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尾﨑野乃香

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
尾﨑野乃香
2021年世界選手権での尾﨑野乃香
個人情報
国籍日本の旗 日本
生誕 (2003-03-23) 2003年3月23日(21歳)
東京都
スポーツ
日本の旗 日本
競技アマチュアレスリング
重量級62 kg
種目フリースタイル
獲得メダル
女子フリースタイル
日本の旗 日本
オリンピック
2024 パリ 68 kg級
世界選手権
2021 オスロ 62kg級
2022 ベオグラード 62kg級
2023 ベオグラード 65kg級
U-23世界選手権
2022 ポンテベドラ 62kg級
アジア選手権
2024 ビシケク 68kg級
世界ジュニア選手権
2022 ソフィア 62kg級
ユースオリンピック
2018 ブエノスアイレス 57kg級
世界カデット選手権
2018 ザグレブ 57kg級
2019 ソフィア 61kg級

尾﨑 野乃香(おざき ののか、2003年3月23日 - )は、日本の女子レスリング選手。東京都出身。階級は62㎏級と68㎏級[1]

来歴

[編集]

女子レスリングでオリンピック3連覇を達成した吉田沙保里に影響されて、シドニーオリンピックのレスリングフリースタイル63㎏代表で総合格闘家宮田和幸が主宰するBRAVE GYMでレスリングを始めた。それまではヒップホップダンステニスをしていた。「これが一番合っている」と本人が語っているようにめきめき頭角を現すと、男子よりも速いと言われる高速タックルやアンクルホールドなどを武器に、小学校5年から全国少年少女選手権大会で2連覇を達成した[2][3][4]

成城学園初等学校から成城学園中学校へ進学すると、1年の時には全国中学生選手権40㎏級で2位になった[1]。2年の時には全国中学生選手権の44㎏級で優勝した[1]。3年の時には全国中学生選手権の52㎏級で優勝した。また、ジュニアクイーンズカップ中学生の部、全日本女子オープン選手権(中学生の部)、全国中学選抜選手権でも優勝を果たした[1]。さらには、クリッパン女子国際大会カデットの部53kg級では全試合を1分以内にテクニカルフォール勝ちして最優秀選手に選ばれた[5]

2018年にはJOCエリートアカデミーの所属になると、帝京高校へ通うことになった[1]。1年の時にはジュニアクイーンズカップ カデットの部57㎏級で優勝した[1]。アジアカデット選手権でも優勝すると、世界カデット選手権では全試合を1分以内にテクニカルフォール勝ちして優勝を飾った[6]。アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたユースオリンピックでは初戦のメキシコ戦で8-2からフォール勝ちすると、以降は決勝を含めて全試合を10-0のテクニカルフォール勝ちで優勝を飾った[7][8]。クリッパン女子国際大会カデットの部では61kg級に出場して2連覇した[1]。2年の時にはジュニアクイーンズカップカデットの部で優勝した[1]。世界カデットでは61㎏級に出場すると、全試合を10-0のテクニカルフォール勝ちして今大会2階級制覇した[9][10]。2020年のクリッパン国際大会では準決勝まで全て30秒以内にテクニカルフォール勝ちすると、決勝でも北出桃子を1分30秒過ぎにテクニカルフォール勝ちして大会3連覇を飾った[11]。3年の時には全日本選手権の62㎏級で大会初出場ながら優勝した[12]

2021年には慶應義塾大学環境情報学部へ進学すると、ジュニアクイーンズカップジュニアの部で優勝した[1]。5月の全日本選抜選手権でも優勝して、世界選手権代表に選ばれた[13]。世界選手権では初戦で東京オリンピック銀メダリストであるキルギスタンのアイスルー・ティニベコワに4-6で逆転負けを喫するも、その後の敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[14]。全日本選手権では2連覇を達成した[15]。2年の時にはジュニアクイーンズカップジュニアの部で2連覇した[1]アジア選手権では決勝でティニベコワに棄権勝ちして優勝した[16]

2022年6月の全日本選抜選手権では、東京オリンピック金メダルの川井友香子を下して2連覇し、世界選手権(9月・ベオグラード)の代表にも選ばれた[17]。8月の世界ジュニアでは決勝でインドの選手にフォール勝ちして優勝した[18]。9月の世界選手権では準決勝でティニベコワを11-5で破ると、決勝ではアメリカのケイラ・ミラクルを10-0のテクニカルフォールで破って優勝を飾った[19]。10月のU-23世界選手権でも優勝したため、オリンピックを除く全ての世界大会(カデット、ジュニア、U-23及びシニア)を制覇することになった[20]。12月の全日本選手権では決勝で59㎏級世界3位である育英大学3年の元木咲良に敗れて2位だった[21]

2023年4月のアジア選手権では準決勝でティニベコワに2-2の内容差で敗れて3位だった[1]。6月の全日本選抜選手権では準々決勝で至学館大学4年の稲垣柚香に6-6の内容差で敗れて、パリオリンピック出場は極めて厳しくなった[22]。7月には非オリンピック階級である世界選手権65㎏級の代表決定プレーオフで優勝した[23]。9月の世界選手権では決勝でアメリカのエレン・キルティを10-0で破り、昨年の62㎏級に続いて世界選手権で2階級制覇を達成した[24][25]。10月のアジア大会では準々決勝でティニベコワを3-1で破るなどして決勝に進み北朝鮮のムン・ヒョンギョンと対戦すると、6ポイントを先取しながら後半6ポイントを取り返されて内容差で敗れて2位だった[26][27]。12月の全日本選手権では女子で唯一オリンピック代表が決まっていない68㎏級に出場すると、初戦で世界選手権5位である育英大学3年の石井亜海を破るなどして決勝まで進み、72㎏級の世界3位である綜合警備保障森川美和を7-0で破って優勝した。この結果、オリンピック代表をかけて石井とプレーオフで対戦することになった[28]

