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市民自由センター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
市民自由センター
設立 2007年5月30日 (17年前) (2007-05-30)
種類 人権団体
目的 人権団体
本部 ウクライナキーウ[1]
議長 オレクサンドラ・マトイチュク
受賞 ノーベル平和賞(2022年)
ウェブサイト ccl.org.ua/en/
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2022年
受賞部門:ノーベル平和賞
受賞理由:母国における市民社会の代表として、長年にわたり、権力を批判し、市民の基本的人権を守るための権利を促進し、また、戦争犯罪、人権侵害、権力の濫用を記録する多大な努力によって、平和と民主主義のために、市民社会の重要性を示したことに対して

市民自由センター(しみんじゆうセンター、ウクライナ語: Центр Громадянських Свобод)はウクライナ弁護士オレクサンドラ・マトイチュク率いるウクライナの人権団体である[2]。ウクライナを民主化するようウクライナ政府に圧力をかける目的で2007年に設立された[3][4][5][6]。市民自由センターはアレシ・ビャリャツキやロシアの団体メモリアルと共に2022年ノーベル平和賞を受賞した[3][7]

歴史

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市民自由センターは2007年5月30日にウクライナキーウで設立された[3][4]。市民自由センターはウクライナを民主化し法律施行機関英語版司法機関英語版の公的支配を改良する目的で法律修正を導入することに従事している[5]。市民自由センターの対象の一つがウクライナの刑法英語版の更新である[5]

2013年—2014年のユーロマイダンデモの時点で市民自由センターはユーロマイダンデモに参加したり当時の大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチの保安隊により行われた侵害を監視するデモ隊への法的支援を行うユーロマイダンSOS計画を開始した[6]

2014年にロシアがクリミアを併合してドンバス戦争(同じく2014年)が始まると、市民自由センターはクリミア半島の政治的迫害とロシアが後援する分離主義者ルガンスク人民共和国ドネツク人民共和国が支配するこの地域の犯罪を記録し始めた[8]。市民自由センターはロシアやロシアが併合したクリミア半島、ドンバスで違法に収監された人々の釈放を求める国際的な運動も開始した[5][9]

2022年ロシアのウクライナ侵攻後に市民自由センターは戦時中に行われたロシアの戦争犯罪英語版も記録し始めた[10]ノルウェー・ノーベル委員会は2022年に市民自由センターは「犯罪に対して説明責任を負う犯罪集団の記録を保持することで先駆的役割を担っている」と述べた[11]

2022年10月7日に市民自由センターはアレシ・ビャリャツキやロシアの団体メモリアルと共に2022年英語版ノーベル平和賞を受賞した[3][7]。これはウクライナ市民や団体が初めてノーベル賞を受賞したことになる。2022年10月8日の記者会見の時点で市民自由センター代表オレクサンドラ・マトイチュクウクライナの大統領ウォロディミル・ゼレンスキーや他の(ウクライナ)政府職員で市民自由センターがノーベル賞を受賞したことに祝辞を述べた者はいないことを認めた[12]。マトイチュクはマトイチュクや仲間が「出張から戻って来ているところ」なので述べようとしているかも知れないが成功していない可能性があると言った[12]

2022年11月にオレクサンドラ・マトイチュクはロシア連邦が行っている長期化する犯罪を止める最善の方法としてウクライナの占領地域を解放する兵器をウクライナに供給するよう各国に呼び掛けた[13]

団体名

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団体の定款によると、団体の正式名称は市民自由センター市民協会で、省略形が市民自由センターである[14]。ホームページでは殆どの場合市民自由センターと自称している。

脚注

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出典

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  1. ^ Nobel Committee Champions Human Rights With 2022 Peace Prize” (英語). Radio Free Europe (7 October 2022). 7 October 2022閲覧。
  2. ^ Oleksandra Matviychuk – Ukraine | Coalition for the International Criminal Court”. www.coalitionfortheicc.org. 17 August 2021閲覧。
  3. ^ a b c d The Nobel Peace Prize 2022” (英語). NobelPrize.org. 7 October 2022閲覧。
  4. ^ a b Ukraine's Center for Civil Liberties becomes one of Nobel Peace Prize laureates” (英語). Ukrinform (7 October 2022). 7 October 2022閲覧。
  5. ^ a b c d Todorov, Svetoslav (14 February 2022). “Meet Oleksandra Matviichuk from Ukraine” (英語). Friedrich Naumann Foundation. 7 October 2022閲覧。
  6. ^ a b Specia, Megan; Mykolyshyn, Oleksandra (7 October 2022). “Ukraine's Center for Civil Liberties was documenting rights violations long before Russia's full-scale invasion.” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2022/10/07/world/europe/ukraine-center-for-civil-liberties-nobel-peace-prize.html 8 October 2022閲覧。 
  7. ^ a b Nobel Peace Prize to activists from Belarus, Russia, Ukraine” (英語). Onmanorama (7 October 2022). 7 October 2022閲覧。
  8. ^ Belarus, Ukraine, Russia activists win Nobel Peace Prize” (英語). BBC News (7 October 2022). 7 October 2022閲覧。
  9. ^ Oleksandra Matviichuk”. religiousfreedom.in.ua. 17 August 2021閲覧。
  10. ^ Nobel peace prize given to human rights activists in Belarus, Russia and Ukraine” (英語). The Guardian (7 October 2022). 7 October 2022閲覧。
  11. ^ Nobel peace prize 2022 awarded to human rights campaigners in Ukraine, Russia and Belarus – as it happened” (英語). The Guardian (7 October 2022). 7 October 2022閲覧。
  12. ^ a b Yurii Korogodskyi (8 October 2022). “We hope to create an international tribunal and punish Putin and Lukashenko, – Central Committee on the Nobel Prize”. Lb.uaウクライナ語版. 8 October 2022閲覧。
  13. ^ Nobel Peace Laureate Calls for Weapons to Free Ukraine”. 28 November 2022閲覧。
  14. ^ Statute of Centre for Civil Liberties Civil Society Organisation – new version”. Centre for Civil Liberties (27 June 2022). 7 October 2022時点のオリジナルよりアーカイブ7 October 2022閲覧。

外部リンク

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