尿沈渣
尿沈渣 | |
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医学的診断 | |
急性腎炎患者尿に見られた上皮円柱と顆粒円柱の図。 | |
目的 | 尿中の細胞、円柱、結晶などの有形成分を顕微鏡で観察し腎・尿路の病態の情報を得る。 |
尿沈渣(にょうちんさ、(英)urine sediment、urinary sediment)とは、尿を遠心し、尿中の細胞、円柱、結晶などの有形成分を顕微鏡で観察する臨床検査である。
尿沈渣
[編集]尿沈渣は、患者への侵襲なく腎・尿路の詳細な情報が得られ、「針のいらない腎生検」とも言われるが、人間の鏡検による、手間と熟練を要する検査である。また、採取後時間が経過すると円柱が崩壊し細菌が増殖する等の変化がみられるので採取後速やかに(1、2時間以内)検査する必要があるため、外部に検査を委託するのは難しく、採取した施設内でリアルタイムに検査を実施する必要がある。しかし、これらの欠点にかかわらず、古典的な検査である尿沈渣は、今日においても、腎・尿路の病変の鑑別および評価に極めて重要であり、広く用いられている。
沈渣成分 | 基準値[1][2] |
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赤血球 | <5個/HPF(強拡大)[※ 1] |
白血球 | <5個/HPF(強拡大) |
細菌 | <5個/HPF(強拡大) |
上皮細胞 | 扁平上皮細胞以外は認めず |
円柱 | 少数の硝子円柱以外は認めず |
微生物 | 少数の細菌以外は認めず |
塩類・結晶類 | 尿酸塩、リン酸塩、等以外の病的結晶は認めず |
赤血球
[編集]- 尿沈渣の赤血球は、大きさ6 - 8μmで淡黄色、中央が凹んだ円盤状である。
- 健常人では男女とも4個/HPF以下である。尿沈渣で赤血球が5個/HPF以上を血尿と定義する[3]。
- 尿沈渣検査では、赤血球の形態学的特徴から、糸球体型血尿と非糸球体型血尿に分類する。
糸球体型血尿(変形赤血球、dysmorphic RBC) | 非糸球体型血尿(均一赤血球、isomorphic RBC) |
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白血球・大食細胞
[編集]- 沈渣中の白血球は、通常、10 - 15μm程度で球形であることが多いが様々な変化が見られる。
- 健常人では1/HPF以下であり、1 - 4,5/HPFは境界値、5,6/HPF以上は要精検とされている。(女性での外陰部からの汚染には注意を要する。)
- 尿中白血球の大部分(95%)は好中球であるが、病態により、好酸球、リンパ球、単球、が増加する場合がある。
好中球 |
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好酸球 |
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リンパ球 |
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単球 |
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大食細胞 |
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上皮細胞
[編集]- 尿路は、上流から、下流へ、以下の上皮細胞に被覆されている。
- 腎実質の尿細管上皮細胞
- 腎盂・尿管・膀胱・尿道前立腺部の尿路上皮(移行上皮)細胞
- 尿路に発生する悪性腫瘍の大部分は尿路上皮由来である。
- 尿道の一部(および周辺臓器)の円柱上皮細胞
- 前立腺上皮細胞、精嚢上皮細胞、子宮頸部上皮細胞、子宮内膜上皮細胞、腸上皮細胞、などが円柱上皮細胞として認められることがある。
- 外尿道口(および、外陰部・膣)の扁平上皮細胞
- 健常尿では少数の扁平上皮細胞のみがみられるが、尿的状態では尿路各部位の細胞が尿中に出現する。
尿細管上皮細胞 | |||||||||||||
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尿路上皮(移行上皮)細胞 |
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円柱上皮細胞 |
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扁平上皮細胞 |
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卵円形脂肪体・脂肪顆粒細胞 | |||||||||||||
封入体細胞 |
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異型細胞 |
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円柱
[編集]- 通常、疾患に伴って尿中に出現する円柱状の構造物。腎の遠位尿細管から集合管の管腔内で形成される。
- 尿中蛋白濃度上昇、尿濃縮、pH低下、流速低下、等をきっかけに、Tamm-Horsfallムコ蛋白[※ 2]が網状の構造物を作り、そこに有形成分が付着したものが剥離して尿中に出現すると考えられている。
- 健常人でも硝子円柱が少数みられることがあるが、円柱は基本的に病的な所見である。
- 円柱の種類や量は疾患の種類や重篤度に関連する。
腎疾患の重篤度 | 尿に出現する円柱 |
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腎実質性障害なし~初期 | 硝子円柱 |
腎実質性障害の炎症期 | 上皮円柱、赤血球円柱、白血球円柱、脂肪円柱 |
