宇津救命丸
表示
宇津救命丸(うづきゅうめいがん)は、栃木県塩谷郡高根沢町に本社を置く宇津救命丸株式会社が製造・販売する乳幼児用の医薬品であり、かんの虫、夜泣き、下痢をはじめとする消化器系の不調などに効果がある。主成分に8種類の生薬を使用している。
概要
[編集]慶長2年10月13日(1597年11月22日)、初代宇津権右衛門が「宇津の秘薬」として下野国(栃木県)に帰農した頃に創製したのが始まりであり、現在の名称は昭和6年(1931年)より使用されている。かつては『金匱救命丸』と称した[1]。また、古くは大人向けの救急薬として使われており、特に道中薬として旅籠などでも売られ、印籠に入れて持ち歩いた[1]。
乳幼児用医薬品の勢力分布
[編集]宇津救命丸は主に東日本ではよく知られているが、西日本ではあまり知名度がなく、代わりに樋屋奇応丸の方が有名である。
双方とも商標であるが、それぞれの地域では乳幼児用医薬品の代名詞となっており、東西の文化の違いを示すひとつの例となっている(毎日新聞2006年9月20日付東京朝刊)。これはテレビCMの影響も大きく、東日本では東京の会社の製品である宇津救命丸が、西日本では大阪市の会社の製品である樋屋奇応丸のCMがオンエアされており、その逆はない(関東地区では樋屋奇応丸のCMが1980年代にテレビ東京を通じてオンエアされていた)。
そのため、東京の人が大阪の人に対して「宇津救命丸」と言っても理解されないことがほとんどである。逆に、関西ではポピュラーな樋屋奇応丸のCMソングは東京の人にはなじみがなく、知っているとしたら関西、ないしは西日本在住経験のある人である場合が多い。
脚注
[編集]- ^ a b 東京都薬剤師会・北多摩支部 おくすり博物館 ジェネリック(GE)篇(その5)2012年8月25日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 宇津救命丸の歴史 – 宇津救命丸株式会社 | 子育てに、もっと、笑顔を。
- 宇津善博, 第6回 宇津救命丸」『ファルマシア』 49巻 4号 2013年 p.320-321, 日本薬学会, doi:10.14894/faruawpsj.49.4_320