岩国中継局
岩国中継局(いわくにちゅうけいきょく)は、山口県岩国市にあるアナログ放送用の中継局である。
ここではUHF中継局に併設されているNHK山口放送局師木野・KRY山口放送南岩国の両中継局と、岩国御庄デジタルテレビジョン中継放送局についても併記する。
概要
[編集]当局は、山口県をエリアとする各放送局が、岩国市の旧市部(平成の大合併前の岩国市の領域)をカバーするために設置した。しかし、岩国市が県東部の広島県境に位置するという地理的事情から、北東方向に位置する広島市や東北東の呉市方面からの電波も入感し、VHFテレビ3局では混信も発生した。そのため、これらの状況を改善する目的で、NHK山口が師木野中継局を、KRYが南岩国中継局を、別途設置する事態となった。
逆に、岩国市内では、こうした状況を逆手に取り、広島市や呉市方面(休山など)にアンテナを向け、系統数が多い広島の放送を視聴する世帯も多く、山口県に系列局が無いFNNでは、tssテレビ新広島が岩国周辺地域の取材を行っている。こうした状況を考慮し、地上デジタルテレビジョン放送開始にあたっては、岩国市と近隣の中継局を大幅に整理する狙いもあり、広島県の江田島市に岩国向けの中継局が置かれた。また、2008年9月に入ると「岩国御庄デジタルテレビジョン中継放送局」が城山南方高地に設置された[1][2]。
岩国市には米軍基地があるため、米軍放送AFNの岩国送信所もあるが、ここでは割愛する。
岩国中継局の技術情報
[編集]AM放送
[編集]NHKラジオ第2放送は広島局および松山局が山口放送局の受信情報に記載されている[3]。
周波数 (kHz) |
放送局名 | コールサイン | 空中線電力 | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|
585[3] | NHK 山口ラジオ第1 |
無し | 300W[4][3] | 山口県 | 345,171世帯[5] | 1996年8月29日[6] |
918[7] | KRY 山口放送 |
JOPN[8][7] | 1kW[8] | 206,603世帯[5] | 1960年4月1日[9] |
- 所在地
アナログテレビ
[編集]テレビチャンネル(ch) | 放送局名 | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1[10] | NHK 山口教育 |
映像10W[11][12][9]/ 音声2.5W[要出典] |
映像37W[13]/ 音声9.3W[要出典] |
全国 | 28,627世帯[13] | 1962年9月1日[12] |
9[10] | NHK 山口総合 |
映像35W[13]/ 音声8.9W[要出典] |
山口県 | 1962年3月18日[11] | ||
11[10] | KRY 山口放送 |
映像38W[13]/ 音声9.5W[要出典] |
1962年4月1日[14] | |||
28[10] | yab 山口朝日放送 |
映像100W[15]/ 音声25W |
映像320W[13]/ 音声83W[要出典] |
33,167世帯[13] | 1993年10月1日[注 1] | |
62[10][16] | tys テレビ山口 |
映像320W[13]/ 音声79W[要出典] |
1971年1月21日[17] |
「tys」以外は大平山送信所とアナログ放送の周波数が同じである。
- 所在地
FM放送
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
周波数(MHz) | 放送局名 | 空中線電力 | 実効輻射電力 | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|
82.1 | FMY エフエム山口 |
10W[18][19] | 10.5W[18][19] | 山口県 | 29,887世帯[20] | 1985年12月1日[20] |
85.0 | NHK 山口FM |
33,191世帯[20] | 1969年3月1日[21] (1968年2月1日[22]) | |||
92.3 | KRY 山口放送 |
100W[23] | 115W[23] | 2017年4月23日[24] |
- 括弧内は実用化試験局としての運用開始日。
- 山口放送はFM補完中継局として2017年4月21日に本免許が総務省中国総合通信局から付与され、都市型難聴および、外国波混信対策として運用が開始された[23]。
師木野中継局・南岩国中継局
[編集]NHK・KRY両局の岩国テレビ中継局の電波が岩国市の一部地域で広島県呉市の呉中継局や同県大竹市のNHK大竹元町テレビ中継局と混信する為に城山南方高地に設置されている[要出典]。
中継局名はNHKが師木野中継局、山口放送が南岩国中継局[25]。
テレビチャンネル(ch) | 放送局名 | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 偏波面 | 開局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
36[10] | NHK 山口教育 |
映像10W[26]/ 音声2.5W[要出典] |
映像50W[25]/ 音声12.5W[要出典] |
全国 | 2,780世帯[25] | 垂直偏波[25] | 1976年3月31日[26] |
50[10][注 2] | NHK 山口総合 |
映像50W[25]/ 音声12W[要出典] |
山口県 | ||||
60[10] | KRY 山口放送 |
映像30W[9]/ 音声7.5W[要出典] |
