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エビ亜目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
抱卵亜目から転送)
エビ亜目(抱卵亜目)
Pleocyemata
分類
: 動物Animalia
: 節足動物Arthropoda
階級なし : 汎甲殻類 Pancrustacea
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱(エビ綱) Malacostraca
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 抱卵亜目(エビ亜目) Pleocyemata
学名
Pleocyemata Burkenroad, 1963
下目

エビ亜目(エビあもく、学名: Pleocyemata)は、エビ目(十脚目)を2分する分類群の一つ。抱卵亜目(ほうらんあもく)とも呼ばれる。和名に「エビ」とあるが、大部分のエビのみならず全てのヤドカリカニも含み、逆に、クルマエビなどはクルマエビ亜目(根鰓亜目)でありこの亜目に含まれない。

特徴

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成体のは弁状の構造が多数繋がった葉鰓(ようさい)phyllobranch、または枝分かれの無い毛が多く生えたような構造の毛鰓(もうさい)trichobranch で、クルマエビ亜目の根鰓(こんさい)と区別する。

また、エビ亜目は受精卵をメスの腹肢に特有に付着させ保護するのが特徴で、クルマエビ亜目に比べて卵が大粒・少数である。成体のメスは卵を保護するため、オスに比べて腹肢が長かったり、腹部が幅広かったりする。このような性的二形があるため、クルマエビ亜目のエビ類に比べてオス・メスの区別がつけ易い。

子は卵の中でノープリウス期を過ごし、ゾエア幼生の形態で孵化する。一生を淡水で過ごすミナミヌマエビザリガニ類、コシオリエビサワガニなどは、幼生期の大半、または全てを卵の中で過ごす。このように卵の中で長期に亘って成長する分類群は成長のための卵黄を蓄える必要があり、特に卵が大きい。

成熟しても全長数ミリメートルにしかならない種類から、1メートルを超えるロブスター、脚を広げると3メートルに達するタカアシガニまで、大きさや生態は多様性に富む。

分類

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De Grave et al. (2009) による[1]。ただし、キワ上科 Kiwaoidea に替え、クモエビ上科 Chirostyloidea を置く[2]

クルマエビサクラエビなどを除くエビの大部分と、ヤドカリカニの全てを含む。

出典

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  1. ^ De Grave, Sammy; Pentcheff, N. Dean; Ahyong, Shane T.; et al. (2009), “A classification of living and fossil genera of decapod crustaceans”, Raffles Bulletin of Zoology Suppl. 21: 1-109, https://hdl.handle.net/10088/8358 
  2. ^ Schnabela, K.E.; Ahyongb, S.T.; Maas, E.W. (2011), “Galatheoidea are not monophyletic – Molecular and morphological phylogeny of the squat lobsters (Decapoda: Anomura) with recognition of a new superfamily”, Molecular Phylogenetics and Evolution 58 (2), https://doi.org/10.1016/j.ympev.2010.11.011 
  3. ^ Ignác Richter(スロバキアの昆虫学者) or Vera Andreevna Richter(ロシアの昆虫学者) or Martha Richter(古生物学者) or Hans-Joachim Richter(魚類学者)
  4. ^ Ignác Richter(スロバキアの昆虫学者) or Vera Andreevna Richter(ロシアの昆虫学者) or Martha Richter(古生物学者) or Hans-Joachim Richter(魚類学者)

参考文献

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  • 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑』 1巻、保育社〈保育社の原色図鑑 (62)〉、1982年7月。ISBN 978-4-586-30062-4 

関連項目

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外部リンク

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