悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印
ジャンル | アクションRPG |
---|---|
対応機種 | ニンテンドーDS |
開発元 | コナミデジタルエンタテインメント |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント |
人数 | 1人(通信時2 - 4人) |
メディア | 512MbitDSカード |
発売日 |
2008年10月23日 2008年10月21日 2008年11月27日 |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象) ESRB:T(13歳以上) PEGI:12+ |
コンテンツアイコン | 暴力 |
売上本数 | 34368本[1] |
その他 |
DSワイヤレス通信対応 ニンテンドーWi-Fiコネクション対応 |
『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』(あくまじょうドラキュラ うばわれたこくいん、英題: Castlevania: Order of Ecclesia)は、コナミデジタルエンタテインメントから2008年10月21日(日本では10月23日)に発売されたニンテンドーDS用ソフトのアクションRPG。
概要
[編集]ゴシックホラーアクションゲーム・悪魔城ドラキュラシリーズのニンテンドーDSでの3作目。基本システムは『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』と同じ2D横視点スクロールの探索型アクションRPG。本作の特徴は、多彩な攻撃や移動手段を自由に組み合わせて駆使できるグリフシステムである。ステージは全体マップからの選択制が採用されており、1つのステージをクリアすると新たに行けるステージが現れ、悪魔城内だけでなく周辺各地を転戦する。主人公は女戦士シャノア。キャッチコピーは、「私は、魔を斬り払う剣となる!」。
コナミスタイルでは、サントラCDなどが同梱された「コナミスタイル特別版」が販売され、通常版を購入すると特典としてB2クリアポスターが付いた。メッセサンオーでは、予約購入特典としてオリジナルテレカが付いた。
本作は、ゲーム雑誌「ファミ通」のクロスレビューにて、7・8・8・7の30点でシルバー殿堂入りした。また、アメリカの大手ゲーム情報サイト「IGN.com」の「The Best of 2008」にて、DS部門の「Best Platform Game」を受賞した。
なお、本作の初回出荷版のパッケージ裏面には「伝説の名作『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』が新たに生まれ変わる」と記載されているが、本作は『血の輪廻』とは特に関係なく、この文は誤植だったようで、再出荷版では消されている。
コナミスタイル特別版
[編集]コナミが運営するインターネット通信販売サイト「コナミスタイル」で販売された数量限定の特別版。発売前に予約完売になった。このコナミスタイル特別版に外箱はなく、配送用ダンボールに構成品がまとめて同梱されて送られた。
- セット内容
- 『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』ゲームソフト
- 単品販売のものと同じ。
- 『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印 ORIGINAL SOUNDTRACK』
- ゲーム中で使用されているBGM48曲と[2]、そのアレンジバージョン6曲の全54曲を収録した2枚組サウンドトラックCD。
- 『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印 本革製ブックカバー & オリジナルノート』
- 文庫本サイズの仕様で、手帳のようなもの。奪われた刻印をイメージしてデザインされた黒いブックカバーと、中にはノートが入れてある。
- 『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印 B2クリアポスター』
ストーリー
[編集]19世紀初頭、過去何百年にも渡って吸血鬼ドラキュラ伯爵より人々を救ってきたベルモンド一族は消息を絶った。