映像220W[25]/ 音声49W[要出典] |
18,131世帯[25] | 1984年2月2日[9] |
岩国御庄デジタルテレビジョン中継放送局
[編集]- 岩国デジタル中継局の電波が届きにくい岩国市の山間地帯(主に御庄地区[1]・藤河地区)をカバーするデジタル中継局がNHK師木野・KRY南岩国両中継局と同様に[要出典]城山南方高地に設置されている[2]。
ID | 放送局名 | 物理チャンネル | 空中線電力 | 実効輻射電力 | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 偏波面 | 開局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK 山口総合 |
32 | 500mW[27][28][29][30][31] | 1.3W[27][28][29][30] | 山口県 | 約7,500世帯[要出典] | 垂直偏波[3][2] | 2008年9月30日 |
2 | NHK 山口教育 |
40 | 全国 | |||||
3 | tys テレビ山口 |
41 | 山口県 | |||||
4 | KRY 山口放送 |
39 | ||||||
5 | yab 山口朝日放送 |
42 | 1.25W[31] |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 岩国御庄中継局の予備免許交付(総務省中国総合通信局2008年9月5日 2009年10月21日現在のアーカイブ)(オリジナルURL)
- ^ a b c DXアンテナ総合カタログ2016秋 204ページ (PDF) 2017年5月2日閲覧
- ^ a b c d “NHK山口放送局受信情報”. 2017年4月24日閲覧。
- ^ “無線局免許状等情報(NHKラジオ第1”. 総務省. 2017年4月24日閲覧。
- ^ a b NHKアイテック/編集; 日本放送協会/監修; 日本民間放送連盟/監修『全国テレビジョン・FM・ラジオ放送局一覧 2004』NHKアイテック、2004年、1123頁。
- ^ “山口放送局の沿革”. NHK山口放送局. 2017年4月24日閲覧。
- ^ a b “周波数一覧”. KRY山口放送. 2017年4月24日閲覧。
- ^ a b “無線局免許状等情報(山口放送”. AM 総務省. 2017年4月24日閲覧。
- ^ a b c d 開局50周年実行委員会「社史編纂分科会」 編『山口放送の50年』山口放送、2007年、300頁。
- ^ a b c d e f g h NHK山口放送局受信情報(岩国地区 2010年9月13日現在のアーカイブ)(オリジナルURL)
- ^ a b 日本放送協会 編『NHK年鑑1962 No.2』日本放送出版協会、1962年、242頁。
- ^ a b 日本放送協会(編)『NHK年鑑'63』日本放送出版協会、1963年、198頁。
- ^ a b c d e f g h NHKアイテック/編集; 日本放送協会/監修; 日本民間放送連盟/監修『全国テレビジョン・FM・ラジオ放送局一覧 2004』NHKアイテック、2004年、705頁。
- ^ “会社概要”. KRY山口放送. 2017年4月24日閲覧。
- ^ 放送用周波数使用計画(総務省)2009年7月22日現在のアーカイブ
- ^ アナ・アナ変換前(開局〜2005年)は22chだった。
- ^ テレビ山口社史編纂委員会 編『テレビ山口二十年史』テレビ山口、1992年、501頁。
- ^ a b 無線局免許状等情報(エフエム山口(総務省)
- ^ a b 無線局免許状等情報(NHK-FM(総務省)
- ^ a b c NHKアイテック/編集; 日本放送協会/監修; 日本民間放送連盟/監修『全国テレビジョン・FM・ラジオ放送局一覧 2004』NHKアイテック、2004年、1053頁。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'69』日本放送出版協会、1969年、225頁。
- ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'68』日本放送出版協会、1968年、242頁。
- ^ a b c “岩国市及びその周辺地域でAMラジオの難聴が解消 山口放送のFM補完中継局に免許”. 総務省中国総合通信局報道資料 (2017年4月21日). 2017年4月22日閲覧。
- ^ “KRY岩国FM開局で公開生放送(山口県)”. 2017年4月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g NHKアイテック/編集; 日本放送協会/監修; 日本民間放送連盟/監修『全国テレビジョン・FM・ラジオ放送局一覧 2004』NHKアイテック、2004年、717頁。
- ^ a b c 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'76』日本放送出版協会、1976年、335頁。
- ^ a b 無線局免許状等情報(NHK総合(総務省)
- ^ a b 無線局免許状等情報(NHK教育(総務省)
- ^ a b 無線局免許状等情報(テレビ山口(総務省)
- ^ a b 無線局免許状等情報(山口放送(テレビ 総務省)
- ^ a b 無線局免許状等情報(山口朝日放送(総務省)
関連項目
[編集]- 岩国デジタル中継局
- 岩国市内の小規模テレビジョン中継局 - 城山からの電波が届きにくい地域をカバーするアナログテレビジョン中継局
- NHK岩国市内テレビ中継局 - 市内にあるNHK単独のテレビ中継局