腎実質性障害の慢性期・末期 | 顆粒円柱、蝋様円柱、幅広円柱 |
円柱 | 説明 |
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硝子円柱 (hyaline cast) |
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赤血球円柱 (red cell cast) |
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白血球円柱 (white cell cast) |
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大食細胞円柱 (macrophage cast) |
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上皮円柱 (epithelial cast) |
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顆粒円柱 (granular cast) |
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脂肪円柱 (fatty cast) |
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空胞変性円柱 (vacuolar-denatured cast) |
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蝋様円柱 (waxy cast) |
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幅広円柱 (broad cast) |
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塩類・結晶円柱 (salt/crystal cast) |
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ヘモジデリン円柱 (hemosiderin cast) |
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ミオグロビン円柱 (myoglobin cast) |
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ベンス・ジョーンズ蛋白円柱 (Bence Jones protein cast) |
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フィブリン円柱 (fibrin cast) |
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結晶
[編集]尿路結石の成分を推定するのに尿沈渣の結晶が参考にされる[6]。ただし、結石成分と尿沈渣が一致しないこともある。
なお、尿を保存していると赤褐色の尿酸塩やリン酸塩の析出が見られることがある(特に冬季)。病的意義はないが、沈渣観察の障害となるため、加温して溶解してから沈渣を作成する必要がある。
健常人でみられる結晶
[編集]正常な結晶 | 尿pH | 色調 | 形態 | 意義 |
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シュウ酸カルシウム | どのpHでも形成される。 | 無色 | 二水塩は正八面体または封筒状。 一水塩は卵円形またはダンベル型 |
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炭酸カルシウム | 基本的にはアルカリ性尿。 | 無色 | 小型の顆粒、球、ダンベル型 |
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無晶性リン酸塩 | アルカリ性ないし中性尿で見られる | 無色 | 無晶性、顆粒状(無晶性尿酸塩に似ているが無色) |
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リン酸カルシウム | 中性を中心にどのpHでもみられる。 | 無色 | 二塩基塩はロゼット状または星状の薄いプリズム状。プリズムの一端は細い。まれに針状。 一塩基塩Ca(H2PO4)2は 不規則な顆粒状のシート状または板状 |
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リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト) | アルカリ性ないし中性尿で見られる。 | 無色 | 棺桶の蓋状(3面から6面のプリズム状)、まれに平らなシダの葉様 |
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尿酸アンモニウム | アルカリ性ないし中性尿で見られる(pH5.7以上)。 | 暗黄褐色 | スジ状模様の球状または針状体、「サンザシの実」「刺のあるリンゴ」。 |
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尿酸ナトリウム | 酸性尿(pH5.7以上) | 無色〜淡黄色 | 細長い鉛筆状のプリズム型、針状 |
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酸性尿酸塩 | pHが中性から弱酸性で見られる(pH5.7以上) | 黄茶色 | 球状、尿酸アンモニウムに似ている。 |
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無晶性尿酸塩 | 中性から酸性尿(pH5.7以上) | 無色〜黄茶色 | 無晶性、顆粒状 |
