増田義郎
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(増田昭三から転送)
人物情報 | |
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生誕 |
1928年2月17日 日本東京都 |
死没 | 2016年11月5日 (88歳没) |
出身校 | 東京大学 |
学問 | |
研究分野 | 文化人類学 |
増田 義郎(ますだ よしお、本名・増田 昭三、1928年2月17日 - 2016年11月5日[1])は、日本の文化人類学者、歴史学者(ラテンアメリカ文化史)。東京大学名誉教授。
経歴
[編集]1928年、東京生まれ。1945年3月に東京府立第六中学校(現東京都立新宿高等学校)を卒業する。 東京大学文学部に進み、英吉利文学専修に入り、1950年に卒業する。1956年11月より 東京大学教養学部専任講師。1959年7月より助教授、1971年7月より教授。1988年に定年退官し、名誉教授となる。
定年退職後も、1989年より千葉大学文学部教授、1995年より亜細亜大学国際関係学部教授を務めた。1998年から1999年3月まで同客員教授。
研究内容・研究活動
[編集]元は英文学を専攻していたが、1950年代後半からは、日本におけるラテンアメリカ史の開拓研究者となり、インカ帝国、マヤ文明のほか、大航海時代(命名者でもある)や海賊などについて厖大な数の著作と翻訳がある。また自身イベリア半島やラテンアメリカ圏に、調査紀行を多くしている。
受賞・栄典
[編集]著書
[編集]単著
[編集]- 『インカ帝国探検記――ある文化の滅亡の歴史』(中央公論社, 1961年/中公文庫, 1975年、新装版2001年、改版2017年※)
- 『古代アステカ王国――征服された黄金の国』(中央公論社[中公新書], 1963年)
- 『太陽の帝国インカ――征服者の記録による』(角川書店[角川新書], 1964年)
- 『純粋文化の条件――日本文化は衝撃にどうたえたか』(講談社現代新書, 1967年)
- 『メキシコ革命――近代化のたたかい』(中公新書, 1968年)
- 『沈黙の世界史(12) 太陽と月の神殿』(新潮社, 1969年)
- 『太陽と月の神殿――古代アメリカ文明の発見』(中公文庫, 1990年)
- 『新世界のユートピア』(研究社叢書, 1971年/中公文庫, 1989年)
- 『世界の歴史(7) インディオ文明の興亡』(講談社, 1977年)
- 『コロンブス』(岩波書店[岩波新書], 1979年)
- 『ビジュアル版 世界の歴史(13) 大航海時代』(講談社, 1984年)
- 『略奪の海カリブ――もうひとつのラテン・アメリカ史』(岩波新書, 1989年)
- 『黄金郷に憑かれた人々』(日本放送出版協会[NHKブックス], 1989年)
- 『大航海者の世界(3) マゼラン――地球をひとつにした男』(原書房, 1993年)
- 『黄金の世界史』(小学館, 1997年/講談社学術文庫, 2010年※)
- 『日本人が世界史と衝突したとき』(弓立社〈叢書日本再考〉, 1997年)
- 『物語ラテン・アメリカの歴史――未来の大陸』(中公新書, 1998年※)
- 『アステカとインカ――黄金帝国の滅亡』(小学館, 2002年/講談社学術文庫, 2020年※)
- 『太平洋――開かれた海の歴史』(集英社新書, 2004年)
- ※は電子書籍も刊
共著
[編集]- (友枝啓泰)『世界の聖域(18) 神々のアンデス』(講談社, 1982年)
- (フランクリン・ピース)『図説 インカ帝国』(小学館, 1988年)
- (柳田利夫)『ペルー 太平洋とアンデスの国――近代史と日系社会』(中央公論新社, 1999年)
- (前川輝光・高殿良博・鯉渕信一・竹内実)『アジア人の価値観』(アジア書房, 1999年)
- (吉村作治)『インカとエジプト』(岩波新書, 2002年)
- (青山和夫)『古代アメリカ文明 世界歴史の旅』(山川出版社, 2010年)
編著
[編集]- 『大系世界の美術(7)古代アメリカ美術』(学習研究社, 1973年)
- 『世界の博物館(5)メキシコ国立人類学博物館――太陽の国マヤ・アステカの文明』(講談社, 1978年)
- 『アメリカ論(2)中南米』(放送大学教育振興会, 1986年)
- 『スペイン:読んで旅する世界の歴史と文化』(新潮社, 1992年)
- 『図説 海賊』(ふくろうの本:河出書房新社, 2006年)
- 『図説 大航海時代』(ふくろうの本:河出書房新社, 2008年)
共編著
[編集]- (上田勤・大橋健三郎)『現代英米文学ハンドブック』(南雲堂, 1961年)
- 『新潮古代美術館(14) 古代アメリカの遺産』(新潮社, 1981年)- 分担解説、他は藤井龍彦・利根山光人・大江健三郎・小池祐二
- (堀内清治)『世界の建築(1) 古代オリエント・古代アメリカ』(学習研究社, 1983年)
