河竹賞
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(日本演劇学会河竹賞から転送)
河竹賞(かわたけしょう)は、日本演劇学会が主催する演劇研究の学術賞。正式名称は日本演劇学会河竹賞(にほんえんげきがっかいかわたけしょう)。
概要
[編集]日本演劇学会初代会長・河竹繁俊を記念し、故人の遺志で創設された。演劇学会員の優れた年間業績に対して贈られる。会員の学会寄贈図書及び会員推薦図書論文などを候補とし、大会で確認された選考委員会が選考する。副賞(賞金)5万円。第37回(2005年)より受賞者は日本演劇学会大会で記念講演をおこなっていたが、第51回(2019年)より大会でのあいさつに変更された。第40回(2008年)より若手研究者激励のための河竹賞奨励賞が新設された。奨励賞副賞は3万円。2018年選考をより厳正化するため選考規定が学会総会で決定された(2019年一部改正)。
受賞者
[編集]第1回から第10回
[編集]- 第1回 1969年(昭和44年)室木弥太郎『金平浄瑠璃正本集』全3巻(角川書店)
- 第2回 1970年(昭和45年)小畠元雄『演劇学の基本問題』(風間書房)
- 第3回 1971年(昭和46年)今尾哲也『変身の思想』(法政大学出版局)
- 第4回 1972年(昭和47年)角田一郎ほか『農村舞台の総合的研究』(桜楓社)
- 第5回 1973年(昭和48年)小笠原恭子『かぶきの誕生』(明治書院)
- 第6回 1974年(昭和49年)大山功『近代日本戯曲史』全4巻(近代日本戯曲史刊行会)
- 第7回 1975年(昭和50年)遠山静雄『日照演劇論』(私家版)
- 第8回 1976年(昭和51年)後藤淑『能楽の起源』(木耳社)
- 第9回 1977年(昭和52年)山崎久松構成『曳山人形戯現状と研究』(東洋出版社)
- 第10回 1978年(昭和53年)歌舞伎評判記研究会『歌舞伎評判記集成』全10巻(岩波書店)
第11回から第20回
[編集]- 第11回 1979年(昭和54年)石井順三(芸能学会機関紙『芸能』を多年編集し、発行した功労)
- 第12回 1980年(昭和55年)利倉幸一『続々歌舞伎年代記 呻』(演劇出版社)
- 第13回 1981年(昭和56年)松本伸子『明治演劇論史』(演劇出版社)
- 第14回 1982年(昭和57年)渡辺保『忠臣蔵―もう一つの歴史感覚』(白水社)、『俳優の運命』(講談社)
- 第15回 1983年(昭和58年)笹山隆『ドラマと観客―観客反応の構造と戯曲の意味』(研究社出版)、義太夫年表刊行会『義太夫年表近世篇』全5巻(八木書店)
- 第16回 1984年(昭和59年)菅井幸雄『演劇創造の系譜』(青木書店)
- 第17回 1985年(昭和60年)毛利三彌『イプセンのリアリズム』(白鳳社)
- 第18回 1986年(昭和61年)守屋毅『近世芸能興行史の研究』(弘文堂)
- 第19回 1987年(昭和62年)横道萬里雄『能楽の研究』(岩波書店)
- 第20回 1988年(昭和63年)藤波隆之『近代歌舞伎論の黎明―小宮豊隆と小山内薫』(学芸書林)
第21回から第30回
[編集]- 第21回 1989年 (昭和64年・平成元年)須山章信・土田衛『歌舞伎絵尽し年表』(桜楓社)
- 第22回 1990年(平成2年)内山美樹子『浄瑠璃史の十八世紀』(勉誠社)、吉田節子『江戸歌舞伎法令集成』(桜楓社)
- 第23回 1991年(平成3年)該当者なし
- 第24回 1992年(平成4年)大岡欽治『関西新劇史』(東方出版)、人形舞台史研究会『人形浄瑠璃舞台史』(八木書店)
- 第25回 1993年(平成5年)須田悦生『若狭猿楽の研究』(三弥井書店)、和田修『金子一高日記』等の紹介の業績
- 第26回 1994年(平成6年)白方勝『近松浄瑠璃の研究』(風間書房)、高島邦子『20世紀アメリカ演劇一アメリカ神話の解剖』(国書刊行会)
- 第27回 1995年(平成7年)松崎仁『歌舞伎・浄瑠璃・ことば』(八木書店)
- 第28回 1996年(平成8年)野村喬『戯曲と舞台』(リブロポート)、鳥居フミ子『近世芸能の発掘』(勉誠社)
- 第29回 1997年(平成9年)該当者なし
- 第30回 1998年(平成10年)該当者なし
第31回から第40回
[編集]- 第31回 1999年(平成11年)竹内道敬『近世邦楽考』(南窓社)