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尿酸 (pH5.7以下) |
酸性尿のみ | 無色〜黄茶色(厚さにより色調は変化) | 多形態性。平たい、ダイアモンド、レモン状菱型、層状、ロゼット状。 |
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病的な結晶
[編集]病的な結晶 | 尿pH | 色調 | 形態 | 意義 |
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ビリルビン | 酸性尿のみ。 | 黄色から茶色 | 細い針状か顆粒状、束状。細胞表面に付着していることがよくある。 |
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コレステロール | 酸性から中性尿 | 無色 | 板状の長方形、角が欠けている。 |
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シスチン | 主に酸性尿。 | 無色 | 正六角形板状、層状 |
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ヘモジデリン | 酸性から中性尿 | 金茶色 | 顆粒状、遊離状、塊状、細胞や円柱内 |
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ロイシン | 酸性尿で形成される。 | 暗黄色から茶色 | 同心円状かスジ状の球 (中心部が黒く放射状に線) |
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チロシン | 酸性尿で形成される。 | 無色〜黄色 | 細い繊細な針状結晶が房状・束状になっている |
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ジヒドロキシアデニン(DHA) | 黄褐色 | 円形、車軸状 (同じく黄褐色で不規則板状の尿酸塩とよく似ており注意を要する。) |
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キサンチン | 褐色 | 板状結晶および顆粒、尿酸塩に類似。 |
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各種の薬剤結晶 | 薬剤により異なる。 | ヨード造影剤、サルファ剤、ST合剤、アンピシリン、など、種々の薬剤結晶が尿中に見られることがある。複数の薬物が投与されていて、同定が困難なことも多い。 |
粘糸・精子
[編集]粘糸・粘液糸 (mucus threads ) |
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精子 |
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細菌・原虫・寄生虫・その他
[編集]細菌 |
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酵母 |
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トリコモナス |
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虫卵 | |
その他の寄生虫 | |
その他 |
尿沈渣の染色
[編集]尿沈渣検査は無染色での鏡検が原則ではあるが、多くの施設では、細胞や円柱の鑑別を容易にするため、染色液を使用している。代表的なものがステルンハイマー(Sternheimer)染色である。超生体染色(細胞を固定せずに染色)であり、生きた細胞は染色されず、死んだ細胞が濃染する。一般的に、細胞はピンク~赤で核は青に染まる。硝子円柱は青色、その他の円柱は封入物による。染まらないものは細胞・円柱以外の可能性がある。染色液の欠点として、赤血球が溶血することがある。
尿沈渣成分 | ステルンハイマー染色における染色態度 | ||||||
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赤血球 | 淡赤桃〜赤、無染 | ||||||
白血球 | 核-青、細胞質-淡赤桃〜赤。 ステルンハイマー染色では好中球を以下のように区分することがある。
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上皮細胞 | 核-青〜青紫、細胞質-淡赤桃〜赤紫 | ||||||
硝子円柱 | 淡青〜青 | ||||||
顆粒円柱 | 赤〜赤紫 | ||||||
ロウ様円柱 | 赤桃〜淡赤紫 | ||||||
核および細胞質内封入体 | 赤〜赤紫色、まれに青紫色 | ||||||
粘液糸 | 淡青〜青 | ||||||
精子 | 頭部-青、体部・尾部:赤桃 | ||||||
細菌・酵母・トリコモナス | 無染、淡赤桃色 | ||||||
結晶・脂肪顆粒・デンプン粒 | 無染 |
尿中有形成分分析(尿沈渣フローサイトメトリー法)
[編集]尿沈渣は遠心を含む煩雑な操作が必要であるが、遠心操作なしにフローサイトメトリー原理[※ 5]により尿を直接検査する方法もある。保険点数表では「尿沈渣(フローサイトメトリー法)」とされているが、その検査機器は尿中有形成分分析装置と呼ぶのが一般的である[※ 6]。尿中有形成分分析は、精度的には鏡検法の代替手段とはならないが、マンパワーを節約するため、スクリーニングとして尿中有形成分分析を行い、それで異常が疑われた場合のみ、鏡検法で尿沈渣を実施する施設も多い。
報告可能な項目は機器ベンダ/装置により異なる。
