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戦時において異性装をしていた人物の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハンナ・スネル(1723-1792)は男性と偽って兵士になったイギリス人女性である

戦時において異性装をしていた人物の一覧(せんじにおいていせいそうをしていたじんぶつのいちらん)では、様々な環境および目的から、本来の性別とは異なる服装で戦争に従軍したり経験した人物を一覧にする。この定義に従うと実際の性別は女性である場合が多くなる。周囲が全員男性の軍人である中で兵士として従軍したり、何らかの目的から性を偽って危険な環境に身を投じた女性たちである。

それとは反対に、男性が徴兵逃れのために女性の服装をすることもあった。神話に例を引けば、トロイア戦争に参加させないために、リュコメデスは女装したアキレスを王宮に匿ったとされる。

歴史

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古代

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女装するヤマトタケル

中世前期

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  • 木蘭は、中国において詩や劇の題材にもなっている伝説上の女性で、父に代わって兵士として各地で異民族を相手に戦ったとされる。

14世紀

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15世紀

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オルレアンに入るジャンヌ・ダルク(ジャン=ジャック・シェラー英語版、1887年)
  • オノラタ・ロディアニ英語版は男性の服装と名前で従軍したイタリア人の騎兵であり傭兵である。1423年からオルドラード・ランプニャーノという名のコンドッティエーレ〔傭兵〕につき従った。
  • ジャクリーヌ・ド・エノーは、ネーデルラントの釣り針とタラ戦争英語版において釣り針派(貴族主義的な党派)を率いた。ジャクリーヌは、この戦いに破れてヘントに幽閉されたが、従者の1人と男性の恰好をして兵士を装い脱出した[2]
  • ジャンヌ・ダルクはフランスの英雄でありローマ・カトリックの聖人である。現在のフランス東部の地に農民の娘として生まれたとされる。神託を御旗にフランス軍を率い、百年戦争においていくつもの重要な勝利をもたらした。最期には敵の捕虜となり、異端として19歳の若さで火刑に処された。ジャンヌは敵対するブルゴーニュ派の領土を男性兵士を装って旅してまわった。

16世紀

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  • ブリタ・オロフズドッター英語版は、夫で兵士のニルス・シモンソンを亡くした寡婦であった。オロフズドッターは男装し、リヴォニアでスウェーデン軍におけるフィンランド人部隊の一員として従軍した。戦いの最中で命を落としたが、スウェーデン王のヨハン3世は彼女を讃えて遺族に恩給を授けた。

17世紀

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18世紀

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ヨアンナ・ジュビル

19世紀

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バッファロー・ソルジャーの一員となったキャセイ・ウィリアムス

20世紀

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フローラ・サンデス(1918年頃)
  • ヴィクトリア・ザフス第一次世界大戦においてオーストリア軍に入隊した女性。
  • フローラ・サンデス英語版は第一次世界大戦においてセルビア軍に入隊した女性[9]
  • ヴァンダ・ゲルツ英語版は第一次世界大戦においてポーランド軍に入隊し、「カジミエシュ・ズショヴィッチ」として東部戦線を戦った。 その後、女性義勇軍に加わり、第二次世界大戦では国内軍において全員が女性で構成された工作部隊を指揮した。
  • ドロシー・ローレンス英語版はイギリスの女性記者であり、第一次世界大戦中に男性として従軍した。
  • ゾーヤ・スミルノワは第一次世界大戦の時代のロシア人女学生である。彼女は友人たち11人とともにモスクワの学校を抜けだし、男性と偽ってガリツィアとカルパチア山脈一帯で戦うロシア軍に入隊した。仲間の1人が戦死し、スミルノワも負傷を負った後にようやく彼女の性別が明らかになった。生前からスミルノワは自分たちの行動について英語メディアにインタビューを受けていた[10][11][12]
  • フリーダ・ベリンファンテ英語版は音楽家としても名高いが、第二次世界大戦中にゲシュタポの摘発を逃れるため、6ヵ月の間自分を男性と偽ってオランダにおけるレジスタンス活動に参加していたことでも知られる。
  • ヘンク・ヨンカー英語版は自分を女性と偽ってオランダにおけるレジスタンスに参加していた[13]
  • 後に映画監督として名を残すエド・ウッドは第二次世界大戦時にアメリカ海兵隊に入隊しタラワの戦いに参加したがその際、軍服の下に女性用の下着を履いて参加した(性癖としての女装癖を戦場に持ち込んだ例)。
  • エフード・バラックは、イスラエル首相になる以前の1973年にベイルートで実行された秘密ミッションである「青春作戦」において、女装してパレスチナ解放機構のメンバーを暗殺した[14]

脚注

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  1. ^ 佐伯順子 (2015). “性の越境ー異性装とジェンダー”. 表現における越境と混淆 36: p.38. 
  2. ^ Vaughan, Richard. Philip the Good. pp. 34–49 
  3. ^ Davies, Christian (1740). The life and adventures of Mrs. Christian Davies, commonly called Mother Ross. London 
  4. ^ Dall, Wells Healey Caroline Wells Healey; Dall, Caroline (April 2010) (英語). The College, the Market, and the Court. Applewood Books. ISBN 9781429043441. https://books.google.com/?id=GZ0OKDvwXIcC&pg=PA163&dq=Louise+Antonini#v=onepage&q=Louise%2520Antonini&f=false 
  5. ^ Charles Edward Stewart: The Young Pretender”. The Scotsman. 5 September 2012閲覧。
  6. ^ https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/122100751/?P=1 19世紀フランスでは違法、男装の女性考古学者デュラフォイの生涯 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  7. ^ Hispanics in the Military”. Valerosos.com. 2013年10月22日閲覧。
  8. ^ The Hispanic Experience – Contributions to America's Defense”. Houstonculture.org. 2013年10月22日閲覧。
  9. ^ "Kvinnorna som klippte håret, tog på sig manskläder och tog värvning", Studio Ett , Sveriges Radio, 7 October 2016. Retrieved 9 October 2016.
  10. ^ Hirschfeld, Magnus (1930). The Sexual History Of The World War (revised edition 1946). Cadillac Publishing. Page 100.
  11. ^ Jones, David E. (2000). Women Warriors: A History. Washington D.C.: Brassey's. p. 134 ISBN 1-57488-206-6
  12. ^ Salmonson, Jessica Amanda (1991). The Encyclopedia of Amazons. Paragon House. Page 236. ISBN 1-55778-420-5
  13. ^ Liepman, Ruth (1997). Maybe Luck Isn't Just Chance. Northwestern UP. p. 66. ISBN 9780810112957. https://books.google.com/books?id=YOtfJkD6GxoC&pg=PA66 
  14. ^ “Profile: A trusted leader”. news.bbc.co.uk. (January 27, 2000). http://news.bbc.co.uk/2/low/special_report/1999/05/99/israel_elections/330562.stm 2008年6月12日閲覧。