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婁叡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

婁 叡(ろう えい、? - 570年)は、北魏末から北斉にかけての軍人。北斉の外戚は仏仁[1][2][3]本貫太安郡狄那県[4][5]婁昭君(武明婁皇后)の兄の子にあたる。

経歴

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北魏の南部尚書の婁抜(婁壮)の子として生まれた。若くして弓射や乗馬を好み、高歓の下で帳内都督をつとめた[1][2][6]中興2年(532年)、高歓が韓陵で爾朱氏を破る(韓陵の戦い)と、婁叡は開府儀同・驃騎大将軍となった[7]。掖県子に封じられ、光州刺史に累進した。任地にあって収奪をほしいままにして高澄の叱責を受けた。後に九門県公に封じられた。北斉が建国されると、領軍将軍の位を受け、安定侯の別封を受けた。瀛州刺史となったが、醜行は改まらなかった[1][2][8]天保7年(556年)4月、魯陽蛮を討って撃破した[9][10][11]皇建元年(560年)、東安王に封じられ、豊州刺史に任じられた[1][2][4]大寧元年(561年)11月、司空となった[12][13][14]河清元年(562年)7月、高帰彦冀州で反乱を起こすと、婁叡は反乱の鎮圧にあたった。帰還すると、司徒公に任じられた[15][16][17]。河清3年(564年)、殺人の罪で尚書左丞の宋仲羨の弾劾を受けたが、赦免された。5月、太尉となった[18][19][20]。11月、北周軍を軹関で撃破し、北周の将軍の楊𢷋らを捕らえた[18][21][22]大司馬となり、軍を率いて懸瓠におもむき、豫州の境に100日あまりとどまった。河清4年(565年)4月、法を犯して免官された[23][24][25]天統元年(565年)4月、太尉として再起した[26][27][28]。天統2年(566年)10月、再び大司馬となった[29][30][31]。天統3年(567年)8月、太傅となった[32][33][34]武平元年(570年)2月5日、死去した[35]。右丞相・朔州刺史の位を追贈された。は武恭王といった[36]

子女

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脚注

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  1. ^ a b c d 氣賀澤 2021, p. 193.
  2. ^ a b c d e 北斉書 1972, p. 197.
  3. ^ 北史 1974, p. 1955.
  4. ^ a b 趙 2008, p. 441.
  5. ^ 墓誌による。『北斉書』と『北史』の婁昭伝では、代郡平城の人とする。
  6. ^ 北史 1974, p. 1955-1956.
  7. ^ 北斉書 1972, p. 666.
  8. ^ a b 北史 1974, p. 1956.
  9. ^ 氣賀澤 2021, p. 91.
  10. ^ 北斉書 1972, p. 61.
  11. ^ 北史 1974, p. 253.
  12. ^ 氣賀澤 2021, p. 117.
  13. ^ 北斉書 1972, p. 90.
  14. ^ 北史 1974, p. 282.
  15. ^ 氣賀澤 2021, pp. 118–119.
  16. ^ 北斉書 1972, p. 91.
  17. ^ 北史 1974, pp. 282–283.
  18. ^ a b 氣賀澤 2021, p. 121.
  19. ^ 北斉書 1972, pp. 92–93.
  20. ^ 北史 1974, p. 284.
  21. ^ 北斉書 1972, p. 93.
  22. ^ 北史 1974, p. 285.
  23. ^ 氣賀澤 2021, p. 123.
  24. ^ 北斉書 1972, p. 94.
  25. ^ 北史 1974, p. 286.
  26. ^ 氣賀澤 2021, p. 124.
  27. ^ 北斉書 1972, p. 97.
  28. ^ 北史 1974, p. 287.
  29. ^ 氣賀澤 2021, p. 125.
  30. ^ 北斉書 1972, p. 99.
  31. ^ 北史 1974, p. 288.
  32. ^ 氣賀澤 2021, p. 127.
  33. ^ 北斉書 1972, p. 100.
  34. ^ 北史 1974, p. 289.
  35. ^ 趙 2008, pp. 441–442.
  36. ^ 趙 2008, p. 442.
  37. ^ 氣賀澤 2021, p. 194.

伝記資料

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  • 北斉書』巻15 列伝第7
  • 『北斉書』巻48 列伝第40
  • 北史』巻80 列伝第68
  • 斉故仮黄鉞右丞相東安婁王墓誌之銘(婁叡墓誌)

参考文献

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  • 氣賀澤保規『中国史書入門 現代語訳北斉書』勉誠出版、2021年。ISBN 978-4-585-29612-6 
  • 『北斉書』中華書局、1972年。ISBN 7-101-00314-1 
  • 『北史』中華書局、1974年。ISBN 7-101-00318-4 
  • 趙超『漢魏南北朝墓誌彙編』天津古籍出版社、2008年。ISBN 978-7-80696-503-0