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岡本駿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岡本駿
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 徳島県勝浦郡勝浦町
生年月日 (2002-06-12) 2002年6月12日(22歳)
身長
体重
185 cm
82 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

岡本 駿(おかもと しゅん、2002年6月12日 - )は、徳島県勝浦郡勝浦町出身[1][2][3][4][5][6]野球選手。右投左打。

甲南大学史上初のドラフト指名された選手である。

経歴

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徳島県勝浦郡勝浦町出身[1][2][3][4][5]横瀬小学校の2年時に勝浦タイガーススポーツ少年団で野球を始める[2][3][4]勝浦中学校では軟式野球部でプレーした[2][3][4]。小・中学校時代は遊撃手投手との扱いであった[4][7]城南高等学校では1年秋からベンチ入りし[4]、3年夏に行われた独自大会では8強入り[2]。甲子園への出場経験はない[1][2][8]。高校時代は主に遊撃手を守る内野手であり[3][8][4][9][10][11][12][13]、4番・遊撃手として出場していた[2]が、投手に入ることもあった[7]

大学は甲南大学経済学部に入学[14]。大学入学時の球速は130 km/h後半であった[8][2]。大学では投手一本で勝負することを決め[7]、1年春からリーグ戦に登板[15]していたが、5回以降に狙い球を打たれることが多かった[2]。1年秋にはリーグ戦初勝利を挙げたり[7]、第4節の大阪体育大学戦で5安打6奪三振2四死球で初完投初完封を記録したりするなど、2勝3敗で規定投球回到達を果たし、防御率2.53の成績だった[16]。2年秋には2部西リーグベストナインを受賞した[2]。3年秋のリーグ戦、大阪体育大学戦では8回まで無安打無失点の投球を見せた[2]2024年春は開幕戦で6安打1四球で1年秋以来の完封勝利を挙げる[15][17][18]。4月には腰痛を発症し3ヶ月戦列を離れていたが、秋季リーグ戦前に復帰[15][4][18]。秋季リーグ戦のオープン戦でも146 km/hを記録するなど、順調な回復を見せた[18]。開幕戦の大阪産業大学戦で7回で105球を投げ5安打無失点の快投[7][4]。同日にプロ志望届を提出[2][4]。同季2度目の登板となる関西外国語大学戦は3球団のNPBスカウトが見守る中1回に2死満塁のピンチを作りながら5回まで無失点に抑え、6回に2点適時二塁打を浴び2失点、7回2失点の好投を見せたが、7四球を記録し敗戦投手となった[7][19]。10月13日には3-2の5回に逆転2点本塁打を浴び、延長10回を完投するもチームは敗戦し優勝の可能性が消滅した[20]。この本塁打について岡本は「ツーシームが高めに入ってしまった」と話した[20]。10月17日の関西国際大学戦では5点ビハインドの7回裏2死三塁の場面で大学最後の登板に臨み、1回1/3を投げ無失点[10]。10月18日の時点で5球団から調査書が届いていた[10]。8季で通算39試合に出場し、計186回に登板[16]。14勝12敗、143奪三振、防御率2.66の成績を記録した[16]

2024年10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議において広島東洋カープから3位指名を受けた[1][14][9][11][12][13][5][16][21][22][23][24][25][26]。甲南大学出身の選手としては初のドラフト指名であり[1][14][21][9][11][13][23][25]、城南高校出身の選手のドラフト指名も初である[注 1][26]。岡本自身は下位で指名されると思っており、3位指名には驚きしかなかったという[3][21][8]。10月30日に鞘師智也田村恵らスカウトより指名挨拶を受け[9][11][5][23]、「10勝15勝できるような投手になりたい」と話した[22][25][6]。指名後はトレーニングルームで柔軟性と筋力を鍛えている[23]

選手としての特徴・人物

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速球の最高球速149 km/h[2][11][10][21][3][22][13][16]。変化球はスライダーカットボールチェンジアップツーシーム[16][6]フォークを持っている[2]。武器は力感のないフォームから繰り出される質が高くキレのある速球[11]と鋭いカットボール[3]、チェンジアップ[23][6]。同じく速球やカットボールを操る森下暢仁大瀬良大地に話を聞きたいとドラフト指名後には話した[3][23]。ツーシームは、2024年春から本格的に投げ始めた[17]。投球フォームは則本昂大を参考にしている[4]