それ以来、ドラキュラの復活を恐れた人々は数々の組織を作り上げ、新たな対抗手段を模索するものの、どれもが満足な成果を挙げられないまま解体されていった。しかし、組織の1つである「エクレシア」の長バーロウは、ついにある成果に辿り着く。万物に宿る力を術式変換し刻印化したという印術「グリフ」。長年の研究の末、究極のグリフ「ドミナス」を完成させたのである。その力をもってすれば、ドラキュラも滅ぼせるという。そして、エクレシア所属の女戦士シャノアは、その担い手に選ばれ、ドミナス適合化の儀式を受けることとなったが、同僚アルバスの乱入で儀式は失敗しドミナスが奪われた。シャノアは奪われたドミナスを取り戻すため、アルバスを追うのであった。
システム
[編集]本作で新しく導入されたシステムにグリフがある。シャノアは武器を一切持たない代わりにグリフを使って攻撃・その他を行う。グリフはステージ上に隠されていたり、敵を倒したり、敵の攻撃などから吸印していき自らの能力とする。グリフにはメイン(右手)・サブ(左手)・バック(背中)がある。メイン、サブ(それぞれY、Xボタンに対応)は武器系グリフと魔法系グリフを、バック(Rボタンに対応)はステータス・特殊行動系グリフを装備する。武器系グリフはメイン・サブ両方に装備しボタンを交互に押すことによって、連続攻撃が可能である。十字キー上ボタンとYボタンを同時入力すると「合成印術」という必殺技を発動する。グリフの装備セットパターンは3つ用意でき、Aボタンを押しながらL、Rボタンで即座に切り替え、多様な戦闘スタイルを構築できるようになっている。グリフの使用にあたってはMPを消費する。攻撃するたびにMPを消費するものの、MPを消費する操作を行わなければ高速で自動回復する。武器系グリフであればMP消費はごく僅かなので、MP消費とはいえほぼ通常攻撃の扱いである。一方、合成印術はハートを消費する。基本的にハートはロウソクからしか得られないため乱用は出来ない。
誘拐されたウィゴル村の村人達をステージ中から見つけ出して救出し、村人達から受ける様々な種類の依頼や願い事をこなして報酬を得るクエストもある。その他、開けるたびに中身の異なる宝箱などの新要素も追加された。
DSワイヤレス通信、Wi-Fiコネクションに対応しており、通信を行うと他のプレイヤーと「RACE MODE」での専用コースの競走対戦プレイならびに「MARKET MODE」でのアイテムの売買を行うことができる。
グリフの種類
[編集]左右の腕に装備するメイン(サブ)グリフと背中に装備するバックグリフに分類できる。グリフの名称はラテン語で構成されている。
- メイン・サブグリフ
- 武器型グリフ
- コンフォデレ(突剣)、セカーレ(長剣)、プルサーレ(鎚)、ハスタ(槍)、ファルクス(鎌)。
- 飛具型グリフ
- アクシス(斧)、サギッタ(矢)、クルテ(短剣)。
- 魔法型グリフ
- イグニス(炎の印術)、グランドー(氷の印術)、トニトルス(雷の印術)、ルミナーレ(光の印術)、ウンブラ(闇の印術)、その他。
- バックグリフ
- 移動
- キルクルス(磁石に吸い寄せられてはじく)、ウォラーレ(空中飛行)、イニレ・ラピドゥス(高速移動)、その他。
- 能力アップ
- イニレ・ウィス(STR上昇)、イニレ・ドゥルム(CON上昇)、その他。
- 変身
- アルマ・フェレス(猫に変身)、アルマ・マーキナ(オートマトンに変身)、その他。
- 召喚
- フィデ・ウルラ(フクロウを召喚)、フィデ・メディウサ(メディウサヘッドを召喚)、その他。
- 合成印術
- 上 + X(Y)ボタンで、メイン・サブグリフの組み合わせに応じた合成印術が発動する。以下は一例。
- セカーレ系とセカーレ系 - 巨大な剣で斬りつける。
- 武器系とトニトルス系 - 雷を纏った鎚で叩き潰す。
- ルミナーレ系とウンブラ系 - 画面全体に大ダメージ。
- ドミナス・オディウム、ドミナス・イラ、ドミナス・アンゴル(バックグリフ) - シャノア自身が死ぬ。
隠し要素・クリア後の追加要素
[編集]- アルバスモード
- アルバスでプレイできるモード。銃での通常の射撃とグリフ弾、炎を纏ったキック攻撃や画面タッチでの瞬間移動などを使う。
- ハードモード
- 難易度が高くなったモードで、レベルの上限をプレイ前に設定可能。
- 引き継ぎプレイ
- クリア済みセーブデータの「CLEAR」を選択すると、アイテムなどを引き継いで所持した状態で最初から始められる。ただし、レベルやゲーム進行に影響を与えるアイテム、グリフ(主に移動能力を向上させるグリフや、ドミナス系やクストース系などのシナリオ進行に関わるグリフ)は引き継がれない。
