安芸路ライナー
安芸路ライナー | |
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概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 快速列車 |
現況 | 運転中 |
地域 | 広島県・山口県[注 1] |
運行開始 | 1999年2月7日(愛称無しでの設定は1996年3月16日) |
運営者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
路線 | |
起点 | 広島駅 |
終点 | 広駅 |
営業距離 | 33.2 km (20.6 mi)(広島 - 広間) |
使用路線 | JR西日本:山陽本線・呉線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 普通車自由席 |
技術 | |
車両 |
227系電車 (下関総合車両所広島支所) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500 V |
最高速度 | 110 km/h |
ルート番号 |
(広島 - 海田市間) (海田市 - 広間) |
安芸路ライナー(あきじらいなー)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が山陽本線および呉線で運行する快速列車である。列車名を称するのは広島駅 - 広駅間であり、それ以外の区間に直通する場合は列車名のない普通列車となる。
本記事では、同区間で朝の広島方面のみ運行される通勤ライナー(つうきんらいなー)や、かつて呉線で運行された列車名のない快速列車についても述べる。
概要
[編集]呉線の快速列車は、電化が完成した直後の1970年10月1日ダイヤ改正から運転されていた[1]が、シティ電車の導入で普通列車が増発され、1985年3月14日ダイヤ改正で一旦全廃された[2]。(詳細は呉線#歴史を参照)
国鉄分割民営化後もしばらくの間、普通列車のみの運転であったが、1996年3月16日ダイヤ改正で快速列車が復活した[3]。
当初は単に「快速」として案内されていたが、一般公募で決定された「安芸路ライナー」という愛称を1999年2月7日ダイヤ改正から使用開始した。ただし、広島支社発行の時刻表に愛称が掲載される程度であった。後に愛称から列車名に変更され、全国版の時刻表に記載されるようになった[注 2]。2004年10月15日ダイヤ改正で日中の列車の停車駅が追加されたことに伴い、朝夕の列車は「通勤ライナー」となった。その後「通勤ライナー」から「安芸路ライナー」への変更が進み、2017年3月4日ダイヤ改正で「通勤ライナー」は朝の広島方面のみの運行となった。
快速運転区間は広島駅 - 呉駅のみで、呉駅 - 広駅間では各駅に停車する。「安芸路ライナー」のすべての列車、「通勤ライナー」の一部の列車は広島駅・広駅で列車名のない普通列車に変更し、最長で糸崎駅・南岩国駅・梅林駅まで直通する(「通勤ライナー」は一部広島駅から「シティライナー」に列車名を変更する)。
日中に227系3両で運転される列車はワンマン運転を行うが、車内に料金収受設備は無い、いわゆる都市型ワンマン列車である。一方、夕方・夜に運転される列車は、編成両数に係わらず全列車に車掌が乗務する。また、山陽本線や可部線に直通する電車や、それらを始発とした電車にも、車掌が乗務する。
行き違い列車を待ち合わせるため、運転停車を行う列車がある。また、快速運転区間において途中先行する普通列車を追い越さない(広駅行きの一部は呉駅で先行の普通列車を追い越す)。このため、広島駅 - 呉駅間の「安芸路ライナー」と普通列車の所要時間の差は10分程度である。「通勤ライナー」の所要時間は、「安芸路ライナー」よりも数分短い。
全区間で、高速路線バスクレアラインと競合する。
使用車両
[編集]- 227系3両ならびに2両×2編成の4両
過去に使用された車両(2019年3月まで)
[編集]運行時間・本数
[編集]日中は30分間隔、夕方は平日に下りが1本、土休日に下りが60分間隔、上りが30分~40分間隔で運行され、広島駅 - 呉駅を最速30分で結ぶ。
停車駅
[編集]- 安芸路ライナー
広島駅 - 海田市駅 - 矢野駅 - 坂駅 - 吉浦駅 - 呉駅 - 安芸阿賀駅 - 新広駅 - 広駅
- 通勤ライナー
広島駅 - 矢野駅 - 呉駅 - 安芸阿賀駅 - 新広駅 - 広駅
停車駅の変遷(国鉄分割民営化後) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●:停車、▲安芸路ライナーのみ停車、―:通過、/:未開業 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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沿革
[編集]- 1970年(昭和45年)10月1日:ダイヤ改正により、広駅 - 広島駅間が快速となる列車運転開始。停車駅は、広駅・呉駅・海田市駅・広島駅[1]。
- 1972年(昭和47年)3月15日:ダイヤ改正により、糸崎駅 - 呉駅間が快速となる列車運転開始。停車駅は、糸崎駅・三原駅・忠海駅・竹原駅・安芸津駅・安浦駅・安芸川尻駅・仁方駅・広駅・呉駅[注 3]。また、広駅 - 広島駅間快速の列車は呉駅 - 広島駅間快速に変更[6]。
- 1978年(昭和53年)10月2日:ゴーサントオのダイヤ改正。快速の停車駅に安芸幸崎駅・安芸阿賀駅を追加[7]。
- 1980年(昭和55年)10月1日:ダイヤ改正により、快速の停車駅に向洋駅を追加。糸崎駅 - 呉駅間快速の列車は廃止[8]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:ダイヤ改正により、快速列車が削減される[9]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:ダイヤ改正により、呉駅 - 広島駅間の快速が全廃される[2]。
- 1996年(平成8年)3月16日:ダイヤ改正により、11年ぶりに快速が復活。呉駅 - 広島駅間ノンストップ。10時台から17時台(広島駅発着基準)の毎時1本運転[3]。
- 1999年(平成11年)2月7日:ダイヤ改正により、「安芸路ライナー」の愛称を使用開始。朝ラッシュ時下り4本、夕ラッシュ時上り3本を新設し、ラッシュ時にも運転を開始[4]。
