大田広域市
略称: Daejeon;대전;テジョン | |
大田広域市の旗 | |
大田広域市の紋章 | |
位置 | |
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地図 | |
各種表記 | |
ハングル: | 대전광역시 |
漢字: | 大田廣域市 |
日本語読み仮名: | たいでんこういきし |
片仮名転写: | テジョン=グァンヨクシ |
ローマ字転写 (RR): | Daejeon-Gwangyeoksi |
英語表記: | Daejeon Metropolitan City |
統計(2023年) | |
面積: | 540.1 km2 |
総人口: | 1,442,216[1] 人 |
男子人口: | 719,292 人 |
女子人口: | 722,924 人 |
人口密度: | 2,670 人/km2 |
世帯数: | 680,261 世帯 |
行政 | |
国: | 大韓民国 |
下位行政区画: | 5区 |
ISO 3166-2: | KR-30 |
行政区域分類コード: | 25 |
大田広域市の木: | マツ |
大田広域市の花: | モクレン |
大田広域市の鳥: | カササギ |
自治体公式サイト: | 大田広域市 |
大田広域市(テジョンこういきし、韓: 대전광역시; 英: Daejeon Metropolitan City)は、大韓民国中西部に位置する広域市(忠清道地方)。
人口規模は大韓民国の都市の中で5位。首都圏ではない広域市の中でソウル特別市と最も近いため、多くの研究機関と政府機関が多く位置している地域で、地域住民の中では研究員と公務員の割合がかなり高い。
概説
[編集]大田国際博覧会が1993年に開催されたほか、市内の儒城区にハイテク団地「大徳研究団地」を有するなど科学技術都市として知られる。1973年に研究学園団地として指定された大徳研究団地は、韓国科学技術院(KAIST)や韓国電子通信研究院(ETRI)など政府・民間の研究所100以上が集中しており、原子力や宇宙開発、生命工学などの研究を行っている。また特許庁や統計庁など首都機能の一部が大田に分散されており、韓国水資源公社 (K-WATER) の本社と韓国鉄道公社(KORAIL)の本社も置かれている。
日本とはかなり関係の深い地域で、1904年鉄道が建設されてから発展し始めた。1910年と1925年当時に行われた人口調査では、地域住民の半分以上が日本人で、特に名古屋出身者が多く居住していたことが分かった[要出典]。これらの影響は今なお残っている。大田の組分けゲームの名前は「우에시다리(ウエシダリ)」で、日本語の「上」と「下」から来ていると推測されている[要出典]。
行政
[編集]- 歴代市長については大田広域市長を参照。
- 出典:“大田広域市選挙管理委員会ホームページ”を参照(2023年12月9日閲覧)。
読みは大韓民国の地方行政区画参照
歴史
[編集]古来より近郊の儒城温泉が知られていたが大きな町はなく、公州所属の農村地帯に過ぎなかった。ゆえにこの地域を「大きな田畑」を意味する固有語でハンバッ(한밭、Hanbat)と曖昧に指し示していた。日本統治下の自治体統廃合の際に「大田」と漢字が当てられ、さらに京釜線・湖南線などが開通して交通の要衝となり急速に発展、大きな都市となった。
- 古代 - 百済の雨述郡・真峴県・奴斯只県・所比浦県
- 統一新羅時代 - 比豊郡・鎮嶺県・儒城県・赤鳥県
- 高麗時代 - 公州牧の懐徳県・鎮岑県・儒城県・徳津県
- 李氏朝鮮時代 - 忠清道懐徳郡・鎮岑郡
- 1914年
- 1926年3月1日 - 外南面の一部(外川里・蘇堤里の各一部および大洞里・新大里・連孝里)を編入。
- 1928年6月20日 - 大田駅新築落成式
- 1931年4月1日 - 大田面が大田邑に昇格。[3]
- 1934年 - 上水道供給
- 1935年10月1日 - 大田郡大田邑が大田府に昇格。大田郡は大徳郡に改称。
- 1939年 - 大田 - ソウル間の複線列車運行開始
- 1940年11月1日 - 大徳郡外南面・柳川面の各一部を編入。
- 1949年 - 大田府が大田市に改称。
- 1963年1月1日 - 大徳郡柳川面および懐徳面・山内面の各一部を編入。
- 1977年 - 東区・中区を設置。(2区)
- 1983年2月15日 (2区)
- 大徳郡儒城邑および九則面・炭洞面・杞城面・鎮岑面の各一部が中区に編入。
- 大徳郡懐徳面が東区に編入。
- 1987年 - 大徳郡鎮岑面の一部が東区に編入。(2区)
- 1988年1月1日 - 中区の一部が西区として分離。(3区)
- 1989年1月1日 - 忠清南道大田市が大田直轄市に昇格。(5区)
- 1993年 - 大田国際博覧会を開催。
- 1995年 - 大田直轄市が大田広域市に改称。(5区)
- 2004年 - KTX(韓国高速鉄道)開業。
軍事
