希望の党 (日本 2018)
希望の党 | |
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かつて党本部が入居していたパレスサイドビル | |
代表 | 中山成彬 |
成立年月日 | 2018年5月7日[1] |
前身政党 | 旧・希望の党(一部) |
解散年月日 | 2021年10月1日 |
後継政党 | 日本維新の会(一部) |
本部所在地 |
〒100-0014 東京都千代田区永田町2丁目17番10号 サンハイム永田町203号室 |
政治的思想・立場 |
極右[2] 改革保守[3] 憲法改正[4][5] 消費増税凍結[5] 原発ゼロ[4][5] 行政改革[5] 地方分権[5] |
9010005028564 |
希望の党(きぼうのとう、英: Party of Hope)は、かつて存在した日本の政党・政治団体。略称は希望。
2017年9月25日結党の旧・希望の党で、国民党が民進党と合流し国民民主党を結党する分党を玉木雄一郎代表に提案され、それを了承する形となった松沢成文参議院議員団代表を中心とする保守系議員により、2018年5月7日に結党された[注 1][1][6]。
党史
[編集]前史
[編集]2017年9月25日に小池百合子東京都知事が地域政党・都民ファーストの会を母体とする形で(旧)希望の党を設立。28日には民進党が希望の党との合流を決め[7]、第48回衆議院議員総選挙(10月22日)後には所属衆議院議員の大半が民進党出身者となった[8]。小池は11月14日に党代表を辞任[9]。
後任の代表となった玉木雄一郎は民進党との連携を重視し統一会派結成を模索したほか、2018年1月26日の両院議員懇談会では安全保障と憲法に関する党見解を結党時から軌道修正する形で発表[9]。これらの動きに反発していた松沢成文参議院議員団代表ら保守系議員は2月7日の役員会で正式に分党を提案した[10]。その後玉木ら党執行部は松沢らの分党協議と並行して民進党との合流を模索し、最終的に4月26日の両院議員総会で松沢らとの分党と、民進党との合流を正式に決定した[11]。
結党以降
[編集]2018年5月7日、結党記者会見を開催。
(旧)希望の党が5月7日に解党し、(新)「希望の党」と旧希望の党代表、玉木雄一郎ら新党参加者による「国民党」(即日民進党に吸収合併され、「国民民主党」に改称)に分党する形で5月7日に即日発足[12]。
旧希望の党から中山成彬、井上一徳の衆議院議員2名、松沢、行田邦子、中山恭子の参議院議員3名の国会議員計5名(政党要件の最少人数)が参加し、松沢が代表に就任した。
衆議院では旧希望の党の会派は「希望の党・無所属クラブ」であったがこの会派は「国民民主党・無所属クラブ」へ移行したため、新会派「希望の党」を届け出た。参議院では、旧希望の党会派「希望の党」所属の3名全員が新希望の党に参加したため、会派の移動はなかった[13]。
7月24日、結党大会を開き、憲法改正(憲法9条2項改正、国民の知る権利やプライバシー権の条項の創設など)や、消費税増税の凍結や原発ゼロ、省庁再編などの12項の基本政策が発表された[4][14]。
10月には松沢が日本維新の会に対し、参議院での統一会派結成を打診[15]。10月24日召集の臨時国会では統一会派の結成を見送った[16]が、通常国会召集を前にした2019年1月23日に、参議院での統一会派「日本維新の会・希望の党」を結成した[17]。
第25回参院選、第19回統一地方選
[編集]第25回参議院議員通常選挙を巡っては、改選を迎える行田が1月8日に不出馬を表明[18]。中山恭子も4月8日に不出馬を表明した[19]。4月の第19回統一地方選挙では南関東地域を中心に公認、推薦候補計32名を擁立したが、公認候補については当選者を出すことができなかった[20][21][22]。
党の存続が危ぶまれる状況にあることから、5月9日に松沢は参院選までに日本維新の会との合流を目指す意向を表明した[23]。しかし、同月28日の議員総会で「日本維新の会との合流を目指す方針に党内の理解が得られなかった」として、松沢が代表職を辞任し後任の代表に中山成彬が就任、また行田も幹事長を辞任し、後任の幹事長に井上一徳が就いた[24]。