- ボスラッシュモード
- サウンドモード
Wii『ジャッジメント』との連動
[編集]本作と発売時期が近かったWii用ソフトの3D対戦アクションゲーム『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』とは連動要素があり、両作を連動させることで下記のような特典がある。
- 本作でプレイキャラのレベル上昇限界値を255までにすることができる。通常はハードモードクリアで上限が255になるが、『ジャッジメント』と連動することで、この隠し要素をいつでもアンロック可能になる。
- 『ジャッジメント』でシャノアを最初からプレイキャラとして選べる。『ジャッジメント』にも本作の主人公シャノアが隠しキャラクターとして登場するが、本作と連動することで、最初から使用可能になる。
キャラクター
[編集]- シャノア(Shanoa) 声:桑島法子
- 本作の主人公。特務機関「エクレシア」の女性戦士であり、バーロウの弟子。その美しい姿とは裏腹に高い戦闘能力を持つ。『ドミナス』に順応するための儀式を受けている最中に、アルバスに乱入され儀式は失敗。結果として記憶と感情を失ってしまう。『グリフ』を体内に吸印することで、その力を発動させる。それは彼女特有の能力であり、また『ドミナス』の適合者に選ばれた理由でもある。
- アルバス(Albus) 声:関俊彦
- 特務機関「エクレシア」に所属するシャノアの兄弟子。グリフの力を射出する魔銃『アガーテ』を主武装とする他、蹴りを主体とする体術も使用する。自分が選ばれるはずであったドミナスの担い手にシャノアが選ばれたことに激怒し、エクレシアからドミナスを強奪して逃走。追跡してくるシャノアに対し、謎に満ちた言動を繰り返す。
- バーロウ(Barlowe) 声:石井康嗣
- シャノアとアルバスの恩師。長年の研究の末、最強のグリフ『ドミナス』を生み出す。当初はアルバスをその担い手にすると約束していたが、彼が遠方に派遣されている間にシャノアをドミナス適合者として選ぶ。儀式失敗後、彼女にドミナスの奪還及びアルバスの連行という任務を与える。
- ニコラエ 声:鈴木賢
- ウィゴル村の神父で高名な退魔師の末裔にあたる。70歳。神のお告げにより荒れ地を開拓し現在の場所に村を作った。村人の多くはニコラエの導きによってウィゴル村に住むようになった。
- ヤコブ
- ウィゴル村の雑貨屋。48歳。お得意様になるとある特典をシャノアに渡してくれる。
- アヴラム 声:辰浦亮
- ウィゴル村の薬師。26歳。かつては小悪党だったが、ニコラエの導きにより改心した。
- オイゲン
- ウィゴル村の鍛冶屋。50歳。無口で無愛想だが腕は良い。
- イオン 声:鈴木賢
- ウィゴル村のコック。40歳。作る料理はエキセントリック。
- モニカ 声:庄司宇芽香
- ウィゴル村の裁縫職人。17歳。自己肯定感が低い。
- ローラ 声:安井絵里
- ウィゴル村の彫金師。24歳。マルセルに惹かれていく。
- マルセル
- ウィゴル村に取材に訪れた記者。38歳。ローラに惹かれていく。
- ゲオルゲ
- ウィゴル村に滞在中の音楽家。34歳。
- ダニエラ
- ウィゴル村の老婆。85歳。老齢のため度々記憶が混乱する。
- セルジュ
- ウィゴル村の男の子。10歳。イリナの息子でアナの兄。母や妹の安否を気遣う家族思いのお兄ちゃん。
- アナ
- ウィゴル村の女の子。8歳。イリナの娘でセルジュの妹。ムチを手に悪魔を退治する男の夢を見るという。
- イリナ
- ウィゴル村のおばさん。45歳。セルジュとアナの母親。
- ドラキュラ(Dracula) 声:若本規夫
- 強大な魔力を持ち魔王と恐れられるヴァンパイア。推定800歳。悪魔城はその魔力の象徴であると言われている。数々の魔族の上に君臨するが、現在は眠りについている。
ステージ
[編集]Stage | BGM | Boss | |
---|---|---|---|
エクレシア | 序章~再び~ | バーロウ | |
紅珠エレジー | |||
廃修道院 | 燻しの隠れ家 | アースロヴェルタ | |
ウィゴル村 | 葵セレナーデ | - | |
ルプスの森 | 薄霧の樹彩 | ||
カリドゥス海峡 | 波断の海路 | ||
ミネラ監獄島 | 藍愁ラプソディ | ビッグスケルトン | |