城南高等学校時代に甲南大監督の谷口純司が長身遊撃手である岡本を見るため徳島に訪れたが、動きの粗さから谷口には遊撃手には向いていないと思われた[2]。しかし、谷口は打撃が良ければ取ろうと考え、スポーツ推薦候補として3年夏の練習会に参加[2]。その際、谷口は打撃の飛距離ではなく、キャッチボールにおいて野手離れした球を投げることに惹かれ、投手としてスポーツ推薦することを決めた[2]。岡本は物事を深く考えるタイプではなく、就職に有利なことから甲南大学入学を選び[2]、2024年春頃までは就職活動と野球を両立していた[1]

投手転向当初は、のちに「フォームや体力面を含め、初めは全然投手になっていなかった」と谷口は話すなど、岡本自身「野手のようなフォームで投げていた」というフォーム[8]や体力面のほか、制球や変化球にも課題を抱えていた[2]。スタミナ面は、走り込みによって鍛えた[2]

遊撃手の経験が投手に活きることもあった[2]。高校の時に遠投で105 mを投げたこともあり、同級生の中では強かったという[7]。指揮官によると、本来投手は助言を受け入れず、自分の考えが絶対というタイプが多いが、野手出身だからこその素直な性格で積極的に先輩から助言を聞き入れたり、専門家のSNSを確認したりしたことが岡本を成長させたという[2][8]

広島の鞘師智也らスカウトは、将来性を高く評価し、指名を決めたという[9][11][22][5]

広島東洋カープの印象について、「地元愛の強い球団。愛される選手になりたい」と話した[21][12][23]

ドラフト会議の2週間ほど前に広島東洋カープのドラフト5位で指名される夢を見たという。また、母はドラフト会議当日の朝の夢で広島東洋カープ5位、父はドラフト会議から2日ほど前の夢で北海道日本ハムファイターズ7位で指名されるという夢を見たといい、親子で正夢となり、夢を超える結果となったという[24]

甲南大学マネージャーによると、スーパーのお釣りが777円で喜ぶような一面もあるという[22]

大学1・2年時代は靴店、3年時は老人ホーム調理スタッフのアルバイトをしていた[6]

好きな言葉は「笑って損した者なし」で[2]、座右の銘は初志貫徹、笑顔[6]

好きな食べ物はラーメン、好きな芸能人は小栗旬[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 城南高等学校出身のプロ入りした選手は1950年に大映スターズにに入団した増田卓がいるが、ドラフト制度導入後は初である。

