コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

愛するために愛されたい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
愛するために愛されたい
ジャンル テレビドラマ
脚本 梅田みか
武井彩
演出 小林義則
松田秀知
星田良子
森永恭朗
出演者 坂口憲二
黒木瞳
製作
プロデューサー 中山和記
製作 TBS
共同テレビジョン
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2003年7月3日 - 9月4日
放送時間木曜21:00 - 21:54
放送枠TBS木曜9時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数10
テンプレートを表示

愛するために愛されたい』(あいするためにあいされたい)は、2003年7月3日から9月4日まで毎週木曜日21:00 - 21:54に、TBS系で放送された共同テレビ製作のテレビドラマ[1]

当初全11回の予定だったが、21時台に視聴率4.1%を出すなど低迷し、全10回に変更された。初回のみ、21:00 - 22:04。

あらすじ

[編集]

日本にある宇宙機関JASDAでスペースシャトルの打ち上げを目指す秋山達。途中、理沙が訓練中に山道を2キロも転げ落ちて怪我をしたり、星野がルナティックだったり、病気での死亡が示唆されていたはずの宮田が火事で亡くなったり、それにより謎の男・ジョージ松岡が赴任してきたりなどのトラブルもあったが、なんとかシャトルを打ち上げるところまでこぎつける。なお、このシャトル打ち上げプロジェクトには600億円かかっている。

一方、初回でビルから落ちたのになぜか生きている玲子が実はゴーストであったことが、途中の回のナレーションで唐突に視聴者に明かされる。玲子は自分が死んだことを知らずに、今までタンゴを踊ったりシャンパンを飲んだり泡風呂に入ったりと生活してきたのだ。そして亡霊となって現れた宮田のテレパシーにより、玲子自身も自分がゴーストということを知るのであった。

そして、最終回、色々あって急遽搭乗員となった秋山と星野はスペースシャトルに乗り込み宇宙へと赴く。ところが緊急事態が発生し、全ての計器が機能しなくなる。そこで、秋山は、同乗していた星野を脱出カプセルで射出させた後、宇宙空間に浮かび上がりながらタンゴを踊る巨大な玲子と会話をし、宇宙のかなたへ消えるのであった。そして秋山と玲子はどこかの時代のどこかの星に生まれ変わり、恋人同士となるのであった。

キャスト

[編集]

レギュラー出演

[編集]
秋山元治〈30〉
演 - 坂口憲二
日本人初の有人シャトル打ち上げ計画に臨む宇宙飛行士。NASAで宇宙飛行士としての訓練を終えており、飛べなくなった宮田の代わりに機長に指名される。過去のある出来事から生きる意味や目的と向き合う事を強いられ、その答えが得られぬまま虚無感に囚われていた。チェロを弾くシーンが多い。
仁科玲子〈40〉
演 - 黒木瞳
日本初のシャトル打ち上げ計画への資金供給を取りまとめる投資銀行のディレクター。不慮の事故がきっかけで命を落とすが、強い運命の力によって3ヶ月の時間を与えられ地上に戻される。すべてを手にしているかに見えるが、実際には“何か”が欠けていた。タンゴをよく踊っている。
山崎理沙〈27〉
演 - 菊川怜
日本初のシャトル打ち上げ計画に参加する宇宙飛行士。IQ150の数学の天才。宮田の搭乗辞退を聞き、自分がパイロットとして搭乗することになるのであろうと思っていたが、秋山の出現で彼の控えとして訓練を受ける事となった。
樋口恭子〈22〉
演 - 山田優
JASDA地上スタッフ。宇宙飛行士を目指してJASDAに勤務している。打ち上げプロジェクトのアシスタントを務めながら、実務経験を積んでいる。
水端万里子〈25〉
演 - 斉木のか
日本投資銀行勤務。玲子の秘書。
神崎裕未〈24〉
演 - 曲山えり
JASDA地上スタッフ。飛行士達の健康管理をする医療担当。
北川亮介〈26〉
演 - 遠藤直哉
JASDA地上スタッフ。宇宙飛行士候補生。シャトルの技術志望から宇宙飛行士候補に転向。
星野真二〈35〉
演 - 武田修宏
理沙の同僚の宇宙飛行士候補。ただし、パイロットではなくミッションスペシャリストである。
宮田哲史〈40〉
演 - 柳葉敏郎
日本初のシャトル打ち上げプロジェクトのリーダー。NASAで日本人初の機長として認められた宇宙飛行士。自身がシャトルのパイロットとして飛ぶ予定だったが、身体に異変を感じ辞退し、後任に秋山を指名する。
蓮見孝一郎〈59〉
演 - 草刈正雄
国内第2位のシェアを持つ巨大メーカーグループ各社を束ねる会長。玲子の良き理解者。