5月30日、新代表の中山成彬は会見で第25回参議院議員通常選挙に党としての候補者の擁立はしない方針を示した[25]。
党の衰退
[編集]6月5日、行田邦子が離党した事に伴い政党要件を喪失した[26]。その後、松沢成文も離党[27](行田は埼玉県知事選挙に出馬表明、松沢は日本維新の会に移籍)。7月28日に中山恭子が任期満了で退任したことに伴い、参議院での議席を失い、日本維新の会との統一会派も解消された[28]。
12月6日に本部を東京都千代田区永田町2丁目17番10号 サンハイム永田町203号室に移転した[29]。
2020年9月16日の首班指名選挙では党代表の中山成彬に投票し、中山は2票を得た[30]。
10月27日、旧国民民主党のうち、立憲民主党との合流に参加しなかった議員が9月に新たに結成した(新)国民民主党が立憲などとの統一会派から離脱し、希望の党の2名及び無所属の高井崇志と新会派「国民民主党・無所属クラブ」を結成。これに伴い、会派「希望の党」は解散届を提出した[31][32]。
11月28日には井上が希望の党に籍を置いたまま国民民主党京都府連の特別幹事に就任した。井上は旧国民民主党時代から同党のサポーター登録をしており、引き続きサポーターの立場から関わるとしている[33]。
2021年2月1日、井上が離党届を提出し、所属議員は中山のみとなった[34]。
解党
[編集]2021年10月6日、唯一の所属議員である中山が次期衆院選に立候補せず、政界からの引退する意向を示した[35][36]。同月18日、中山が記者会見で引退を正式に表明し、代表を務める希望の党については同月1日に解党していたことを明かした[37]。
政策
[編集]綱領
[編集]綱領として以下の内容を掲げ、立憲主義と民主主義に立脚し党を運営していく[38]とした。
- 我が国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す。
- 国民の知る権利を守るため情報公開を徹底し、国政の奥深いところにはびこる「しがらみ政治」から脱却する。
- 国民の生命・自由・財産を守り抜き、国民が希望と活力を持って暮らせる生活基盤を築き上げることを基本責務とする。
- 平和主義のもと、現実的な外交・安全保障政策を展開する。
- 税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)の徹底、民間のイノベーションの最大活用を図り、持続可能な社会基盤の構築を目指す。
- 国民が多様な人生を送ることのできる社会を実現する。若者が希望を持ち、高齢者の健康長寿を促進し、女性も男性も活躍できる社会づくりに注力する。
基本政策
[編集]「改革保守『希望の党』 ~国民を守り抜く、未来を切り拓く~」の副題を添えながら、以下の12の基本政策を提示している[5]。
- 消費税増税の凍結
- 消費税の増税を凍結します。企業の内部留保金課税、不公平感の強い消費税の益税問題の解決、租税特別措置の整理・縮小、e-ガバメント推進による行政効率化などによって代替財源を確保します。
- 原発ゼロ・新たなエネルギー体系の構築
- 未来を見据えた省庁再編
- これまでの行政都合で縦割りの省庁体制から、国民本位で将来課題に対応する省庁の再編を行います。「災害対策省」「子ども省」「歳入庁」などを新設し、新しい省庁体制を構築します。
- 地方への3ゲン移譲
- 人間・権限・財源(3ゲン)の大胆な地方自治体への移譲を実施します。「首都圏連合構想」を実現します。地方はスマートコンパクトシティを目指し、独自の地域文化や観光力を活かしたまちづくりを支援します。
- 成長分野への重点投資
- 将来不安の解消
- 人への投資と教育の充実
- 文化の成長戦略
- 多様性社会の実現
- 安全で安心な国土の実現
- 老朽化した社会インフラの更新、森林保全、治水対策の強化などにより、安全で安心な国土をつくり上げます。防災、減災、災害からの復旧・復興を総合的に担う「災害対策省」を創設します。自然や文化を守り、美しい国土を未来に継承します。
- 現実的な外交・安保政策
- 憲法改正
役職
[編集]代表 | 幹事長 | 政策調査 会長 |
国会対策 委員長 |
選挙対策 委員長 |