- (染田秀藤・山田善郎)『ラテンアメリカ世界――その歴史と文化』(世界思想社, 1984年)
- (中川久定・二宮敬)『17・18世紀大旅行記叢書』(第Ⅰ期・全10巻、岩波書店, 1990-94年)
- (NHK取材班)『NHK大英博物館(6) マヤとアステカ・太陽帝国の興亡』(日本放送出版協会, 1991年)
- (島田泉)『古代アンデス美術』(岩波書店, 1991年)
- (山田睦男)『世界各国史(25) ラテン・アメリカ史Ⅰ メキシコ・中央アメリカ・カリブ海』(山川出版社, 1999年)
- 『世界各国史(26) ラテン・アメリカ史Ⅱ 南アメリカ』(山川出版社, 2000年)、編者代表
主な訳書
[編集]- 『片隅の人生 サマセット・モーム全集 第8巻』(新潮社, 1956年)
- ロザモンド・レーマン『ワルツへの招待』(三笠書房, 1956年/角川文庫, 1991年)
- アコスタ『新大陸自然文化史』(岩波書店「大航海時代叢書」上・下, 1966年)
- ゴドフリー・リーンハート『社会人類学』(長島信弘共訳、岩波書店, 1967年)
- ウィリアム・H・マクニール『世界史』(佐々木昭夫・柴田稔彦共訳、新潮社, 1971年)
- 増訂版(佐々木昭夫共訳、中央公論新社, 2001年/中公文庫(上・下), 2008年)
- ニコラス・ホーダン『神と黄金と栄光と 図説 探検の世界史3』(集英社, 1975年)
- L・G・ルンブレラス『アンデス文明――石期からインカ帝国まで』(岩波書店, 1977年)
- ハーヴェイ・ホワイト『メキシコの黄金』(晶文社, 1977年)
- シエサ・デ・レオン『インカ帝国史』(岩波書店「大航海時代叢書」, 1979年)
- 『インカ帝国史』(岩波文庫, 2006年)
- 『インカ帝国地誌』(岩波文庫, 2007年)
- フワン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』(岩波書店, 1979年/岩波文庫, 1992年)
- コルテスほか『征服者と新世界』(岩波書店「大航海時代叢書」, 1980年)
- ラス・カサス『インディアス史』(長南実共訳、岩波書店「大航海時代叢書」, 1981-83年)。全5巻で前半の一部を担当
- ペドロ・ピサロほか『ペルー王国史』(旦敬介共訳、岩波書店「大航海時代叢書」, 1984年)
- R・A・スケルトン『世界探検地図――大航海時代から極地探検まで』(信岡奈生共訳、原書房, 1986年)
- 改訂版『図説 探検地図の歴史』(原書房, 1991年/ちくま学芸文庫, 2019年※)
- クリントン・V・ブラック『カリブ海の海賊たち』(新潮社[新潮選書], 1990年)
- スティーヴン・マーロウ『秘録コロンブス手稿』(文藝春秋(上・下), 1991年)
- クック『太平洋探検』(岩波書店「17・18世紀大旅行記叢書」(上・下), 1992-94年/岩波文庫(全6巻), 2004-2005年)
- サルバドール・デ・マダリアーガ『コロンブス正伝』(角川書店, 1993年)
- マリアノ・クエスタ=ドミンゴ『図説 航海と探検の世界史』(竹内和世共訳、原書房, 1995年)
- スティーヴン・マーロウ『ドン・キホーテのごとく―セルバンテス自叙伝』(文藝春秋(上・下), 1996年)
- R・L・スティーヴンスン『完訳 宝島』(中公文庫, 1999年)
- デイヴィッド・コーディングリ編『図説 海賊大全』(東洋書林, 2000年)
- エリザベス・バケダーノほか『大陸別世界歴史地図(4)南アメリカ大陸歴史地図』(東洋書林, 2001年)
- ラウラ・ラウレンチック・ミネリ編『インカ帝国歴史図鑑―先コロンブス期ペルーの発展、紀元1000-1534年』(東洋書林, 2002年)
- フランシスコ・デ・ヘレス/ペドロ・サンチョ『インカ帝国遠征記』(中公文庫, 2003年※)
- マリア・ロストウォロフスキ『インカ国家の形成と崩壊』(東洋書林, 2003年)
- サマセット・モーム『ドン・フェルナンドの酒場で――サマセット・モームのスペイン歴史物語』(原書房, 2006年)
- ブライアン・レイヴァリ『船の歴史文化図鑑――船と航海の世界史』(悠書館, 2007年)
- ダニエル・デフォー『完訳 ロビンソン・クルーソー』(中央公論新社, 2007年/中公文庫, 2010年※)
- マリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』(講談社学術文庫, 2010年※)。編訳版、元版は中央公論社「世界の名著」1967年
- ※は電子書籍も刊
脚注
[編集]- ^ “訃報 増田義郎さん88歳=東大名誉教授”. 毎日新聞. (2016年11月7日) 2016年11月7日閲覧。
- ^ 『官報』号外232号、平成22年11月4日
- ^ 『官報』6917号、平成28年12月12日