夢分けの船
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『夢分けの船』(ゆめわけのふね)は、津原泰水の小説。河出書房Webマガジンにおいて2008年より連載されていたが翌年中断。
2016年から2020年にかけて、既発表部分も改稿の上、河出書房「文藝」にて連載された。
概要
[編集]舞台は現代であるが、意図的に明治期を意識した文体が用いられている。主に参考とされているのは夏目漱石。 著者は「青春を描くには現代文学の青春時代(=明治)の文体が合っているのではないか、それは21世紀の青春とも化学反応を起こしてくれるのではないか、というのがそもそもの執筆の動機」と語っている[2]。
Web版のタイトルバナーには横山孝一による写真が使われている。 被写体となっている絵里子は金子國義の写真集『お遊戯』の表紙の被写体となった人物である[3]。
あらすじ
[編集]22歳の秋野修文は、音楽に携わるという夢を捨てきれずに職を辞して上京、専門学校に入学する。 学校で斡旋され入居したその部屋には、以前の住人である久世花音の幽霊が出るという。
登場人物
[編集]- 秋野修文(あきのよしふみ)
- 主人公。冒頭上京し、樅ノ木音楽学校の作曲科に入学。風月荘704号室に入居。
- 嘉山(かやま)/岡山
- 主人公の樅ノ木音楽学校での先輩。岡山出身であることから、主人公は「岡山」と綽名している。バンド「ストーレンハッツ」主催。ボーカル。
- 霞(かすみ)
- 風月荘の住人。風俗嬢。
- 久世花音(くぜかのん)
- 故人。元樅ノ木音楽学校ピアノ科生。風月荘704号室の元入居者。
- 久世夕子(くぜゆうこ)
- 主人公のアルバイト先「エッジ」の店主。久世花音の姉。
脚注
[編集]- ^ “著者ツイッターアカウント2018年9月27日投稿”. 2019年8月29日閲覧。
- ^ “著者ツイッターアカウント2018年9月27日投稿”. 2019年8月29日閲覧。
- ^ “著者ブログ「ラヂオデパートと私」2007/9/29投稿”. 2019年8月29日閲覧。