技術士 経営工学部門
技術士 経営工学部門(ぎじゅつし けいえいこうがくぶもん、部門の英文呼称は、Industrial Engineering [1])は、21部門からなる技術士資格の中の1部門。
技術士第一次試験での選択科目は、経営管理、数理・情報[2]の2つである。
技術士第二次試験での選択科目は、生産・物流マネジメント、サービスマネジメントの2つである(2024年度現在)。
名称表示
[編集]技術士登録後には、名刺などに「技術士 経営工学部門」に加えて、「技術士 経営工学部門 生産・物流マネジメント」または「技術士 経営工学部門 サービスマネジメント」と選択科目の表記が可能である。なお、技術士の名称表示の場合、部門名の表示が必要とされている(技術士法 第46条)[3]。
沿革
[編集]- 1958(昭和33)年度
- 技術士制度創設当初の部門名は、「生産管理部門」であった。
選択科目は、「工場管理」「品質管理」「包装」の3つであった[4]。
- 1961(昭和36)年度
- 「科学技術情報管理」の選択科目が新設される。
- 同選択科目の内容は、「科学技術情報の収集、処理、調査その他の科学技術情報管理に関する事項」であった。
- 4つの選択科目(工場管理、品質管理、包装、科学技術情報管理)となる[5]。
- 1971(昭和46)年度
- 1983(昭和58)年度
- 部門名を「経営工学部門」とする。生産管理部門を発展的に解消し、経営工学部門を新設する[8]。
- 5つの選択科目(工場計画、生産管理、品質管理、包装及び物流、プロジェクト・エンジニアリング)に再編される。
- 新たに、工場立地のアセスメント等を含む「工場計画」及び「物流」が追加される[8]。
- 2004(平成16)年度
- 5つの選択科目(生産マネジメント、サービスマネジメント、ロジスティクス、数理・情報、金融工学)に再編される。
- 2019(令和元)年度
- 2つの選択科目(生産・物流マネジメント、サービスマネジメント)に再編される。
- 従来の3つの選択科目(生産マネジメント、ロジスティックス、数理・情報)を統合し、「生産・物流マネジメント」とする。「サービスマネジメント」に、従来の2つの選択科目(金融工学、数理・情報)を統合する。数理・情報は、経営工学の手法の一つであるため、生産・物流マネジメントとサービスマネジメントの両方に含める[9]。
選択科目の変遷
[編集]年度 | (生産領域) | (その他の領域) |
---|---|---|
1958年度 [10] | ■工場管理 工場建設 |
■品質管理 品質管理に関する事項 |
1961年度 [5] | ■工場管理 工場建設 |
■品質管理 品質管理に関する事項 |
1971年度 | ■工場管理 (省略) |
■品質管理 (省略) |
1983年度 [11] | ■工場計画 工場立地 |
■品質管理 品質管理(標準化及び倍頼性管理を含む。)に関する事項 |
2004年度 [12] | ■生産マネジメント 生産計画及び管理 |
■サービスマネジメント サービス提供の計画及び管理(プロセス設計及びシステム設計を含む。) |
2019年度 [13] | ■生産・物流マネジメント 生産計画及び管理 |
■サービスマネジメント サービス提供の計画及び管理(プロセス設計及びシステム設計を含む。) |
(注)上表では、便宜的に生産領域とその他の領域に区分した
合格者数の推移
[編集]各年度の試験結果は、以下[14]。
年度 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
2019 | 300 | 258 | 36 |
2020 | 213 | 186 | 22 |
2021 | 252 | 210 | 16 |
2022 | 234 | 200 | 28 |
2023 | 234 | 189 | 23 |
2024 | 236 |
技術士登録者数(女性)の推移
[編集]各年3月末時点の数値は、以下[15]。
年度 | 技術士登録者数(女性) |
---|---|
2009 | 2 |
2010 | 3 |
2011 | 3 |
2012 | 5 |
2013 | 8 |
2014 | 8 |
2015 | 10 |
2016 | 10 |
2017 | 11 |
2018 | 12 |
2019 | 15 |
2020 | 18 |
2021 | 18 |
2022 | 18 |
2023 | 19 |
2024 | 20 |
脚注
[編集]- ^ 技術部門と選択科目の英文表記, 日本技術士会
- ^ 技術士第一次試験の科目 日本技術士会
- ^ 技術士法 第46条 (技術士の名称表示の場合の義務)
- ^ [科学技術庁長官官房総務課, 1958, 技術士制度と国家試験 : 技術士になりたい人のために]
- ^ a b [科学技術庁振興局振興課, 1963, 技術士試験問題集 昭和38年度(第6回)]
- ^ 木下晃男, 1971, 昭和46年度 技術士本試験情報処理部門 情報管理 問題と解説, 情報管理, 科学技術振興機構, pp.563-566.
- ^ 田辺金蔵, 1971, 技術士試験に「情報処理部門」の新設, 情報管理, Vol.14, No.5, pp.287-288(Aug.1971)
- ^ a b 「技術部門の変遷」(技術士制度の改善方策について資料, 2000年2月)日本技術士会
- ^ 「技術士試験の見直しについて」技術士分科会(第22回)配付資料, 2012年6月
- ^ [科学技術庁長官官房総務課, 1958, 技術士制度と国家試験 : 技術士になりたい人のために, 技術士本試験の試験科目の内容に関する告示]
- ^ 岸田孝弥(2002), 経営工学関連分野とJABEE審査 一経営工学の新展開一, オペレーションズ・リサーチ, 日本オペレーションズ・リサーチ学会, pp.633-636.
- ^ 技術士制度について, 日本技術士会, 2012年4月
- ^ 技術士制度について, 日本技術士会, 2023年4月
- ^ 「技術士第二次試験 統計情報」日本技術士会
- ^ 「技術士登録者の部門別女性割合」日本技術士会