最高顧問 | 顧問 | 就任年月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
松沢成文 | 行田邦子 | 井上一徳 | 中山成彬 | 中山恭子 | 2018年5月7日[39] | ||
中山成彬 | 井上一徳 | 井上一徳 | 中山恭子 | (空席) | 2019年5月28日[40] |
旧希望の党の創設者で代表、特別顧問を歴任した小池百合子東京都知事は、都政に専念するとして引き続きの特別顧問就任を固辞、役職から外れた[41]。
代 | 氏名 | 在職期間 |
---|---|---|
1 | 松沢成文 | 2018年5月7日-
2019年5月28日 |
2 | 中山成彬 | 2019年5月28日-
2021年10月1日 |
党勢
[編集]衆議院
[編集]選挙 | 当選/候補者 | 定数 | 得票数(得票率) | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
選挙区 | 比例代表 | ||||
(結党時) | 2/- | 465 | 離党-1 |
参議院
[編集]選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 得票数(得票率) | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
選挙区 | 比例代表 | |||||
(結党時) | 3/- | - | 242 | 離党-2 | ||
第25回通常選挙 | -/0 | 0 | 245 | - | - |
所属国会議員
[編集]解党した2021年10月1日時点で、代表の中山成彬(衆議院・比例九州)1人だった。中山自身は解党後の衆議院解散をもって引退を表明した。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 政治資金規正法に基づく政治団体の届出 総務省 2018年5月8日
- ^ Yuen, Stacey (2017年10月3日). “The main rival to Japan's ruling party is really 'extreme rightist,' analyst says” (英語). CNBC. 2024年5月11日閲覧。
- ^ 希望の党(2019年1月6日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ a b c “希望の党が結党大会 基本政策や改憲条文案を発表”. 産経新聞. (2018年7月24日)
- ^ a b c d e f 政策について | 希望の党(2021年7月4日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ 分党は止むをえない 希望の党松沢成文参議院議員 - Japan In-depth 2018年2月17日
- ^ “【動画あり・衆院解散】民進党、希望への「合流」満場一致で了承 事実上解党”. 産経新聞. (2017年9月28日) 2018年9月2日閲覧。
- ^ “【衆院選】「辞任すべきだ!」希望・両院議員懇談会で民進党出身者が小池百合子代表をつるし上げ”. 産経新聞. (2017年10月25日) 2018年9月2日閲覧。
- ^ a b “希望の党:分裂加速か 小池代表辞任「投げ出し」批判も”. 毎日新聞. (2017年11月15日) 2018年9月2日閲覧。
- ^ “【希望の党分裂】松沢成文氏ら「分党」正式提案 執行部は古川元久幹事長に一任、難航も”. 産経新聞. (2018年2月7日) 2018年9月2日閲覧。
- ^ “希望・民進:四分五裂 新党は不参加続出、立憲派も根強く”. 毎日新聞. (2018年4月26日) 2018年9月2日閲覧。
- ^ “【民進・希望合流】国民党、国民民主党、希望の党…1週間で3つの新党誕生!? 国民党はわずか1日の存在”. 産経新聞. (2018年4月26日)
- ^ “参院会派:「国民民主党・新緑風会」に変更”. 毎日新聞. (2018年5月7日) 2018年7月25日閲覧。
