コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

嶋田神社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
嶋田神社

本殿
所在地 奈良県奈良市八島町325
位置 北緯34度38分51.20秒 東経135度50分44.33秒 / 北緯34.6475556度 東経135.8456472度 / 34.6475556; 135.8456472 (嶋田神社)座標: 北緯34度38分51.20秒 東経135度50分44.33秒 / 北緯34.6475556度 東経135.8456472度 / 34.6475556; 135.8456472 (嶋田神社)
主祭神 神八井耳命・崇道天皇(早良親王
社格 式内小社・旧村社・神饌幣帛料供進社
本殿の様式 一間社春日造
例祭 10月10日
地図
嶋田神社の位置(奈良市内)
嶋田神社
嶋田神社
テンプレートを表示

嶋田神社(しまだじんじゃ)は、奈良県奈良市八島町にある神社式内小社旧社格村社神饌幣帛料供進社[1]

歴史

[編集]

祭神の神八井耳命神武天皇皇子[2]。その裔の仲臣子上は成務天皇の時代、尾張国島田の悪神征伐に功があり、島田姓を賜ったとの記録があるため、それにまつわる社名とみられている[2][3][4]平安末期より春日大社との関係が深くなり、当社と同じく式内社赤穂神社御前原石立命神社天乃石吸神社と共に春日山中に勧請され、春日大社境内末社の紀伊神社[脚注 1]四柱として祀られている[2][5]

当初の所在地は八島陵西の丘にあった、とする研究がある[2][6]室町期には八島陵の北、字クラノカヰトにあったとの記録が残り[7][8]、現在八島陵北西に字「蔵六垣内」が残る[9]江戸期には崇道天皇社と共に八島陵内に鎮座していたとされる[3][2][7]1874年明治8年)の春日大社の記録によると、当時の社殿は桁行69.7cm、梁行45.5cmの小さなものであったという[10]

1885年(明治18年)頃、当社と崇道天皇社が鎮座していたとされる現八島陵の地を、早良親王の御陵として整備することが決まり、1886年(明治19年)、崇道天皇社の御神体と社殿を下付され、現在の所在地[脚注 2]に二神合祀の形で移築された[10]

祭神

[編集]

本殿

[編集]

境内社

[編集]

境内

[編集]

本殿

[編集]

本殿は古式の春日造で、桁行2.53m、梁行1.92m[11]。剣巴文の金具が用いられ、大きな向拝を前方に持つ[11]。春日大社の式年造替に従い払い下げられた旧本殿(いわゆる「春日移し」)であったとされ、宝永6年(1709年)春日大社本社本殿第三殿[脚注 3]として建立されたものが、享保12年(1727年)頃に崇道天皇社本殿として現八島陵の位置に移築、1886年、崇道天皇社と嶋田神社の合祀に伴い、嶋田神社本殿として現在の位置に移築されたとみられている[12][2][13]。本殿の歴史については異論もあり、元和2年(1615年)の移築とする説[脚注 4][2][11][14]慶長18年正遷宮時の春日旧殿とする説[15]などがある。1982年昭和57年)3月1日、奈良市指定文化財に指定された。

灯篭

[編集]

崇道天皇社と合祀されたことにより、同社より移された「崇道天皇」「崇道天王」「八嶋天王」などと刻まれたものが多く伝わる。

  • 本殿前方石灯籠 - 四角円柱形、『崇道天皇社 奉寄進常夜灯 宝永七年(1710年)十二月吉日』と刻まれる[10]
  • 拝殿前石灯籠 - 四角形、『崇道天王社御宝前 諸願成就 宝暦四甲戌歳(1754年)正月吉日』と刻まれる[10]
  • もっとも古い石灯籠 - 総高195cm、四角形、『奉寄進八嶋天王御宝前 寛永十七年(1640年)庚辰十一月吉日』と刻まれる[11]

その他

[編集]

他に境内社3社、拝殿、神饌所などがある[10]

ギャラリー

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 本社本殿北東350m、若宮北東200mほどの山中に祀られている
  2. ^ 八島陵より360mほど東。
  3. ^ 部材より、『三之御殿』と墨書されたものがみつかっている。
  4. ^ 勾欄擬宝珠に、『本年マデ二百七拾一年 明治十九年戌四月廿九日改』と刻まれていることを根拠にしている。明治19年(1886年)の271年前は1615年。

出典

[編集]
  1. ^ 奈良県史 5 神社, p. 38.
  2. ^ a b c d e f g 角川 日本地名大辞典 奈良, p. 541.
  3. ^ a b 奈良県史 5 神社, p. 290.
  4. ^ 新撰姓氏録
  5. ^ 春日大明神垂跡小社記
  6. ^ 式内社の研究
  7. ^ a b 平凡社 寺院神社大辞典, p. 439.
  8. ^ 『多聞院日記』元亀元年(1570年7月5日条)
  9. ^ 奈良盆地歴史地理データベース.
  10. ^ a b c d e 奈良市史 社寺編, p. 531.
  11. ^ a b c d 奈良市史 社寺編, p. 532.
  12. ^ 嶋田神社現地案内板、奈良市教育委員会の設置による。
  13. ^ 春日大社建築史論
  14. ^ 平凡社 寺院神社大辞典, p. 440.
  15. ^ 式内社調査報告

参考文献

[編集]
  • 池田源太宮坂敏和、奈良県史編集委員会 編『奈良県史 5 神社』名著出版、1989年。ISBN 462601335X 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 竹内理三 編『角川日本地名大辞典 29 奈良県』角川書店、1990年。ISBN 4040012909 
  • 『大和・紀伊寺院神社大辞典』平凡社、1990年。ISBN 4582134025 
  • 奈良盆地歴史地理データベース 小字データベース”. 奈良女子大学. 2016年5月14日閲覧。
  • 奈良市史編集審議会 編『奈良市史 社寺編』吉川弘文館、1985年。ISBN 4642015493 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]