ゲスト

[編集]
ジョージ松岡
演 - 西岡徳馬
主任管制官。
西嶋
演 - 伊原剛志

スタッフ

[編集]

放送日程

[編集]
話数 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率
第1話 2003年7月03日 出逢い・ソウル・別れ 梅田みか 小林義則 11.5%
第2話 2003年7月10日 再会・消えない過去 松田秀知 09.2%
第3話 2003年7月17日 愛しい人よ消えないで 武井彩 小林義則 07.1%
第4話 2003年7月24日 衝動的な想い、そしてキス 梅田みか 松田秀知 05.5%
第5話 2003年7月31日 森の中・衝撃の一夜 武井彩 小林義則 06.8%
第6話 2003年8月07日 愛に気づく女、愛に迷う男… 梅田みか 星田良子 04.3%
第7話 2003年8月14日 さようなら永遠の友よ 武井彩 松田秀知 06.9%
第8話 2003年8月21日 切なく愛して・結ばれた二人 梅田みか 小林義則 04.1%
第9話 2003年8月28日 残された時間の中で… 武井彩 森永恭朗 04.6%
最終話 2003年9月04日 さよならは、キスの後で 梅田みか 小林義則 05.6%
平均視聴率 6.6%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

製作意図

[編集]

プロデューサーの著書[2]によると、このドラマは、究極の「男と女」を主人公に、人間存在や宇宙に関する世界観を通し、愛のあり方を描くことをねらいとしていた。

主人公の男は「最高の知性と教養を身につけた、愁いのある」男で、「アルマーニのスーツを着ている」。また、主人公の女は「ダンスができて、どんなファッションもこなす」「ヴェルサーチを着た」「頭の切れるヒロイン」。

多くの回で、冒頭に8行詩が映し出されていたが、これはこのドラマの根底を貫く世界観を端的にまとめたものである[3]

評価

[編集]
黒木瞳(51)と坂口憲二(36)のW主演作「愛するために愛されたい」(03年・TBS系)。宇宙開発プロジェクトが舞台のラブストーリーだが、現実感のなさから、11話の予定が10話で打ち切りになった。問題は「脚本」。テレビドラマ研究家・古崎康成氏が指摘する。

「ストーリーが迷走し、眠くなるような展開でした。脚本に不満を抱いた柳葉敏郎(51)が不満を募らせ、途中降板したと報じられるほどでした」

 宇宙飛行士役の柳葉は、出火した家に取り残された子供を救うために飛び込み、突然の「事故死」。当時、柳葉の事務所もTBSも「事故死は予定どおり」と、トラブルによる降板劇を完全否定したが、

「ブチギレた柳葉が『テロップから名前を消してくれ』と申し出て、実際にそのとおりになりました」

 柳葉が見放すほどの脚本の完成度の低さと、それに比例するドラマの出来、スタッフのヤル気喪失。これらが相まって、視聴者離れに収斂したのである。 — 『アサヒ芸能』2012年6月30日

[4]

脚注

[編集]
  1. ^ 愛するために愛されたい Loved to Love”. TBSテレビ. 2012年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月12日閲覧。
  2. ^ 中山和記 『ワイルドサイド』 春日出版、2008年、221-226頁
  3. ^ 愛するために愛されたい Loved to Love”. TBSテレビ. 2009年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月12日閲覧。
  4. ^ 伝説の「低視聴率ドラマ」 面白すぎる断末魔」(2) 大コケ原因を分析2018年3月17日閲覧。」

外部リンク

[編集]
TBS 木曜21時枠連続ドラマ
前番組 番組名 次番組
ホットマン
(2003.4.10 - 2003.6.19)
愛するために愛されたい
(2003.7.3 - 2003.9.4)