[編集]儒城区の紫雲台には教育司令部や陸海空各軍の大学があるほか、周囲に国防科学研究所、軍需司令部が集中する。鶏竜台(陸海空三軍統合本部)のある鶏龍市は儒城区に隣接する。
経済
[編集]産業構造別比重はサービス業が76.6%を占め、製造業18.2%、建設業3.9%、電気・ガス・蒸気・水道事業1.1%、農林漁業0.1%。製造業の割合は2010年16.5%、2011年17.9%、2012年18.2%と増加の傾向にある。
交通
[編集]空港
[編集]市内に空港はないが、清州国際空港が忠清北道清州市(旧清原郡)にあり、韓国の時刻表では「清州/大田」と表記されている。
鉄道
[編集]- 韓国鉄道公社(KORAIL)
- 大田広域市都市鉄道公社
大田駅にはKTX・SRTおよび東大邱駅・釜山駅方面のITX-セマウル・ムグンファ号が、西大田駅には一部の湖南高速鉄道の列車および湖南線・全羅線方面へのITX-セマウル・ムグンファ号が停車する。忠北線・清州駅方面の列車の多くも大田駅を始発駅としている。
この他、市内には韓国鉄道公社の大田操車場があり、京釜線と湖南線の分岐点となっている。大田線は旅客列車の運行を行っていない。
バス
[編集]高速道路
[編集]- 京釜高速道路(1号線)
- 飛龍ジャンクション - 大田インターチェンジ - 懐徳ジャンクション - 新灘津サービスエリア(ソウル方向のみ) - 新灘津インターチェンジ
- 統営-大田・中部高速道路(35号線)
- 南大田インターチェンジ - 山内ジャンクション
- 唐津-盈徳高速道路 (30号線)
- 湖南高速道路支線(251号線)
- 西大田ジャンクション - 儒城インターチェンジ - 北大田インターチェンジ - 懐徳ジャンクション
- 大田南部循環高速道路(300号線)(当該記事参考)
- 川辺都市高速化道路(当該記事参考)
国道
[編集]気候
[編集]ケッペンの気候区分では温帯夏雨気候に属する。内陸である為、寒暖の差が激しい大陸性気候となる。夏は暑く、冬は緯度の割りに寒さが厳しい。最高気温極値は39.4℃(2018年8月15日)、最低気温極値は-19.0℃(1969年2月6日)、過去最深積雪は49.0cm(2004年3月5日)である。
大田広域市(大田地方気象庁)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 16.6 (61.9) |
22.6 (72.7) |
26.1 (79) |
30.4 (86.7) |
33.3 (91.9) |
35.7 (96.3) |
37.7 (99.9) |
39.4 (102.9) |
33.2 (91.8) |
31.2 (88.2) |
25.5 (77.9) |
18.4 (65.1) |
39.4 (102.9) |
平均最高気温 °C (°F) | 4.1 (39.4) |
7.0 (44.6) |
12.7 (54.9) |
19.4 (66.9) |
24.5 (76.1) |
27.9 (82.2) |
29.6 (85.3) |
30.3 (86.5) |
26.3 (79.3) |
20.8 (69.4) |
13.5 (56.3) |
6.2 (43.2) |
18.5 (65.3) |
日平均気温 °C (°F) | −1.0 (30.2) |
1.4 (34.5) |
6.6 (43.9) |
13.0 (55.4) |
18.5 (65.3) |
22.7 (72.9) |
25.5 (77.9) |
26.0 (78.8) |
21.2 (70.2) |
14.6 (58.3) |
7.7 (45.9) |
1.0 (33.8) |
13.1 (55.6) |
平均最低気温 °C (°F) | −5.5 (22.1) |
−3.6 (25.5) |
1.1 (34) |
6.9 (44.4) |
12.8 (55) |
18.1 (64.6) |
22.2 (72) |
22.5 (72.5) |
17.0 (62.6) |
9.4 (48.9) |
2.8 (37) |
−3.4 (25.9) |
8.4 (47.1) |
最低気温記録 °C (°F) | −18.6 (−1.5) |
−19.0 (−2.2) |
−10.7 (12.7) |
−2.9 (26.8) |
3.1 (37.6) |
8.1 (46.6) |
13.0 (55.4) |
12.3 (54.1) |
4.2 (39.6) |
−2.9 (26.8) |
−11.4 (11.5) |
−17.7 (0.1) |
−19.0 (−2.2) |
降水量 mm (inch) | 25.5 (1.004) |
37.2 (1.465) |
51.6 (2.031) |
81.6 (3.213) |
91.8 (3.614) |
167.3 (6.587) |
306.9 (12.083) |
299.8 (11.803) |
152.5 (6.004) |
59.3 (2.335) |
48.0 (1.89) |
29.7 (1.169) |
