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島村老茶舗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
島村老茶舗店舗兼主屋
1926年竣工の丸木島村老茶舗店舗 地図
島村老茶舗の位置(埼玉県内)
島村老茶舗
情報
用途 商店
構造形式 店舗 木造切妻造桟瓦葺き
主屋 木造入母屋造
建築面積 99 m² [1]
状態 現存
階数 店舗 2階建
主屋 平屋建
竣工 主屋 1854年
店舗 1926年
所在地 363-0015
埼玉県桶川市寿二丁目1-5
座標 北緯36度0分3秒 東経139度33分57.3秒 / 北緯36.00083度 東経139.565917度 / 36.00083; 139.565917 (島村老茶舗店舗兼主屋)座標: 北緯36度0分3秒 東経139度33分57.3秒 / 北緯36.00083度 東経139.565917度 / 36.00083; 139.565917 (島村老茶舗店舗兼主屋)
文化財 登録有形文化財
指定・登録等日 2020年4月3日[1]
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島村老茶舗(しまむらろうちゃほ)は、埼玉県桶川市に所在する商家である。桶川宿の旧中山道沿いで茶の販売を行っており、創業は1854年嘉永7年)。同年に完成したと推測される主屋[2]と、1926年(大正15年)に完成した中山道に面する店舗は、2020年令和2年)に国の登録有形文化財に登録された。2021年現在も、「丸木島村老茶舗」の現役店舗として使用されている。

歴史

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紅花商人[注釈 1]の木嶋屋源右衛門の次男として1827年文政10年)に生まれた七兵衛は、1854年(嘉永7年)に独立し、家屋と土蔵を構えて商売を始めた。屋号は「丸木」といい、家業の紅花に加えて茶と紙も扱った。1926年には、街道沿いに木造2階建ての店舗を新築した。2018年には旧中山道拡幅のため、5m奥まった位置に移す曳家が行われた[4]。2020年4月3日には、「島村老茶舗店舗兼主屋」として国登録有形文化財に登録された[1]。桶川宿の旧中山道沿いに残る登録有形文化財は、島村家住宅土蔵(2000年登録)、武村旅館(2002年登録)、小林家住宅主屋(2004年登録)に次いで4軒目である[4]

建築

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店舗は木造2階建の切妻造で、屋根は桟瓦葺。内部は建設当初の姿をよくとどめており、欅材大黒柱は六五分の太さがある。2階の客間には床の間と脇床があり、床柱には紅葉材が使われている[4]。通りに面する窓は、外側のガラス障子との内側に障子を設けた二重の作り。完成当時は2階の窓に鉄製の格子が取り付けられていたが、1943年の金属類回収令により、木製のものに付け替えられた。店舗は現在でも通常営業しており、店内での商品購入は可能であるが、見学を目的とした一般公開は原則として行っていない[4]

店舗の奥には木造平屋建て入母屋造の主屋が続いている。建築年代は嘉永7年と伝えられるが、棟札が残っていないため正確な建築時期は不明である。屋根裏には和釘が使われ、床柱には杉の絞り丸太が使われるなど、貴重な材料と当時の建築技術を見ることができる[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ 桶川は、江戸時代には染織用の紅花の生産地・集散地として栄えた[3]

出典

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  1. ^ a b c 島村老茶舗店舗兼主屋 - 文化遺産オンライン文化庁
  2. ^ 島村老茶舗の建物が国の登録有形文化財になりました』(プレスリリース)桶川市生涯学習文化財課 文化財係、2020年4月15日https://www.city.okegawa.lg.jp/shisei/shinoshokaikanko/bunkazai/7233.html2021年5月12日閲覧 
  3. ^ べにばな物語”. 桶川市役所秘書広報課 (2019年7月18日). 2021年5月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e 桶川市生涯学習文化財課「文化財を訪ねて―見てある記 登録有形文化財「島村老茶舗」について」(PDF)『広報おけがわ』、桶川市役所、2020年2月、2021年5月12日閲覧