- ^ “希望の党:結党大会で憲法改正条文案を発表”. 毎日新聞. (2018年7月24日) 2018年7月25日閲覧。
- ^ “参院:維新、希望との統一会派協議”. 毎日新聞. (2018年10月3日) 2018年10月19日閲覧。
- ^ “維新・希望の統一会派、臨時国会は見送り”. 日本経済新聞. (2018年10月19日) 2018年10月19日閲覧。
- ^ “維新、希望が参院統一会派 野党第三会派に”. 産経新聞. (2019年1月23日) 2019年1月24日閲覧。
- ^ “希望、行田氏が参院選不出馬を表明”. 日本経済新聞 (2019年1月8日). 2019年4月22日閲覧。
- ^ “中山恭子元拉致担当相が参院選不出馬を正式表明”. 産経新聞 (2019年4月8日). 2019年4月22日閲覧。
- ^ 統一地方議会議員選挙 前半戦結果( 公認・推薦候補者) | 希望の党(2020年4月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ 統一地方議会議員選挙 後半戦結果( 公認・推薦候補者) | 希望の党(2020年4月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ “【野党ウオッチ】落日の希望の党 支持率1%未満で統一選も惨敗 維新との合流模索も ”. 産経新聞. (2019年5月10日) 2019年8月3日閲覧。
- ^ “松沢、希望の党代表:維新との合流に意欲”. 毎日新聞 (2019年5月10日). 2019年5月10日閲覧。
- ^ 希望・松沢代表が辞任=後任に中山成彬氏:時事ドットコム - ウェイバックマシン(2019年6月4日アーカイブ分)
- ^ “希望の党、参院選に候補擁立せず”. 日本経済新聞. (2019年5月30日) 2019年5月30日閲覧。
- ^ “希望の党、政党要件失う 行田氏が離党”. 日本経済新聞. (2019年6月5日) 2019年6月5日閲覧。
- ^ 維新、松沢氏ら4人擁立=参院選:時事ドットコム - ウェイバックマシン(2019年6月12日アーカイブ分)
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- ^ 希望の党の情報|国税庁法人番号公表サイト
- ^ 共産22年ぶり他党首に投票 国民、社民も枝野氏―首相指名:時事ドットコム - ウェイバックマシン(2020年9月17日アーカイブ分)
- ^ “国民民主、立民との衆院共同会派を離脱”. 日本経済新聞. (2020年10月23日)
- ^ 国民、衆院会派が独立:時事ドットコム - ウェイバックマシン(2020年10月31日アーカイブ分)
- ^ “国民民主が希望・井上氏を府連特別幹事に 次期衆院選巡る京都の「異例対応」に波紋”. 毎日新聞. (2020年11月30日) 2020年11月30日閲覧。
- ^ 井上一徳衆院議員、「希望の党」離党 「新たな保守改革勢力結集を」|社会|地域のニュース|京都新聞 - ウェイバックマシン(2021年2月3日アーカイブ分)
- ^ 中山成彬氏政界引退へ 衆院選不出馬(宮崎日日新聞) - Yahoo!ニュース - ウェイバックマシン(2021年10月7日アーカイブ分)
- ^ “『希望の党』とは何だったのか。中山成彬氏引退で解散の見通し”. ハフポスト. (2021年10月7日) 2021年10月7日閲覧。
- ^ 中山成彬氏 政界引退を正式表明・宮崎県 - MRTニュース - ウェイバックマシン(2021年10月18日アーカイブ分)
- ^ 綱領 | 希望の党(2021年7月4日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ “国民民主党参加者、不参加者、新「希望の党」参加者一覧”. 産経新聞. (2018年5月7日) 2019年11月11日閲覧。
- ^ 新役員人事に関して | 希望の党(2021年7月4日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ “小池百合子都知事「改革保守路線を継いで頑張って」、新「希望の党」にエール”. 産経新聞. (2018年5月9日)