- 2002年(平成14年)3月23日:ダイヤ改正により、103系4両編成のうちサハを抜いた3両編成3編成を使用したワンマン運転を開始[10]。同日開業した新広駅に新規停車[11]。
- 2003年(平成17年)10月1日:ダイヤ改正により、9時台と20時台に上り列車を計3本増発[12]。
- 2004年(平成16年)10月16日:ダイヤ改正により、日中の快速のみ天神川駅・矢野駅・坂駅に新規停車となり、毎時2本運転となる。また、一部列車の4両編成ツーマン運転が復活。なお、引き続き呉駅 - 広島駅間ノンストップ運転をする朝夕ラッシュ時の快速は、「通勤ライナー」に愛称を変更[13][14]。
- 2005年(平成17年)10月1日:ダイヤ改正により、通勤ライナーの停車駅に矢野駅を追加。
- 2010年(平成22年)3月13日:ダイヤ改正により、上下各2本が減便され一部時間帯が毎時1本運転となる[15][16]。
- 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正により、安芸路ライナーは海田市駅・吉浦駅に新規停車となり、天神川駅は通過駅に戻る。2年ぶりに完全毎時2本運転に戻る[17][18]。
- 2015年(平成27年)3月14日:ダイヤ改正により、227系による運転が開始され、103系による運転は終了となる[19]。
- 2016年(平成28年)3月26日:ダイヤ改正により、土休日の「通勤ライナー」を、午前中の下りを除いて「安芸路ライナー」に変更し、運行時間帯を夜まで拡大[20]。
- 2017年(平成29年)3月4日:ダイヤ改正により、平日夕方上りの「通勤ライナー」と一部の普通列車を「安芸路ライナー」に変更して増発し、運行時間帯を21時台まで拡大。平日・土休日ともに9時以降の快速列車は「安芸路ライナー」に統一[21]。
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)3月16日:ダイヤ改正を実施。平日と土休日のダイヤが統一され、正式に土休日も下り9時台・17時台・18時台(広駅基準)の運転が廃止され、上り21時台(広島駅基準)に増発[25][26]。
- 2020年(令和2年)3月14日:ダイヤ改正を実施。再度平日と土休日のダイヤが分離され、土休日は下り9時台・17時台・18時台(広駅基準)の運転が再開され、上り21時台(広島駅基準)は廃止。豪雨災害前の運行形態に戻る[27]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1970年10月号、p136-137
- ^ a b 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1985年3月号、p188-189
- ^ a b 『JR時刻表』1996年3月号、p350-351
- ^ a b 『JR時刻表』1999年2月号、JRニュース㊺-㊼。『JTB時刻表』1999年2月号、p338-340。ほか
- ^ 『JR時刻表』2001年3月号、p380-382
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1972年3月号、p147-148
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1978年10月号、p148-149
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1980年10月号、p160-161
- ^ 『国鉄監修 交通公社の時刻表』1984年3月号、p178-179
- ^ 「RAILWAY TOPICS」『鉄道ジャーナル』第36巻第4号、鉄道ジャーナル社、2002年4月1日、96頁。
- ^ 『JR時刻表』2002年4月号、p386-389
- ^ 『JR時刻表』2003年10月号、p386-389
- ^ 『平成16年秋のダイヤ改正』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2004年7月23日。オリジナルの2004年11月4日時点におけるアーカイブ 。
- ^ 『JR時刻表』2004年10月号、p390-392
- ^ 『平成22年春ダイヤ改正について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2009年12月18日。オリジナルの2010年3月5日時点におけるアーカイブ 。
- ^ 『JR時刻表』2010年3月号、p390-392
- ^ 『平成24年春のダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道広島支社、2011年12月16日 。2016年12月19日閲覧。
- ^ 『JR時刻表』2012年3月号、p392-394
- ^ 『平成27年春のダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道広島支社、2014年12月19日 。2016年12月19日閲覧。
- ^ 『平成28年春のダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道広島支社、2015年12月18日 。2016年12月19日閲覧。
- ^ 『平成29年春のダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道広島支社、2016年12月16日 。2016年12月19日閲覧。
- ^ “平成30年台風第7号及び前線等による被害状況等について(第7報)” (PDF). 国土交通省 (2018年7月7日). 2018年12月2日閲覧。
- ^ “9月9日以降の広島地区の運転状況について(呉線)”. JR西日本 (2018年9月4日). 2018年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月2日閲覧。
- ^ 『JR時刻表』2019年2月号、p380-384
- ^ 『2019年春のダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道広島支社、2018年12月14日 。2019年3月31日閲覧。
- ^ 『JR時刻表』2019年3月号、p380-384
- ^ 『JR時刻表』2020年3月号、p382-386