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日本海オロロンライン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本海えびタコ街道から転送)
国道231号幌〜床丹間。国道は山肌と海の間に設けられている
雄冬岬にある白銀の滝

日本海オロロンライン(にほんかいオロロンライン)は、北海道中北部の日本海側石狩市から稚内市までの国道231号国道232号および北海道道106号稚内天塩線の呼称である[1]。単にオロロンラインまたはオロロンロードなどとも呼ばれる。

概要

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北海道中北部の日本海側の海岸に沿って南北を走るルートで、国道231号・国道232号および北海道道106号稚内天塩線の各国道と道道をつなぐ。一般には起点を石狩市の石狩川の河口付近、終点は稚内とする約290km区間の道路を指す[1]

国道231号は、石狩市厚田区(旧厚田村)・同市浜益区(旧浜益村)、雄冬岬を経て留萌管内の増毛町(ましけ)を通り留萌市へ至る。かつては濃昼山道(ごきびる)、送毛山道(おくりげ)、雄冬山道増毛山道など交通の難所が多かったが、現在はトンネルの開通整備によりそこ以外はおおむね日本海を眺望できるルートである。

国道232号は、留萌市から小平町(おびら)・苫前町羽幌町(はぼろ)・初山別村(しょさんべつ)・遠別町(えんべつ)・天塩町(てしお)まで日本海沿岸を北上する。この沿線にはかつては並行して旧国鉄羽幌線が運行されていたが、旧国鉄分割民営化直前の1987年3月をもって廃線となっている。そのため現在でも旧羽幌線のトンネル坑口や陸橋などの遺構がまだ数多く見られる。各市町村には道の駅温泉などの施設があるとともに、天売島焼尻島がある羽幌町を更に北上すると利尻富士(利尻島)を望む日本海の眺望ドライブルートとして観光ガイドなどで紹介されている。

北海道道106号稚内天塩線は、留萌管内の天塩町から宗谷管内の幌延町(ほろのべ)・豊富町(とよとみ)・稚内市までを結ぶ。サロベツ原野の中を南北に一直線に通る道路は、オトンルイ風力発電所の風車が道路に沿って3kmにわたって並ぶほかは人家や電柱などの人工物がほとんどなく、海の向こうには利尻富士を望むことができる絶景ドライブルートとして知られる[2]。風車が建設される前にはこの道路のロケーションを生かして、国産自動車メーカーのCM撮影が行われていたことがある。

呼称の由来

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羽幌町市街地の南側のオロロン鳥モニュメント

「オロロン」は、天売島北海道苫前郡羽幌町)に生息する絶滅危惧種の海鳥オロロン鳥にちなんだものであり[1]、「オルルーン、オルルーン」という鳴き声からオロロン鳥と呼ばれるようになったといわれている[1]ウミガラスの別名である。ペンギンに似た姿をしており飛ぶことよりも泳ぐことのほうが得意な鳥である。

羽幌町内には町が設置したオロロン鳥の巨大モニュメントがあり、字栄町(市街地南部)と字汐見(北部)の国道232号沿いの山側に1基ずつ設置されている。なお当初は羽幌港天売港にも1基ずつ設置されていたが現在は撤去されている。

オロロン鳥は天売島などを中心に北海道の日本海沿岸に生息していたのは太平洋戦争以前までのことで、昭和時代後半には餌となるニシンが捕れなくなったことに伴い急速に数を減らした[1]。現在は天売島が国内唯一の繁殖地であり環境省北海道地方環境事務所羽幌自然保護官事務所が営巣地周辺にウミガラスに似た模型を置いたり鳴き声の音声を流して誘因したりするほか、カラスなど捕食者対策などの保護増殖に取り組んでおり、2024年の飛来数は122羽だったと発表した[3]

観光開発推進協議会とトライアスロン国際大会の名称に

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小樽市から稚内市までの日本海沿岸中北部の18市町村(小樽市・石狩市・厚田村(現 石狩市厚田区)・浜益村(現 石狩市浜益区)・増毛町・留萌市・小平町・苫前町・羽幌町・初山別村・遠別町・天塩町・幌延町・豊富町・稚内市・利尻富士町・利尻町・礼文町)などで構成された広域観光の促進団体「日本海オロロンライン観光開発推進協議会」(平成18年度末で解散)の名称で用いられた[4][5][6]。協議会解散後も小樽市から稚内市までを結ぶ観光ルートとして「日本海オロロンライン」の呼称が用いられ[7]、近年では北海道における日本海中北部沿岸ルートの呼称として使われるようになり、現在では各種地図やカーナビゲーションなどの道路表記にも用いられている。

また、1987年(昭和62年)から2006年(平成18年)までの8月に増毛郡増毛町から天塩郡幌延町までの港や国道などを主な会場として開催された「日本海オロロンライントライアスロン国際大会」の名称にも用いられた。

観光

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脚注

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参考文献

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  • 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著「日本海オロロンライン」、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選 [新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日、8-11頁。ISBN 978-4-05-610907-8 

関連項目

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