数学記号の表 (導入年別)
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次の表は数学で使われている多くの特殊記号を導入された年の順に並べたものである。
→詳細は「数学記号の表」を参照
記号 | 名前 | 最初の使用年 | 最初の使用者 |
---|---|---|---|
+ | 加号 | 1360年頃(加号に似たラテン語のetの省略) | ニコル・オレーム |
− | マイナス記号 | 1489年頃(マイナス記号の最初の登場、プラス記号の紙上に最初の登場) | ヨハネス・ヴィトマン |
√ | 根号(平方根を表す) | 1525年頃(冪根の上に線はなかった) | クリストッフ・ルドルフ |
(…) | 括弧(計算順序のまとめとして) | 1544年頃(手書きのメモにおいて) | Michael Stifel |
1556年 | ニコロ・タルタリア | ||
= | 等号 | 1557年 | ロバート・レコード |
× | 乗法記号 | 1618年 | ウィリアム・オートレッド |
± | プラスマイナス記号 | 1628年 | |
∷ | 比例記号 | ||
n√ | 根号(n乗根を表す) | 1629年 | Albert Girard |
< | 不等号(超過と未満) | 1631年 | トーマス・ハリオット |
> | |||
xy | 肩付き記法(べき乗を表す) | 1636年(肩付き数字にローマ数字を用いる) | James Hume |
1637年(現在と同じ表記法) | ルネ・デカルト | ||
√ ̅ | 根号(平方根を表す) | 1637年(冪根の上に線あり) | ルネ・デカルト |
% | パーセント記号 | 1650年ごろ | 不明 |
÷ | 除算記号 | 1659年 | Johann Rahn |
∞ | 無限記号 | 1655年 | ジョン・ウォリス |
≤ | 不等号(以上と以下) | 1670年 (不等号の下ではなく上に横線を加えて) | |
≥ | 1734年(不等号の下に二重の横線を加えて) | ピエール・ブーゲ | |
d | 微分記号 | 1675年 | ゴットフリート・ライプニッツ |
∫ | 積分記号 | ||
: | コロン(除法を意味する) | 1684年(1633年に始まる分数を表すコロンの使用から派生) | |
· | 中黒(乗法を意味する) | 1698年(並んだ数字を分けるための最初期の中黒の使用から派生したものであろう) | |
⁄ | スラッシュ(solidusとも) | 1718年 (12世紀アラブ人により考案された水平の分数線から派生) | Thomas Twining |
≠ | 不等号(等しくないことを表す) | 不明 | レオンハルト・オイラー |
総和記号 | 1755年 | ||
∝ | 比例記号 | 1768年 | William Emerson |
∂ | 偏微分記号(curly dもしくはヤコビのデルタとも) | 1770年 | ニコラ・ド・コンドルセ |
x′ | プライム記号(微分を意味する) | 1748年 | レオンハルト・オイラー |
≡ | 恒等記号(合同関係を表す) | 1801年(紙上で最初に登場した年。これより前にもガウスの個人的なメモでは使われていた) | カール・フリードリヒ・ガウス |
[x] | 整数部(床関数とも) | 1808年 | |
総乗記号 | 1812年 | ||
! | 階乗 | 1808年 | クリスチャン・クランプ |
⊂ | 部分集合記号(subset, supersetとも) | 1817年 | Joseph Gergonne |
⊃ | 1890年 | Ernst Schröder | |
|…| | 絶対値表記 | 1841年 | カール・ワイエルシュトラス |
行列の行列式 | アーサー・ケイリー | ||
‖…‖ | 行列記法 | 1843年[1] | |
∇ | ナブラ記号(ベクトル微分を表す) | 1846年(以前はハミルトンにより多目的の演算記号として使われていた) | ウィリアム・ローワン・ハミルトン |
∩ | 積集合 | 1888年 | ジュゼッペ・ペアノ |
∪ | 和集合 | ||
∈ | 部分集合(元であることを表す) | 1894年 | |
∃ | 存在記号 | 1897年 | |
ℵ | アレフ数(超限基数を表す) | 1893年 | ゲオルク・カントール |
{…} | 波括弧(集合表記で使われる) | 1895年 | |
ℕ | 黒板太字大文字N(自然数集合を表す) | ジュゼッペ・ペアノ | |
· | 中黒(ドット積を表す) | 1902年 | ウィラード・ギブズ |
× | 乗法記号(クロス積を表す) | ||
∨ | 論理和 (OR) | 1906年 | バートランド・ラッセル |
(…) | 行列表記 | 1909年[1] | Maxime Bôcher |
[…] | 1909年[1] | Gerhard Kowalewski | |
∮ | 線積分記号 | 1917年 | アルノルト・ゾンマーフェルト |
ℤ | 黒板太字大文字Z(整数集合) | 1930年 | エトムント・ランダウ |
ℚ | 黒板太字大文字Q(有理数集合) | 1895年 | ジュゼッペ・ペアノ |
∀ | 全称記号 | 1935年 | ゲルハルト・ゲンツェン |
∅ | 空集合記号 | 1939年 | アンドレ・ヴェイユ / ニコラ・ブルバキ[2] |
ℂ | 黒板太字大文字C(複素数集合) | 1939年 | Nathan Jacobson |
→ | 矢(関数表記に用いる) | 1936年 (特定の要素の像を表す) | Øystein Ore |
1940年(現在の表記 f : X → Y) | Witold Hurewicz | ||
∎ | 証明終了記号(墓石記号とも) | 1950年[3] | ポール・ハルモス |
⌊x⌋ | x以下最大の整数(床関数) | 1962[4] | ケネス・アイバーソン |
⌈x⌉ | x以上最小の整数(天井関数) |
脚注
[編集]- ^ a b c “Earliest Uses of Symbols for Matrices and Vectors”. jeff560.tripod.com. 18 December 2016閲覧。
- ^ Weil, André (1992), The Apprenticeship of a Mathematician, Springer, p. 114, ISBN 9783764326500.
- ^ Halmos, Paul (1950). Measure Theory. New York: Van Nostrand. pp. vi. "The symbol ∎ is used throughout the entire book in place of such phrases as "Q.E.D." or "This completes the proof of the theorem" to signal the end of a proof."
- ^ Kenneth E. Iverson (1962), A Programming Language, Wiley 20 April 2016閲覧。