大灯台 | ブラキュウラ | ||
ティメオ山脈 | 焦土の大厳 | - | |
霧の林道 | 荒絃鼓動 | ||
葬送の骸窟 | 聖骸カテドラル | マンイーター | |
ソムヌス岩礁 | 紺碧の彷徨 | ルサールカ | |
巨人の棲家 | 高潔なる変奏曲 | ゴリアテ | |
トゥリスティス峠 | 瑠璃色ヴァージナル | - | |
オビリビオの丘 | 荒絃鼓動 | グラベドルカス | |
アルギラ湿地 | 薄霧の樹彩 | - | |
猟奇の館 | 高潔なる変奏曲 | アルバス | |
悪魔城 | 悪魔城エントランス [狂夢の幕開け] |
黄昏の聖痕 | - |
悪魔城蔵書庫 [血文字の魔書] |
ウォールマン[4] | ||
悪魔城地下冥宮 [悪意ある影] |
マラック迷宮 | ブラックモア | |
悪魔城兵営舎 [遥かな記憶] |
漆黒の翼 | - | |
悪魔城機械塔 [加速する死線] |
The Tower of Dolls | デス | |
悪魔城武器庫 [闇からの嘶き] |
漆黒の翼 | エリゴル | |
悪魔城空中回廊 [天獄を仰ぐ] |
- | - | |
悪魔城最上階 [逃れえぬ運命] |
ガルガンチュア | ドラキュラ | |
修練堂 | RIDDLE | - | |
大鍾乳洞 | キョンシー |
他に、前述の通信対戦可能なレースモード用のステージもある。
主なスタッフ
[編集]- プロデューサー: IGA(五十嵐孝司)
- ディレクター: A. MINAKATA(南方章宏)
- チーフプログラム: SHUTARO(飯田周太郎)
- チーフデザイン: 山口裕土
- ミュージックコンポーザー: 山根ミチル、市橋康弘
- シナリオ: シナリオ工房 月光
- キャラクターデザイン: 廣岡政樹
- オープニングムービー制作: アナロジカル
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 備考 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Castlevania Dominus Collection |
INT 2024年8月28日 |
Nintendo Switch PlayStation 5 Xbox Series X/S PC(Steam) |
M2 | KDE | ダウンロード | 収録ソフトのひとつ 日本版、北米版、欧州版、韓国版を収録 |
[5][6] |
関連商品
[編集]- 攻略本
- 『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印 公式ガイド コンプリートエディション』
- 2008年10月31日発売。1300円(税込)。コナミデジタルエンタテインメント発行。A5判、160ページ。
出典・脚注
[編集]- ^ 「ファミ通ゲーム白書2009」より。
- ^ ゲーム中で聴けるファミコン版『悪魔城ドラキュラ』のBGM8曲は収録されていない。また、BGMはゲーム中ではステレオ対応版とサラウンド対応版が用意されているが、CDに収録されているのはステレオ対応版の方のみである。
- ^ コナミスタイル特別版特設サイトより。店頭用ポスターとは別のもの。
- ^ アルバスモードでは出現しない。
- ^ “『キャッスルヴァニア ドミナスコレクション』レビュー。DSの『悪魔城ドラキュラ』3作を収録! タッチ操作は簡易的になり便利機能も盛りだくさん。アーケード版の新作アレンジまで!?” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2024年8月28日). 2024年8月29日閲覧。
- ^ 稲元徹也 (2024年8月28日). “[プレイレポ]本日発売の「Castlevania Dominus Collection」は,DS版「悪魔城ドラキュラ」シリーズ3作品&アーケード版などを収録”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年9月11日閲覧。
関連項目
[編集]- 『エターナルナイツ2 封印の聖石』 - KONAMIのアーケード用のメダルゲーム + ダンジョン冒険型RPG。職業「ヴァンパイアハンター(女)」のキャラクターイラストがシャノアをモチーフに描かれている。他に、悪魔城ドラキュラシリーズを元にした専用アクセサリー、ダンジョン、ボスモンスターなども登場。