平成24年台風第23号
台風第23号(Son-Tinh) | |
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カテゴリー3の タイフーン (SSHWS) | |
発生期間 | 2012年10月24日 - 10月29日 |
寿命 | 5日12時間 |
最低気圧 | 945hPa |
最大風速 (日気象庁解析) | 45m/s (85kt) |
最大風速 (米海軍解析) | 105kt |
死傷者数 | 死者42人 |
被害地域 | フィリピン・ベトナム・中華人民共和国 |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
平成24年台風第23号(へいせい24ねんたいふうだい23ごう、アジア名 : Son-Tinh)は、2012年10月に発生し、フィリピンなどに被害を出した台風である。
概要
[編集]10月19日にカロリン諸島の東南海上で形成が始まり、24日3時にフィリピン・ミンダナオ島の東(北緯8度50分・東経127度30分)で熱帯低気圧から台風23号になったため、アジア名「ソンティン(Son-Tinh)」と命名された[1]。命名国はベトナムで、ベトナム神話の山の神に由来する[2]。また、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はこの台風について、フィリピン名「オフェル(Ofel)」と命名している。台風は当初は中心気圧998hPa・中心付近の最大風速18m/s、最大瞬間風速25m/sであったが[1]、25日にかけてフィリピン南部から北西に進んでフィリピンを縦断し、南シナ海に進むと26日から27日にかけて急速に発達[3]。27日にはトンキン湾の南に達した。28日から29日にかけて進路を北向きに変えてベトナムのハイフォン付近から上陸[4]。進路をさらに東に変えて29日午後3時に、中国華南地方(北緯22度・東経107度)で熱帯低気圧に変わった[5][4]。
影響
[編集]フィリピンの南コタバト州ジェネラル・サントスでは120戸が避難、北ダバオ州タグムでは電線が寸断し、議事堂をはじめとして多くが停電[6]。コンポステラ・バレー州では強風で住宅の倒壊があったほか沿岸部が高波による被害を受けた[6]。この台風に対してフィリピンの沿岸警備隊は船舶の航行を禁止、ミンダナオ島では約600名が足止めされたほか[6]、カヴィテ州からコタバト州の都市で洪水が発生、大雨と強風・高波によって数千名の旅行者が足止めされた[7]。ビコル地方では洪水によって線路が冠水し複数の列車が脱線、数名の負傷者が出た[7]。フィリピン当局は27日の時点で死者6名、行方不明者9名としていたが[7]、28日には死者24名に修正[8]。死者の多くは洪水による溺死で、倒木や飛散物の衝突や地滑りによる生き埋め、感電死などもあった[8]。28日現在、漁師8名などが行方不明となっている[8]。今回の台風により14,693世帯66,768名が影響を受け、3,382世帯15,243名が97ヶ所の指定避難所に避難した[8]。
脚注
[編集]- ^ a b “平成24年 台風第23号に関する情報”. 気象庁 (2012年10月24日). 2012年10月24日閲覧。
- ^ “2012年台風23号(ソンティン|SON-TINH)”. デジタル台風. 2012年10月27日閲覧。
- ^ “台風201223号 (SON-TINH) - 総合情報(気圧・経路図)”. デジタル台風. 2012年10月27日閲覧。
- ^ a b “Typhoon Son tinh (2012)”. StormAdvisory (2012年10月29日). 2012年10月29日閲覧。
- ^ “台風23号 (2012年)”. 日本気象協会 (2012年10月29日). 2012年10月29日閲覧。
- ^ a b c “Hundreds flee as typhoon Son-Tihn hits S. Philippines”. GLOBAL TIMES (2012年10月25日). 2012年10月27日閲覧。
- ^ a b c “‘Ofel’ exits PH, leaves 6 dead, 9 missing”. The Manila Times (2012年10月27日). 2012年10月27日閲覧。
- ^ a b c d “‘Ofel’ death toll rises to 24”. The Manila Times (2012年10月28日). 2012年10月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- デジタル台風:台風201223号(SON-TINH)- 総合情報(気圧・経路図) - 国立情報学研究所(北本朝展)
- Tropical Storm Son-tinh:NASA Earth Observatory
- ウィキメディア・コモンズには、平成24年台風第23号に関するカテゴリがあります。