基準値も全国で標準化されたものはないが、シスメックス社のUF-100の基準値(上限値)を以下の表に示す [9]。
尿中有形成分分析の基準値(上限値). 単位:個/μL | |||
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項目 | 全体 | 男性 | 女性 |
赤血球 | 10.5 | 9.9 | 21.2 |
白血球 | 10.5 | 10.4 | 15.4 |
上皮細胞 | 6.2 | 3.7 | 9.0 |
円柱 | 0.96 | 0.99 | 0.63 |
細菌 | 2371 | 1945 | 3309 |
なお、有形成分分析の定量値の単位は /μLであるが、/HPFに換算[※ 7]して報告している場合もある。
赤血球 |
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白血球 |
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上皮細胞 |
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円柱 |
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結晶 |
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細菌 |
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脚注
[編集]- ^ HPFとは、high power fieldの略で、「顕微鏡400倍で観察した一視野の中に」を意味する。「一視野」は、無遠心尿では、およそ、0.45 μLに相当する。
- ^ Tamm-Horsfallムコ蛋白は遠位尿細管上皮細胞で産生され、尿中に分泌される糖蛋白。健常人尿の主要な蛋白
- ^ 女児の尿沈渣で精子が認められた場合、検体取り違えの可能性、性的虐待の可能性、等を考えて、慎重に対処する必要がある。
- ^ カテーテル留置期間が7から10日で患者の50%に細菌尿がみられる。30日以上の留置では全患者に細菌尿がみられる。
- ^ フローサイトメトリーでは、細胞等の成分を蛍光色素で染色し、狭い通路を通過させ、蛍光や散乱光を計測して成分を同定・計数する。
- ^ 尿中有形成分分析装置には、フローサイトメトリー法以外に、画像認識によるものも存在する。ただし、円柱の詳細な分類等は保存画像を人間が確認することによる。
- ^ 1 HPFは0.45 μLの無遠心尿に該当するはずであるが、成分により、若干ずれが生じる場合がある。「尿沈渣の視野容量について ー理論値と実際値ー」. 一柳好江. Sysmex Journal 2007;8(2):1-7. (PDF)
出典
[編集]- ^ 「臨床検査データブック2021-2022」.医学書院. 高久史麿 監修. 2021年1月15日発行.ISBN 978-4-260-04287-1
- ^ 「今日の臨床検査2021-2022」. 櫻林郁之介 監修. 南江堂 2021年5月. ISBN 978-4-524-22803-4.
- ^ 「血尿診断ガイドライン2013」(日本腎臓学会・日本泌尿器科学会・日本小児腎臓病学会・日本臨床検査医学会・日本臨床衛生検査技師会) (PDF)
- ^ 堀田真希「尿中赤血球形態変化のメカニズムと血尿診断ガイドラインにおける尿中赤血球形態情報の重要性 (特集 尿検査と腎機能評価法update : 血尿診断ガイドライン2013を中心に)」『生物試料分析』第38巻第4号、生物試料分析科学会、2015年、235-242頁、ISSN 0913-3763、NAID 40020615250。(要購読契約)
- ^ 足立真理子, 星雅人, 牛丸星子, 林麻実, 仲本賢太郎, 神戸歩, 古田伸行, 稲垣勇夫, 伊藤弘康, 清島満「CKD 重症度分類(KDIGO2009)における尿中硝子円柱の臨床的意義について」『臨床病理』第61巻第2号、日本臨床検査医学会 ; 1953-2020、2013年2月、104-111頁、ISSN 00471860、NAID 10031165625。(要購読契約)
- ^ 「尿路結石症と臨床検査」.生物試料分析. 2009:32(3):200-214.
- ^ 大沼健一郎, 小林沙織, 直本拓己, 矢野美由紀, 山﨑美佳, 東口佳苗, 中町祐司, 三枝淳「血液腫瘍に対する化学療法中の患者尿中にキサンチン結晶を認めた一症例」『医学検査』第68巻第4号、日本臨床衛生検査技師会、2019年、763-768頁、doi:10.14932/jamt.19-15、ISSN 0915-8669、NAID 130007733946。
- ^ 「粘液糸と硝子円柱の違いがわかりにくく悩むことがあります。鑑別のポイントを教えてください」. 星 雅人. Medical Technology 2016;44(2):146-147.
- ^ 野崎司, 伊藤機一, 近藤民章, 中山篤志, 藤本敬二「全自動尿中有形成分分析装置(UF-100)による尿中有形成分の基準値(上限値)」『医学検査 : 日本臨床衛生検査技師会誌』第50巻第7号、2001年7月、952-955頁、ISSN 09158669、NAID 10015628648。(要購読契約)
- ^ 中野幸弘「尿沈渣上清に残存する赤血球成分」(PDF)『生物試料分析=』第33巻第3号、生物試料分析科学会、2010年、255-259頁、ISSN 0913-3763、NAID 40019884443。
外部リンク
[編集]- 「尿沈渣特集」. 日本臨床衛生検査技師会尿沈渣特集号編集部会. 医学検査. 2017. J-STAGE-1号
- 「尿沈渣アトラス」. 一般社団法人千葉県臨床検査技師会
- 「尿沈渣3Dアトラス」. 一般社団法人千葉県臨床検査技師会