扶養控除
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
扶養控除(ふようこうじょ)とは、納税者本人に配偶者以外の扶養親族がある場合、その人数に応じて一定額を所得金額から差し引くことが認められる税金の控除制度をいう。[1]
制度の内容
[編集]日本では、所得税及び個人住民税において、納税者が16歳以上の扶養親族を有する場合に、控除対象扶養親族一人につき所定の控除額が総所得金額等から控除される。所得控除であり、人的控除である。(所得税法第84条、地方税法第314条の2)
扶養親族の要件
[編集]扶養親族の身分要件は、その年12月31日現在(死亡時はその時の現況)で、次のすべてに該当するものである。
- 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)、又は市町村長から養護を委託された老人であること。
- 納税者と生計を一にしていること。
- 年間の合計所得金額が48万円(給与所得のみの場合、給与収入103万円)以下であること。
- 2019年分迄は、合計所得金額が38万円(給与所得のみの場合、給与収入103万円)以下であること。
- 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、かつ白色申告者の事業専従者でないこと。
そして、控除対象扶養親族の身分要件は、扶養親族のうち年齢16歳以上の者である。
控除額
[編集]対象者 | 年齢 | 控除額 |
---|---|---|
年少扶養親族 | 16歳未満 | - |
一般の控除対象扶養親族 | 16-18歳、23-29歳 | 38万円(住民税:33万円) |
特定扶養親族 | 19-22歳 | 63万円( 〃 45万円) |
一般の控除対象扶養親族 (下記を除く) |
30-69歳 | 38万円( 〃 33万円) |
一定の国外居住親族 (2023年分以後の扶養親族) |
30-69歳 | - |
老人扶養親族(同居老親等) | 70歳以上 | 58万円( 〃 45万円) |
老人扶養親族(その他) | 70歳以上 | 48万円( 〃 38万円) |
留意点
[編集]- 16歳未満の扶養親族対する控除である「年少扶養控除」は、子ども手当(現・児童手当)が導入されて、その対象になったことで廃止された。所得税の扶養控除は2011年分から、個人住民税は平成24年度(2012)徴収分から廃止された[2]。
- 同居老親等は、納税者本人又はその配偶者の直系尊属となる老人扶養親族で、その納税者等と普段同居している者をいう。[5]
- 2023年分所得税から、非居住者である扶養親族(年齢30歳以上70歳未満に限る)のうち、留学生、障害者、生活費又は教育費に充てるための送金を38万円以上受けている者の何れにも該当しないものは控除対象扶養親族から外される。(2016年分所得税より、非居住者である親族を扶養控除等の対象にする場合には、親族関係書類と送金関係書類が必要とされる。[6])
脚注
[編集]- ^ “扶養控除(ふようこうじょ)の意味 - goo国語辞書”. goo辞書. 2019年12月14日閲覧。
- ^ デジタル大辞泉. “年少扶養控除(ネンショウフヨウコウジョ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2023年3月10日閲覧。
- ^ No.1160 障害者控除(国税庁)
- ^ 年少扶養控除廃止と住民税の非課税制度
- ^ 国税庁「No.1182お年寄りを扶養している人が受けられる所得税の特例」
- ^ 国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(国税庁)