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岩尾康範

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岩尾 康範
(いわお やすのり)
居住 日本の旗 日本
研究分野 薬学
研究機関 熊本大学
日本公定書協会
ヒューマンサイエンス振興財団
静岡県立大学
出身校 熊本大学薬学部卒業
熊本大学大学院薬学研究科
博士前期課程修了
熊本大学大学院薬学教育部
博士後期課程修了
主な業績 固形製剤のための
機能性製剤材料の探索と評価
多変量解析を用いた
流動層造粒法、遠心転動造粒法の
製造条件の最適化の研究
主な受賞歴

Core-to-Core Young Investigator Award2007年
Global Education Seminar Presentation Award(2012年
Recognized Reviewer Award for Advanced Powder Technology2013年
日本薬学会東海支部学術奨励賞2014年
Outstanding Reviewer Award for Advanced Powder Technology

(2014年)
静岡県立大学学長表彰2015年
Recognized Reviewer Award for International Journal of Pharmaceutics(2015年)
Recognized Reviewer Award for European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics(2015年)
旭化成創剤研究奨励賞(2016年
パーティクルデザイン賞(2016年)
プロジェクト:人物伝
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岩尾 康範(いわお やすのり)は、日本薬学者製剤設計・DDS薬物動態学イオン液体科学・フリーラジカル)。学位は、博士(薬学)熊本大学2006年)。和歌山県立医科大学薬学部教授。

熊本大学大学院医学薬学研究部教務補佐員、財団法人日本公定書協会リサーチ・レジデント、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団リサーチ・レジデント、静岡県立大学薬学部准教授などを歴任した。

来歴

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生い立ち

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熊本大学に進学し、薬学部薬科学科にて学んだ[1]。その後、熊本大学の大学院における博士前期課程を修了した[1]。そのまま博士後期課程に進んだが、熊本大学の大学院に研究部・教育部制が導入されたため、従来の薬学研究科の教育部門が改組され発足した薬学教育部にて学んだ[1]。在学中は学位論文として「酸化修飾ヒト血清アルブミンの動態特性に関する研究」[2]の執筆、研究に取り組んだ。2006年3月、熊本大学の大学院における博士後期課程を修了した[1]。それに伴い、博士(薬学)の学位を取得した[3]

研究者として

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大学院修了後は、2006年4月より母校である熊本大学に勤務することになり、従来の医学研究科の研究部門と薬学研究科の研究部門を統合・改組して発足した医学薬学研究部にて教務補佐員を務めた[4]。同年10月より、財団法人である日本公定書協会にて、リサーチ・レジデントとして勤務した[4]。翌年4月からは、同じく財団法人であるヒューマンサイエンス振興財団にて、リサーチ・レジデントとして勤務した[4]2008年4月、静岡県立大学に転じ、薬学部で助教を務めることになった[4]2014年4月、静岡県立大学にて薬学部の講師に昇任した[4]。のちに静岡県立大学にて、薬学部の准教授に昇任した。薬学部においては、主として薬学科の講義を担当し、創剤科学分野を受け持った[5][6][7]。なお、静岡県立大学の大学院では研究院・学府制が導入されており、従来の薬学研究科の研究部門を改組して発足した薬学研究院にて准教授も兼務した[7]。大学院においては、従来の薬学研究科の教育部門と生活健康科学研究科の教育部門を統合・改組して発足した薬食生命科学総合学府の講義を担当し、創剤工学教室を受け持った[5][7]2019年、武田薬品工業株式会社ファーマシューティカルサイエンス アナリティカル デベロップメントの部署に転じ、ディスティングィッシュド アカデミック エクスパート(Distinguished Academic Expert)として、約2年間弱、創薬の研究開発に従事した。2021年和歌山県立医科大学薬学部 薬剤学研究室 教授を務めている。

研究

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専門は薬学であり、製剤設計、DDSイオン液体科学、レギュラトリーサイエンス、薬物動態学フリーラジカルといった分野の研究に従事している[8]。具体的には、固形製剤に用いる機能性材料の探索や評価に取り組んでいる[9]。より望ましい流動層造粒法や遠心転動造粒法を開発するため、多変量解析により製造条件の最適化を試みている[9]。また、保存安定性の高い脂質ナノ粒子の調製にも取り組んでいる[9]。そのほか、新しい口腔内崩壊茶錠蛋白質徐放性製剤、ポリフェノール含有固体分散体の設計と評価にも取り組んでいる[9]。近年では、新規イオン液体を用い、高分子の経皮投与製剤の開発にも取り組んでいる。

これまでの業績としては、「数学的・統計学的手法を用いた効率的な製剤設計とその応用」により、日本薬学会の東海支部より日本薬学会東海支部学術奨励賞を授与された[10]。また、「マイクロ波を利用した新規口腔内崩壊生薬錠の開発に関する研究」により、日本薬剤学会より旭化成創剤研究奨励賞を授与された[11]。なお、「界面活性剤もしくは水溶性高分子を利用したクラリスロマイシンII型結晶の低コスト製造法と製剤技術への応用」により、野沢健児が新製剤技術とエンジニアリング振興基金よりパーティクルデザイン賞を授与された際には、板井茂野口修治とともに共同受賞者として名を連ねている[12]。2018年には、製剤機械技術学会 第一回仲井賞若手研究者奨励賞を受賞している。

学術団体としては、日本薬学会、日本薬剤学会、製剤機械技術研究会、粉体工学会、日本DDS学会、化学工学会、American Association of Pharmaceutical Scientists(AAPS)

などに所属している[13]

略歴

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賞歴

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脚注

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  1. ^ a b c d 「学歴」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
  2. ^ 「学位論文(博士、修士)――課程博士(甲)」『熊本大学薬学部 薬剤学分野熊本大学薬学部薬剤学分野
  3. ^ 「学位」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
  4. ^ a b c d e 「主な経歴」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
  5. ^ a b 「スタッフ」『静岡県立大学薬学部 創剤科学分野 創剤工学研究室・スタッフ紹介』静岡県立大学薬学部創剤科学分野。
  6. ^ 「医療薬学大講座」『教員一覧静岡県立大学薬学部・薬学研究院
  7. ^ a b c 「教員情報詳細」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
  8. ^ 「専門分野」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
  9. ^ a b c d 「主要研究テーマ」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。
  10. ^ 「平成26年度東海支部学術奨励賞受賞者」『日本薬学会東海支部日本薬学会東海支部
  11. ^ 「受賞者」『旭化成創剤研究奨励賞 - APSTJ Website』日本薬剤学会。
  12. ^ 「第三回パーティクルデザイン賞」『授賞履歴|一般財団法人 新製剤技術とエンジニアリング振興基金』新製剤技術とエンジニアリング振興基金。
  13. ^ 「所属学会」『教員情報詳細:静岡県立大学教員データベース』静岡県立大学。

関連人物

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関連項目

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外部リンク

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