市井三郎
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人物情報 | |
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生誕 |
1922年6月18日 日本大阪府 |
死没 | 1989年6月28日 (67歳没) |
出身校 | 大阪大学・マンチェスター大学・ロンドン大学 |
学問 | |
研究分野 | 哲学 |
研究機関 | 愛知教育大学・成蹊大学 |
市井 三郎(いちい さぶろう、1922年(大正11年)6月18日 - 1989年(平成元年)6月28日)は、日本の哲学者(分析哲学・社会思想)。
経歴
[編集]1927年、大阪府生まれ。大阪大学理学部を卒業後、マンチェスター大学を経てロンドン大学大学院哲学科修了。1954年(昭和29年)に愛知教育大学助教授を経て、1961年(昭和36年)以後は成蹊大学教授。
戦後、鶴見俊輔らが主催する思想の科学研究会に加わり、『思想の科学』を編集し、執筆を連載する。1970年代に鶴見和子・山田慶児・桜井徳太郎らと「思想の冒険」グループに参加した。雑誌『思想の科学』編集長もつとめた[1]。1980年代には山口一郎・加々美光行・山本恒人[2]らと文化大革命の研究グループも組織した。
研究内容・業績
[編集]- 歴史必然論的な進歩史観を批判し、転換期に決定的な役割を果たす『キー・パースン(key-person)』を重視する歴史観を提唱した[3]。
- バートランド・ラッセルの研究者でもあり、数々の訳書を残した。
著作
[編集]- 『ホワイトヘッドの哲学』弘文堂・アテネ新書、1956年
- 『哲学的分析:社会・歴史・論理についての基礎的試論』岩波書店、1963年
- 『「明治維新」の哲学』講談社現代新書、1967年、ISBN 978-4061155213
- 『思想からみた明治維新:「明治維新」の哲学』講談社学術文庫、2004年。ISBN 978-4061596375
- 『歴史の進歩とはなにか』岩波新書、1971年、ISBN 978-4004130024
- 『近代への哲学的考察』れんが書房、1972年
- 『歴史を創るもの』第三文明社・レグルス文庫、1978年、ISBN 978-4476010923
- 『近世革新思想の系譜』新NHK市民大学叢書、1980年、ISBN 978-4140120415
- 『人類の知的遺産 ラッセル』講談社、1980、ISBN 978-4061453661
共編著
[編集]- 『科学の哲学』(現代人の思想20)河出書房、1968年
- 『開国の苦しみ』(『明治の群像・第1』)三一書房、1969年
- (布川清司共著)『伝統的革新思想論』平凡社、1972年
- (河合武編)『人類の行方』みすず書房、1972年、河合武との対談「哲学者の心配」
- (鶴見和子共編)『思想の冒険-社会と変化の新しいパラダイム』筑摩書房、1974年
- (滝沢誠共編)『武田範之[4]伝-興亜前提史』日本経済評論社、1989年、ISBN 978-4818816312
訳書
[編集]- ガモフ(伏見康治共訳)『原子探検のトムキンス』[5]白揚社、1950年、のち『ガモフ全集』第4巻、1951年
- アインシュタイン(中村誠太郎・南部陽一郎共訳)『アインシュタイン晩年に想う』日本評論社、1950年
- レオポルト・インフェルト『神々の愛でし人 世紀の数学者エヴァリスト・ガロアの生涯』[6]日本評論社、1950年
- レオポルト・インフェルト『真実の探求-科学者の生長』[7]日本評論社、1950年
- H・G・タウンセント『アメリカ哲学史』[8]岩波書店、1951年
- ジョン・サマヴィル[9]『ソヴェートの哲学 その理論と現実』[10]理想社、1951年
- ガモフ『生命の国のトムキンス』[11](『ガモフ全集』第8巻)白揚社、1953年
- ガモフ『月』[12](ガモフ全集 第9巻)、白揚社、1954年
- ハンス・ライヘンバッハ『科学哲学の形成』[13]みすず書房、1954年
- バートランド・ラッセル『西洋哲学史』[14]みすず書房、1954‐56年
- ジョン・サマヴィル『科学入門-科学の方法と歴史』[15]白揚社、1955年
- ホワイトヘッド『象徴作用』[16](世界大思想全集 17)河出書房、1955年
- A.J.エイヤー『コミュニケーションとは何か』「コミュニケーション」[17]みすず書房)、1957年
- E・ブローダ(英語版)『ボルツマン-現代科学のパイオニア』[18]みすず書房、1957年
- B・ラッセル(山田英世共訳)『人類の将来-反俗評論集』[19]理想社、1958年
- ジョン・サマヴィル(久野収共訳)『試練の現代文明』[20]みすず書房、1958年
- カール・R・ポパー(久野収共訳)『歴史主義の貧困-社会科学の方法と実践』[21]中央公論社、1961年、ISBN 978-4120004759
- J・L・シング[22]『百万人の科学概論』(世界教養全集 29)平凡社、1961年
- ラッセル『科学と人間社会』[23](世界思想教養全集 16)河出書房、1964年
- ガモフ(白井俊明共訳)『太陽と月と地球と』(ガモフコレクション 2)白揚社、1991年、ISBN 978-4826910521、『月』(1954)他を白揚社が編集したもの
脚注
[編集]- ^ 『「思想の科学」五十年 源流から未来へ』(思想の科学社)P.56
- ^ 1943年 北京にて出生、大阪経済大学経済学部特任教授。
- ^ 『歴史の進歩とは何か』(岩波新書、1971年)
- ^ 1863年 - 1911年、久留米出身、越後顕聖寺の僧侶、日韓併合に尽力。
- ^ "Mr. Tompkins Explores the Atom", 1945
- ^ "Whom the Gods Love: The Story of Evariste Gaolois", 1948
- ^ "Quest: The Evolution of a Scientist", 1942
- ^ "Philosophical ideas in the United States", Harvey Gates Townsend, 1934
- ^ John Somerville(1905 - 1994)
- ^ "Soviet philosophy : a study of theory and practice", John Somerville, 1946
- ^ "Mr Tompkins learns the facts of life", George Gamow, 1953
- ^ "The Moon", George Gamow, 1953
- ^ "The rise of scientific philosophy", 1951
- ^ "A History of Western Philosophy and Its Connection with Political and Social Circumstances from the Earliest Times to the Present Day", 1945
- ^ "The way of science : its growth and method", 1953
- ^ "Symbolism: Its Meaning and Effect", 1927
- ^ "Studies in Communication: Contributed to the Communication Research Centre, University College, London", 1955
- ^ "Ludwig Boltzmann. Mensch, Physiker, Philosoph", 1957
- ^ "Unpopular Essays", 1950
- ^ "The Communist Trials and the American Tradition: Expert Testimony on Force and Violence, and Democracy", 1956
- ^ "The Poverty of Historicism(英語版)", 1957
- ^ John Lighton Synge(英語版)(1897 - 1995)
- ^ "The Impact of Science on Society", 1952