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庵点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
庵点

庵点(いおりてん、)は、日本語で、歌のはじめなどに置かれる約物のひとつ。合点[1]歌記号[2]ともいう。古来、の謡本や連歌などにおいて目印として使われていた。ユニコードではU+303Dのコードを、JIS X 0213では1-3-28のコードを持つ。

概要

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形態については、図のように山が二つあるものを「庵点」、山が一つの「へ」のような形のものを「長点」といい、両者を「合点」(がってん)とも呼ぶ[1][3]

沿革

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奈良時代には使用が確認されており、近世に入ってからは、俳諧などにおける批評の採点、謡本などにおいて段落や音声を示すための使用が確認されている[4]

井筒の謡本

謡本においては、能の役柄であるシテ、ワキ、地謡などの役割がかわるところで、語句の頭に使われる。少なくとも明治時代以降の謡曲本では「へ」の字型のものが使われ、2020年現在もそれを踏襲している。「庵点」と「合点」の使い分けがされていたのか、同じものを「合点」「庵点」と呼んでいたのかは、明らかではない。

現代文では、散文中に歌詞を記述する際に、歌詞部分の冒頭に配置して散文との区分とする用法が一般的。ただし、コンピューター上では、庵点が文字コード規格のJIS X 0208に含まれなかったことから、ウェブ電子メールなどにおいて、JIS X 0208に含まれている「」が歌記号として用いられることが多い。

庵点は近代になって『「』(始め鉤括弧)の元になったといわれている。[誰によって?]

符号位置

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記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+303D 1-3-28 〽
〽
歌記号、庵点

脚注

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  1. ^ a b 竹岡 1973, p. 8.
  2. ^ 【絵文字変換表】共通絵文字発-記号・文字” (PDF). NTTドコモ. 2021年7月11日閲覧。
  3. ^ 飯間浩明 (2001年3月1日). “記号の読み方”. ことばをめぐるひとりごと. 飯間浩明のことばのページ. 2021年7月11日閲覧。
  4. ^ 藤井 2005, p. 40.

参考文献

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  • 竹岡正夫『かざし抄新注』風間書房、1973年1月31日。ISBN 9784759903973 
  • 藤井史果「噺本における会話体表記の変遷 ―安永期江戸小咄本を中心に―」『青山語文』第35巻、青山学院大学、2005年3月、38-53頁、doi:10.34321/10115 

外部リンク

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