1,351.2 (53.197) |
平均降水日数 (≥0.1 mm) | 8.0 | 7.0 | 8.3 | 8.3 | 8.2 | 9.9 | 16.4 | 14.8 | 9.1 | 6.1 | 8.5 | 9.3 | 113.9 |
平均降雪日数 | 9.8 | 6.0 | 2.8 | 0.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.1 | 2.1 | 7.9 | 28.9 |
% 湿度 | 65.3 | 60.3 | 57.9 | 56.9 | 62.4 | 69.8 | 79.1 | 78.2 | 75.3 | 71.8 | 69.3 | 67.9 | 67.9 |
平均月間日照時間 | 168.2 | 176.2 | 207.7 | 220.5 | 239.8 | 198.5 | 155.5 | 177.0 | 180.3 | 205.1 | 162.4 | 162.5 | 2,253.7 |
出典:韓国気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1969年-現在)[4][5] |
教育
[編集]大学
[編集]- 国立
- 韓国科学技術院 (KAIST)
- 忠南(チュンナム)大学校
- ハンバッ大学校
- 私立
- 韓国情報通信大学校(第三セクター形式)
- 大田(テジョン)大学校
- 又松(ウソン)大学校
- 培材(ペジェ)大学校
- 牧園(モグォン)大学校
- 韓南(ハンナム)大学校
高等学校
[編集]研究施設
[編集]観光
[編集]- 儒城温泉(ユソン温泉)
- 国立中央科学館:「自然と人間と科学の調和」がテーマの産業、技術、自然史、科学技術史などに関する博物館[6]。1926年ソウルに開業した国立科学博物館を移転・拡大したもの。正式にはこちらが本部で、ソウルが分館にあたる。リニアモーターカーが運行されている[7]。
- エキスポ科学公園:1993年の大田国際博覧会跡地。
- アクアワールド水族館
- オーワールド
- 鶏足山ファントッキル:「黄土の道」と呼ばれるハイキングコース。
- 大清湖
- 大田トゥルレサンキル:市内・周囲のハイキングコース。
- 同春堂:李氏朝鮮時代の官吏・儒学者の宋浚吉の別荘。大韓民国指定宝物。
- 大田文化芸術の殿堂
- 大田市立美術館
- 李應魯美術館
- 現代ギャラリー
スポーツ
[編集]種目 | チーム名 | 創立年度 | ホーム競技場 |
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KBOリーグ | ハンファ・イーグルス | 1985年 | 大田ハンバッ運動場野球場 |
Kリーグ | 大田シチズン | 1997年 | 大田ワールドカップ競技場 |
WKリーグ | 大田スポーツTOTO | 2011年 | 大田ハンバッ運動場補助競技場 |
Vリーグ男子 | 大田三星火災ブルーファングス | 1995年 | 忠武体育館 |
Vリーグ女子 | 大田正官庄レッドスパークス | 1988年 | 忠武体育館 |
メディア
[編集]姉妹都市
[編集]- 大田市、日本 1987年
- シアトル、アメリカ合衆国 1989年
- ブダペスト、ハンガリー 1994年
- 南京市、中国 1994年
- カルガリー、カナダ 1996年
- グアダラハラ、メキシコ 1997年
- ウプサラ、スウェーデン 1999年
- ノヴォシビルスク、ロシア 2001年
- ブリスベン、オーストラリア 2002年
- ビンズオン省、ベトナム 2005年
- 無錫市、中国 2006年
- 札幌市、日本 2010年10月22日
- ダーバン、南アフリカ共和国 2011年
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “주민등록 인구통계 - 행정안전부”. 行政安全部. 2024年1月2日閲覧。
- ^ 朝鮮総督府令第111号(1913年12月29日)
- ^ 朝鮮総督府令第103号(1930年12月29日)
- ^ “우리나라 기후평년값(1991~2020) 대전(133)”. 韓国気象庁. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “순위값 - 구역별조회 대전(133)”. 韓国気象庁. 2021年10月2日閲覧。
- ^ “国立中央科学館”. 韓国観光公社. 2020年6月15日閲覧。
- ^ “国立中央科学館(大田)リニアモーターカー”. 2427junction.com. 2020年6月15日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 公式
- その他
- 大田 (韓国) - ウィキトラベル
- 大田広域市に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 地図 - Google マップ