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夏堀正元

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夏堀 正元(なつぼり まさもと、1925年1月30日 - 1999年1月4日)は、日本小説家

人物・来歴

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1925年、北海道小樽市において、小樽地方裁判所の判事を務めていた夏堀悌二郎(のちに北海道会議員、公選初代の八戸市長)の子として生まれる。1939年に父の郷里青森県に移る。1941年に中央大学予科に入学、1944年に旧制早稲田大学国文科に入学する。学徒出陣し、戦後大学に戻るが、1950年に中退する。北海道新聞社に入社、1954年に退社し、1956年に「呪文脱出」を『新潮』に発表し、作家として立つ。1960年に下山事件に取材した長編小説『罠』を刊行、評価される。1965年より同人誌『層』を5年間運営、黒井千次井出孫六色川武大などが加わった。

近現代史を舞台として、反体制的な、民衆中心の思想を描いたものが多い。

矢野誠一は従兄弟[1]

著書

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  • 『サラリーマン』(小田三月共著 三一新書 1959年)
  • 『罠』(光文社 カッパ・ノベルス)1960 のち徳間文庫
  • 『愛の傷み』(光文社(カッパ・ノベルス)1961 のち徳間文庫)
  • 『鎖の園』(新潮社(ポケット・ライブラリー)1963 のち徳間文庫)
  • 『現代の悪女』(アサヒ芸能出版(平和新書)1963)
  • 『蝕まれた愛』(集英社 1963年)
  • 『よくもわるくも日本人 13人のマスコミ花形旗手たち』(協同企画出版部 1967年)
  • 『転落の裸形』(スポーツニッポン新聞社 1969年)
  • 『孤独の弾道』(日本文華社(文華新書)1969)
  • 『醜聞家族』(ベストセラーズ 1971年 のち徳間文庫)
  • 『幻の北海道共和国』 (講談社 1972年 のち旺文社文庫
  • 『無冠の旗』(河出書房新社 1973年 のち文庫)
  • 『霧笛の街』(実業之日本社 1973年 のち旺文社文庫)
  • 『豚とミサイル』(立風書房 1973年)
  • 『青年の階段』(中央公論社 1973年 のち文庫)
  • 『眼-わが純粋観客』(おりじん書房 1974年)
  • 『憂国少年』(河出書房新社 1975年)
  • 『変らぬ街』(東邦出版 1975年 のち福武文庫
  • 『北に燃える』(講談社 1975年 のち集英社文庫
  • 『北の墓標 小説郡司大尉』(文藝春秋 1975年 のち中公文庫
  • 『もう一つの維新』(東邦出版社 1975年 のち文春文庫
  • 『花炎の人』(双葉社 1975年 のち徳間文庫)
  • 『銀座化粧館 小説資生堂』(日本経済新聞社 1976年 のち徳間文庫)
  • 『海鳴りの街』(講談社 1976年 のち文庫)
  • 『死に急ぐ人びと』(青樹社 1977年)
  • 『竜を見た』(光文社 1977年 のち徳間文庫)
  • 『風を視た女たち』(青樹社 1978年)
  • 『青春の鎖』(現代史出版会 1978年 のち旺文社文庫)
  • 『海猫の襲う日』(新潮社 1978年 のち徳間文庫)
  • 『都市を射ぬく』(光文社 1978年 「熱血商人二代記」徳間文庫)
  • 『腐蝕列島』(青樹社 1978年)
  • 『終身社長室』(光文社 1978年 のち徳間文庫)
  • 『とんからりん 小説文明開化』(光文社 1979年)
  • 『風来の人 小説・高田保』(文藝春秋 1979年 のち文庫)
  • 『告発者』(桃源社 1980年)
  • 『反骨』(実業之日本社 1980年 「日本反骨者列伝」徳間文庫)
  • 『奔流の人』(潮出版社 1981年)
  • 『殺意の肖像』(講談社 1981年 のち旺文社文庫)
  • 『殺人協定』(作品社 1981年 のち広済堂文庫
  • 『さらば追跡者よ』(光文社 1982年 のち文庫)
  • 『墓場なき死者』(光風社出版 1983年)
  • 『摩天楼-消えた商社』(日本経済新聞社 1983年 のち光文社文庫
  • 『木製の飛行機』(実業之日本社 1984年 「花と銃口」広済堂文庫)
  • 『永遠の夫よ』(光風社出版 1984年)
  • 『棘のある果実』(光文社 1984年 のち徳間文庫)
  • 『愛と別れの街』(講談社 1984年)
  • 『人間の岬 あるヤンシュウ伝』(新潮社 1986年)
  • 『貸しだされた夫』(中央公論社 1987年 のち徳間文庫)
  • 『手榴弾を持つ少年』(実業之日本社 1987年)
  • 『勲章幻影 小説大津事件』(中央公論社 1988年 のち文庫)
  • 『僧衣を着た密使』(実業之日本社 1991年)
  • 『明治の北海道』(岩波ブックレット 1992年)
  • 『目覚めし人ありて 小説中江兆民』(新人物往来社 1992年)
  • 『小樽の反逆 小樽高商軍事教練事件』(岩波書店 1993年)
  • 『非国民の思想』(話の特集 1994年)
  • 『蝦夷国まぼろし』(光文社 1995年 のち中公文庫)
  • 『ダイヤモンド・ダスト』(双葉文庫 1995年)
  • 『渦の真空』(朝日新聞社 1997年)
  • 『裸の港市』(新潮社 1997年)
  • 『虚構の死刑台 小説幸徳秋水』(新人物往来社 1998年)

脚注

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  1. ^ 矢野誠一『荷風の誤植』(青蛙房)P.171

関連項目

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