早川正夫
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早川 正夫(はやかわ まさお、1926年[1] - )は、日本の建築家。数寄屋建築の第一人者であり、茶室の設計や歴史的建築物の復元や改修を数多く手がけている。また木材の接合部に金物を使用しない「カンザシ工法」の開発者であり大規模な現代木造建築を手がけている。 建築家・堀口捨己の高弟であり、堀口の設計体制を継承している。
略歴
[編集]茨城県生まれ。東京大学第一工学部建築学科を昭和23年に卒業。辰野金吾賞受賞。坂倉準三建築研究所に勤務。昭和26年明治大学工学部の助手として堀口捨己教授の研究室に入る。昭和37、明治大学助教授を退職し早川正夫建築設計事務所を設立する。定年退職後の堀口捨己の設計活動に共同を続ける。東京大学、明治大学、福井大学、の非常勤講師を歴任する。 昭和58年より伝統建築の講習講座「日本建築セミナー」を設立し、講師を務める。昭和61年に「木造建築研究フォラム」を設立し、理事を務める。 昭和63年「彦根城博物館(表御殿の復原)の設計」で「建築業協会賞・特別賞」を受賞。平成元年「近世数奇屋建築に関する一連の業績」で「日本建築学会賞・業績賞」を受賞。平成9年「神野御茶屋隔林亭の設計」で「日本建築学会・作品選奨」を受賞。
主な作品
[編集]- 八甲田ホテル(荒川温泉)(青森県青森市)
- 彦根城博物館 (滋賀県彦根市)
- 別府コミュニティーセンター (大分県別府市)
- 小川町ふるさと館 (栃木県那珂川町)
- 五十崎凧博物館 (愛媛県内子町)
- 勝山木材ふれあい会館 (岡山県真庭市)
- 西目屋村総合センター (青森県西目屋村)
- せっ泉庵(佐賀県立九州陶磁文化館) (佐賀県有田町)
- 八勝館 (愛知県名古屋市)
- 静岡雙葉学園 (静岡県静岡市)
- 浜松海の星高等学校 (静岡県浜松市)
- 石鎚神社頂上社 (愛媛県石鎚山)
- 東京本願寺本廟 (茨城県牛久市)
- 深川神明宮 (東京都江東区)
- 深川神明幼稚園 (東京都江東区)
- 長昌寺 (東京都小金井市)
- たくみ・潺々庵 (東京都八王子市)
- 旭ダイヤモンド工業工場、他 (神奈川県、千葉県、三重県、山梨県)
- 鎌田醤油旧本店改修 (香川県坂出市)
- 四谷シモン人形館・淡翁荘 (香川県坂出市)
- 矢橋ホールディングス社屋 (岐阜県大垣市)
復元・改修・移築
[編集]- 彦根城表御殿(彦根城博物館) (滋賀県彦根市)
- 黄金の茶室(MOA美術館) (静岡県熱海市)
- 尾形光琳屋敷(MOA美術館) (静岡県熱海市)
- 神野御茶屋 隔林亭 (佐賀県佐賀市)
- 旧一条恵観(一条昭良)山荘「止観亭」移築 (重要文化財) (神奈川県鎌倉市 宗徧流)
- 赤坂宿・矢橋家 (登録有形文化財)改修 (岐阜県大垣市)
- 鎌田共済会郷土博物館 (登録有形文化財)改修 (香川県坂出市)
著書
[編集]- 数奇屋ノート二十章 建築資料研究社
- 日本の美術 別巻「庭」 平凡社
その他
[編集]「カンザシ工法」と呼ぶ木造建築の柱と横架材(差物)の仕口加工を考案し、ダイナミックな木造の大空間を造っている。柱、梁の接合部に金物を使用しない工法で、日本の伝統建築から発想している。
カンザシ工法を用いた建物(木造大規模空間)
- 八甲田ホテル (青森県青森市)
- 五十崎凧博物館 (愛媛県五十崎町)
- 小川町ふるさと館 (栃木県小川町)
- 勝山木材ふれあい会館 (岡山県勝山町)