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就職戦線異状なし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
就職戦線異常なしから転送)
就職戦線異状なし
監督 金子修介
脚本 金子修介
福田卓郎
製作 三ツ井康
製作総指揮 村上光一
堀口壽一
出演者 織田裕二
仙道敦子
的場浩司
和久井映見
坂上忍
羽田美智子
音楽 大谷幸
主題歌 槇原敬之
どんなときも。
撮影 高間賢治
編集 冨田功
製作会社 フジテレビジョン
配給 東宝
公開 日本の旗 1991年6月22日
上映時間 103分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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就職戦線異状なし』(しゅうしょくせんせんいじょうなし)は、杉元伶一長編小説デビュー作で、同作を題材に金子修介監督・織田裕二主演で映画化し、1991年に公開された日本映画

概要

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製作はフジテレビジョン、配給は東宝。新卒採用の売り手市場だった当時の日本の風潮を描いた作品で、1991年3月にバブル景気が崩壊した後(バブル崩壊後も1992年春頃まではバブルの余韻が色濃く残っていた)に公開された。

本作のタイトルはドイツの作家エーリヒ・マリア・レマルクの長編小説及びアメリカ映画の邦題『西部戦線異状なし』に因んだものである。

キャッチコピーは「なりたいものじゃなくて、なれるものを捜し始めたら もうオトナなんだよ…」。

公開当時はほぼ無名だった槇原敬之の主題歌「どんなときも。」も多くの人に鮮烈な印象を与え、大ヒットした。

あらすじ

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空前の売り手市場と言われた時期、就職活動に奔走する若者達の姿を描く。早稲田大学社会科学部4年生の大原(織田裕二)は、マスメディアの大手企業に就職して派手な生活を送りたいと夢見る立川(的場浩司)に影響され、とりあえずマスコミ関連企業の就職活動を始めた。大原に好意を抱く友人の毬子(仙道敦子)は、大原をモデルに就職活動本を書き上げようと動向を追う。

6月に入ると、採用が内定した者の話も出始めるが、大原と立川は相変わらず。ある晩、2人は友人の北町(坂上忍)から六本木高級ディスコへ誘われる。北町は父親のコネで既に大手広告代理店の内々定を取り付けていたが、優秀な学生を青田買いで確保したいデパートからの接待を受けていたのだ。VIPルームへと通された一行は羽目を外して騒ぐが、それを快く思わない中年男(本田博太郎)と喧嘩になり、大原は中年男を殴り倒してしまう。

8月からは本採用の就職戦線が始まり、未だ内定が得られない大原と立川は、狭き門である本採用に賭けていた。エフテレビの面接会場で、大原は喧嘩で殴り倒した中年男が面接官の一人・雨宮であるのを知り、エフテレビの面接試験通過は厳しいと予感するが、なぜか試験を次々と通過する。実は雨宮の陰謀であったのだが、葉子(和久井映見)や毬子の助けもあり、難関を突破して最終面接まで残ることに成功した。

その一方、北町は父親の急死で帰郷、立川もマスコミを諦めて外食チェーンに入社することとなり、就職戦線の理想と現実を目の当たりにした大原は、本当の就職とは何なのかを考え始める。

スタッフ

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配役

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製作

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キャスティング

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公開当時ほぼ無名だった鶴田真由が出演している。早稲田大学で内定獲得に奔走する4年生たちを競走馬に見立てて「就職杯・内定獲得レース」と題した賭けを催す女子大学生という役を演じている。本作以降、鶴田真由的場浩司と同様に織田裕二と『卒業旅行 ニホンから来ました』『きけ、わだつみの声 Last Friends』など多数の作品で共演している。

撮影

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立川修(的場)の住むアパート(実際は民家)は、都電荒川線鬼子母神前停留場に近い線路沿いに建っている設定で[1]、劇中、毬子(仙道)が踏切横に車を付け、線路内に侵入し、線路内からアパートに入るシーンがある[1]。他に鬼子母神神社境内でも毬子(仙道)、大原健雄(織田)参加で撮影が行われた[1]。1995年の『東京兄妹』では緒形直人も鬼子母神神社境内の駄菓子屋「上川口屋」でキャラメルを買うシーンがあり[1]、鬼子母神で暮らす設定[1]。父親・緒形拳主演の1979年『復讐するは我にあり』も一部鬼子母神で撮影されており[1]、緒形ファミリーは鬼子母神に縁がある[1]

作品の評価

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  • 「空前の売り手市場」と言われた時期の新卒大学生を描いているが、本作の公開時点では既にバブル景気は崩壊していた。現実の世界においては前年比で求人数が大幅に下落しており、同年(1991年度)の新卒の就職戦線は、この映画の中のような状況とは大幅にかけ離れたものであった。
  • 第15回日本アカデミー賞にて和久井映見が本作と「息子 (映画)」で最優秀助演女優賞を受賞。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 田沼雄一『続・映画を旅する [復讐するは我にあり] [就職戦線異状なし] ー東京都・鬼子母神ー』小学館〈小学館ライブラリー101〉、1997年12月20日、89–96,250頁。ISBN 9784094601015 (『キネマ旬報』1997年5月下旬号が初出)

関連項目

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外部リンク

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