2024年1月のプレーオフでは3ポイントを先取するも、終了約10秒前に石井に4ポイントを取られて逆転されるが、その後すぐ2ポイントを取って再逆転して5-4で勝利を収めたことにより、パリオリンピック代表の座を得た[29]。4月のアジア選手権では準決勝で世界2位であるモンゴルのデルゲルマン・エンフサイハンを10-0、決勝でインドのラディカを15-2で破って優勝した[30]。同年8月のパリオリンピックでは68kg級で銅メダルを獲得した[31]

人物

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自身の母は日本テレビ放送網制作局の社員で、ニュース番組のタイムキーパーを務めている[32]

主な戦績

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57kg級での戦績

61kg級での戦績

62kg級での戦績

68kg級での戦績

(出典[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l JWF WRESTLERS DATABASE : 日本レスリング協会 尾﨑野乃香
  2. ^ 春休みSPスーパーキッズ
  3. ^ 尾崎野乃香に関連する情報
  4. ^ 全国少年少女選手権 成績
  5. ^ 尾﨑野乃香(東京・成城学園中)がカデットの最優秀選手賞を受賞…クリッパン女子国際大会
  6. ^ 世界カデット選手権
  7. ^ レスリング尾崎野乃香が金、鏡優翔が銅 ユース五輪 日刊スポーツ 2018年10月14日
  8. ^ 尾﨑野乃香(JWA/東京・帝京高)が優勝、鏡優翔(同)は3位…2018年ユース・オリンピック第2日
  9. ^ 中井ほのか(愛知・至学館高)がV3、櫻井はなの(愛知・至学館高)と尾﨑野乃香(JWA/東京・帝京高)が2度目の優勝…2018年世界カデット選手権
  10. ^ Cadet Worlds
  11. ^ 3連覇の坂本由宇、藤波朱理、尾﨑野乃香を含め8選手が優勝…2020年クリッパン女子国際大会(カデット)
  12. ^ 女子レスリング界に新星続々! 24年パリ五輪へ…10代で全日本制した鏡優翔&尾崎野乃香の〝強み〟 東京スポーツ 2020年12月27日
  13. ^ 慶応ガール尾崎野乃香が初優勝 パリ五輪まで「文武両道」 レスリング スポーツニッポン 2021年5月27日
  14. ^ 桜井が金、尾崎は銅 世界レスリング 時事通信 2021年10月6日
  15. ^ 【レスリング】18歳 慶応ガール・尾崎野乃香が2連覇「勉強との両立は充実していて楽しい」 東京スポーツ 2021年12月18日
  16. ^ 53キロ級は18歳・藤波朱理が優勝 アジア選手権/レスリング サンケイスポーツ 2022年4月22日
  17. ^ ”慶応レスラー”19歳・尾崎野乃香、東京五輪女王から金星V「文武両道で」世界代表決定”. デイリースポーツ (2022−06−19). 2022年6月19日閲覧。
  18. ^ 女子62キロ級・尾崎“2冠”宣言 レスリングU20世界選手権から帰国 スポーツニッポン 2022年8月22日
  19. ^ 尾崎野乃香が初の金メダル獲得 24年パリ五輪期待の19歳慶大生 レスリング世界選手権 スポーツ報知 2022年9月14日
  20. ^ 奥野春菜、南條早映、尾﨑野乃香、森川美和が優勝
  21. ^ 藤波3連覇、10連勝 乙黒拓は3年ぶり優勝―全日本レスリング 時事通信 2022年12月25日
  22. ^ 慶大生の世界女王・尾崎野乃香、パリ五輪出場が絶望的に 準々決勝で敗れ号泣「何も考えられない」…レスリング明治杯 スポーツ報知 2023年6月15日
  23. ^ 金城と川井、世界選手権逃す 非五輪階級プレーオフ―レスリング 時事通信 2023年7月17日
  24. ^ 五輪内定の須崎優衣・桜井つぐみ・鏡優翔、そろって世界レスリングV 読売新聞 2023年9月21日
  25. ^ 2023 UWW Senior World Championships
  26. ^ レスリング男子フリー57㎏級 長谷川 初出場で攻め続け金メダル!レスリング女子62㎏級 尾﨑は銀メダル【アジア大会】 TBS 2023年10月6日
  27. ^ 尾崎、またも失意 6点リードから不覚―アジア大会・レスリング 時事通信 2023年10月6日
  28. ^ 尾崎野乃香が五輪代表決定POへ 全日本選手権/レスリング サンケイスポーツ 2023年12月24日
  29. ^ レスリング女子68キロ級パリ五輪代表に尾崎野乃香 プレーオフで勝利 スポーツニッポン 2024年1月27日
  30. ^ 慶大女子初の五輪代表・尾崎野乃香 68キロ級初の国際大会で圧勝V アジア選手権 スポーツニッポン 2024年4月13日
  31. ^ “レスリング尾崎野乃香「銅」、3位決定戦で東京五輪銀メダリスト破る…女子68キロ級”. 読売新聞オンライン. (2024年8月7日). https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2024/20240807-OYT1T50033/ 2024年8月7日閲覧。 
  32. ^ "レスリング銅・尾崎野乃香 尊敬する母と「news every.」で共演 「夢の共演みたいでうれしい」". Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. 2024年9月27日. 2024年9月27日閲覧

外部リンク

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