- 第32回 2000年(平成12年)井上理恵『近代演劇の扉をあける―ドラマトゥルギーの社会学』(社会評論社)、荻田清『上方板歌舞伎関係一枚摺考』(清文堂)
- 第33回 2001年(平成13年)武井協三『若衆歌舞伎・野郎歌舞伎の研究』(八木書店)
- 第34回 2002年(平成14年)小櫃万津男『日本新劇理念史 続明治中期編』(白水社)
- 第35回 2003年(平成15年)西村博子『蚕娘の繊絲』(翰林書房)、佐藤恵里『歌舞伎・俄研究』(新典社)
- 第36回 2004年(平成16年)該当者なし
- 第37回 2005年(平成17年)石澤秀二『祈りの懸け橋 評伝田中千禾夫』(白水社)
- 第38回 2006年(平成18年)宮本圭造『上方能楽史の研究』(和泉書院)、瀬戸宏『中国話劇成立史研究』(東方書店)
- 第39回 2007年(平成19年)中村哲郎『歌舞伎の近代 作家と作品』(岩波書店)、神山彰『近代演劇の来歴―歌舞伎の「一身二生」』(森話社)
- 第40回 2008年(平成20年)天野文雄『世阿弥がいた場所―能大成期の能と能役者をめぐる環境』(ぺりかん社) *奨励賞 小林かおり『じゃじゃ馬たちの文化史―シェイクスピア上演と女の表象』(南雲堂)
第41回から第50回
[編集]- 第41回 2009年(平成21年)今西雅章 『シェイクスピア劇と図像学』(彩流社) *奨励賞は該当者なし
- 第42回 2010年(平成22年)大笹吉雄 『新日本現代演劇史』全4巻(中央公論新社) *奨励賞は該当者なし
- 第43回 2011年(平成23年)斎藤偕子『19世紀アメリカのポピュラーシアター ー国民的アイデンティティの形成』(論創社)、小田中章浩『現代演劇の地層ーフランス不条理演劇生成の基盤を探る』(ぺりかん社) *奨励賞は該当者なし
- 第44回 2012年(平成24年)本賞は該当者なし。*奨励賞伊藤りさ『人形浄瑠璃のドラマツルギー 近松以降の浄瑠璃作者と平家物語』(早稲田大学学術叢書)
- 第45回 2013年(平成25年) 渡辺保『明治演劇史』(講談社)、奨励賞 笹山敬輔『演技術の日本近代』(森話社)
- 第46回 2014年(平成26年)原道生『近松浄瑠璃の作劇法』(八木書店古書出版部)、奨励賞 岡田万里子『京舞井上流の誕生』(思文閣出版)
- 第47回 2015年(平成27年)本賞は該当者なし。*奨励賞 岡本淳子『現代スペインの劇作家 アントニオ・ブエロ・バリェホ 独裁政権下の劇作と抵抗』(大阪大学出版会)
- 第48回 2016年(平成28年)本賞、奨励賞とも該当者なし。
- 第49回 2017年(平成29年)本賞は該当者なし。*奨励賞 日置貴之『変貌する時代のなかの歌舞伎―幕末・明治期歌舞伎史』(笠間書院)
- 第50回 2018年(平成30年)山田和人『竹田からくりの研究』(おうふう)、*奨励賞 萩原健『演出家ピスカートアの仕事 ドキュメンタリー演劇の源流』(森話社)、 堀真理子『改訂を重ねる「ゴドーを待ちながら」 演出家としてのベケット』(藤原書店)
第51回から第60回
[編集]- 第51回 2019年(平成31年・令和元年)古井戸秀夫『評伝鶴屋南北』(白水社)、奨励賞 大西由紀『日本語オペラの誕生──鷗外・逍遙から浅草オペラまで』(森話社)
- 第52回 2020年(令和2年)本賞は該当者無し、奨励賞 田村容子『男旦(おんながた)とモダンガール 二〇世紀中国における京劇の現代化』(中国文庫)、寺田詩麻『明治・大正 東京の歌舞伎興行 その「継続」の軌跡』(春風社)
- 第53回 2021年(令和3年)本賞は該当者無し、奨励賞 埋忠美沙『江戸の黙阿弥 善人を描く』(春風社)、桜木陽子『中国古典芸能論考-元代の楊貴妃の物語を中心として-』(汲古書院)
- 第54回 2022年(令和4年)本賞は該当者無し、奨励賞 岡田蕗子『岸田理生の劇世界』(大阪大学出版会)、須川渡『戦後日本のコミュニテイ・シアター 特別でない「私たち」の演劇』(春風社)
- 第55回 2023年(令和5年)岩井眞實『近代博多興行史-地方から中央を照射する-』(文化資源社)、奨励賞 大崎さやの『啓蒙期イタリアの演劇改革―ゴルドーニの場合 』(東京藝術大学出版会)
- 第56回 2024年(令和6年)本賞は該当者無し、奨励賞 鈴木彩 『泉鏡花の演劇ー小説と戯曲が交差するところ』(花鳥社)