出典

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  1. ^ a b c d e f プロ野球ドラフト 甲南大から初、岡本駿投手が広島から3位 186センチの恵まれた体格の右腕」『神戸新聞NEXT』2024年10月24日。2024年11月9日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 【大学野球】就活に有利だから甲南大に進んだ岡本駿がNPB入りを目指す剛腕に成長するまで」『スポーツ報知』2024年9月20日。2024年11月10日閲覧
  3. ^ a b c d e f g h i 広島ドラ3・岡本駿 1年前は就職活動「人生何があるのか分からないな」 甲南大進学から投手本格化の最速149キロ」『デイリースポーツ』2024年10月25日。2024年11月10日閲覧
  4. ^ a b c d e f g h i j k プロ注目甲南大・岡本駿に巨人スカウト「伸びしろまだまだ」6球団視察前で7回0封 阪神大学L」『日刊スポーツ』2024年9月7日。2024年11月10日閲覧
  5. ^ a b c d e 「10勝15勝できるような投手に」 広島3位の岡本投手に球団関係者が指名あいさつ【徳島】」『JRT NEWS』2024年10月30日。2024年11月11日閲覧
  6. ^ a b c d e f g 広島・ドラ3岡本“硬軟”自在の大投手に 甲南大初のプロ野球選手!最速149キロ 緩い変化球も自信」『デイリースポーツ』2024年10月31日。2024年11月13日閲覧
  7. ^ a b c d e f g 甲南大・岡本駿 城南高校時代は主に内野手、いまは「投手一本」で勝負し、目指すプロ」『4years』2024年9月30日。2024年11月9日閲覧
  8. ^ a b c d e f 【カープの金の卵たち】ドラフト3位指名・岡本駿投手 転向4年で掴んだプロへの切符 劇的な成長を遂げた理由とは…!?」『広テレ!NEWS』2024年11月2日。2024年11月10日閲覧
  9. ^ a b c d e 甲南大学で初の指名選手 岡本駿投手に広島が指名あいさつ」『サンテレビNEWS』2024年10月30日。2024年11月10日閲覧
  10. ^ a b c d 調査書は5球団、支配下指名のみ入団の方針・甲南大149キロ右腕が大学ラスト登板【阪神大学野球】」『高校野球ドットコム』2024年10月18日。2024年11月10日閲覧
  11. ^ a b c d e f g 【広島】『将来性』買ったドラフト3位の甲南大・岡本駿「できることなら即戦力で戦える投手になりたい」」『中日スポーツ 東京中日スポーツ』2024年10月30日。2024年11月10日閲覧
  12. ^ a b c 【ドラフト】広島3位指名の甲南大・岡本駿は先輩右腕・大瀬良&森下に弟子入り志願「愛される選手になりたい」」『スポーツ報知』2024年10月25日。2024年11月10日閲覧
  13. ^ a b c d 【ドラフト】広島3位は甲南大の大型右腕・岡本駿 同大初のプロ野球選手誕生へ」『サンケイスポーツ』2024年10月24日。2024年11月11日閲覧
  14. ^ a b c 甲南大初!岡本駿さんがプロ野球ドラフト会議で広島東洋カープ3位指名!」『甲南大学』2024年10月24日。2024年11月10日閲覧
  15. ^ a b c 岡本駿 プロフィール」『週刊ベースボール』。2024年11月10日閲覧
  16. ^ a b c d e f 大瀬良大地や森下暢仁の直球を参考にもっと成長したい!広島カープがドラフト3位指名した甲南大の岡本駿ってどんな選手?」『ラブすぽ』2024年10月31日。2024年11月12日閲覧
  17. ^ a b 甲南大が白星発進 エース岡本が完封」『スポニチ Sponichi Annex』2024年4月6日。2024年11月11日閲覧
  18. ^ a b c 【大学野球】甲南大の最速149キロ右腕・岡本駿がリーグ戦へ決意「全勝したい」 今秋ドラフト“隠し玉”」『スポーツ報知』2024年9月4日。2024年11月11日閲覧
  19. ^ ドラフト候補の甲南大・岡本 怪投7回2失点 最速148キロも荒レレ7四球」『デイリースポーツ』2024年9月15日。2024年11月11日閲覧
  20. ^ a b 【阪神大学野球】甲南大が延長の末敗れ、天理大の優勝確定 逆転2ラン被弾のエース・岡本「とても悔しい」」『スポニチ Sponichi Annex』2024年10月13日。2024年11月11日閲覧
  21. ^ a b c d e 【ドラフト】3位甲南大・岡本駿「探求心と負けない気持ち」投手転向4年目でNPBへ」『日刊スポーツ』2024年10月24日。2024年11月10日閲覧
  22. ^ a b c d e カープ ドラフト3位 甲南大学の岡本駿投手に指名挨拶「10勝・15勝できるような投手になりたい」」『FNN プライムオンライン』2024年10月30日。2024年10月30日閲覧
  23. ^ a b c d e f g 目標は「開幕1軍」186cm 長身右腕 ドラフト3位・岡本駿(甲南大学)プロ入り前に「柔軟性・筋力UP」広島カープ」『TBS NEWS DIG』2024年10月29日。2024年11月11日閲覧
  24. ^ a b 【ドラフト会議】広島3位指名の甲南大・岡本駿は夢から2ランクアップ!?「広島の5位指名でした」」『スポニチ Sponichi Annex』2024年10月24日。2024年11月11日閲覧
  25. ^ a b c 【広島】ドラフト3位・岡本駿が甲南大出身初のNPB選手として決意「みなさんの期待を背負って戦う」」『スポーツ報知』2024年10月30日。2024年11月11日閲覧
  26. ^ a b (祝)岡本駿投手 プロ野球ドラフト第3位指名」『徳島県立城南高等学校』2024年10月26日。2024年11月11日閲覧

関連項目

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