハーモニカ
  • D.J.フォンタナ - D. J. Fontana - ドラム
  • バディ・ハーマン - Buddy Harman - ドラム、ティンパニ
  • フロイド・クレイマー - Floyd Cramer - ピアノ
  • ヘンリー・スローター - Henry Slaughter - ピアノ、オルガン
  • デヴィッド・ブリッグス - David Briggs - ピアノ、オルガン
  • ピート・ドレイク - Pete Drake - スティールギター
  • ルーファス・ロング - Rufus Long - サクソフォーン
  • ブーツ・ランドルフ - Boots Randolph - サクソフォーン
  • レイ・スティーヴンス - Ray Stevens - トランペット
  • ザ・ジョーダネアーズ - The Jordanaires - バッキングヴォーカル
  • ジ・インペリアルズ - The Jordanaires - バッキングヴォーカル
  • ミリー・カーカム、ジューン・ペイジ、ドロレス・エドジン - Millie Kirkham, June Page, Dolores Edgin バッキング・ヴォーカル

1966年10月10日~12日セッション

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  • エルヴィス・プレスリー - Elvis Presley - ヴォーカル
  • スコティ・ムーア - Scotty Moore - ギター
  • チップ・ヤング - Chip Young - ギター
  • ハロルド・ブラッドリー - Harold Bradley ギター
  • ボブ・ムーア - Bob Moore - ベース
  • D.J.フォンタナ - D. J. Fontana - ドラム
  • バディ・ハーマン - Buddy Harman - ドラム、ティンパニ
  • デヴィッド・ブリッグス - David Briggs - ピアノ
  • ヘンリー・スローター - Henry Slaughter - オルガン
  • ピート・ドレイク - Pete Drake - スティールギター
  • ルーファス・ロング - Rufus Long - サクソフォーン
  • ザ・ジョーダネアーズ - The Jordanaires - バッキングヴォーカル
  • ジ・インペリアルズ - The Jordanaires - バッキングヴォーカル
  • ミリー・カーカム、ジューン・ペイジ、ドロレス・エドジン - Millie Kirkham, June Page, Dolores Edgin バッキング・ヴォーカル

1967年9月10日~11日セッション

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  • エルヴィス・プレスリー - Elvis Presley - ヴォーカル
  • フロイド・クレイマー - Floyd Cramer - ピアノ
  • ホイト・ホーキンス - Hoyt Hawkins - オルガン
  • チャーリー・マッコイ - Charlie McCoy - オルガン、ギター、ハーモニカ
  • ブーツ・ランドルフ - Boots Randolph - サクソフォーン
  • ピート・ドレイク - Pete Drake - スティールギター
  • ザ・ジョーダネアーズ - The Jordanaires - バッキングヴォーカル
  • ミリー・カーカム - Millie Kirkham バッキング・ヴォーカル
  • スコティ・ムーア - Scotty Moore - ギター
  • ジェリー・リード - Jerry Reed - ギター
  • ハロルド・ブラッドリー - Harold Bradley ギター
  • チップ・ヤング - Chip Young - ギター
  • ボブ・ムーア - Bob Moore - ベース
  • D.J.フォンタナ - D. J. Fontana - ドラム
  • バディ・ハーマン - Buddy Harman - ドラム

1968年1月15日~17日セッション

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  • エルヴィス・プレスリー - Elvis Presley - ヴォーカル
  • スコティ・ムーア - Scotty Moore - ギター
  • ジェリー・リード - Jerry Reed - ギター
  • チップ・ヤング - Chip Young - ギター
  • ボブ・ムーア - Bob Moore - ベース
  • D.J.フォンタナ - D. J. Fontana - ドラム
  • バディ・ハーマン - Buddy Harman - ドラム
  • フロイド・クレイマー - Floyd Cramer - ピアノ
  • ピート・ドレイク - Pete Drake - スティールギター
  • チャーリー・マッコイ - Charlie McCoy - ハーモニカ
  • ザ・ジョーダネアーズ - The Jordanaires - バッキングヴォーカル

脚注

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  1. ^ 明日は遠く ライナーノーツ
  2. ^ アーティスト・オブ・センチュリー ライナーノーツ
  3. ^ エルヴィス伝―復活後の軌跡 1958-1977 239P
  4. ^ a b フロム・ナッシュヴィル・トゥ・メンフィス ジ・エッセンシャルズ60’sマスターズ ライナーノーツ 39P
  5. ^ エルヴィス伝―復活後の軌跡 1958-1977 395P