塩麹
塩麹(しおこうじ)とは、東北地方の伝統的な食品三五八漬けの漬床がそのルーツと言われる日本の調味料[1][2]。
三五八漬けが塩、米麹、米を3:5:8の割合で混ぜて野菜や魚の漬物床とするのに対し、米抜きでより発酵・熟成させて作られる[2][3]。
概要
[編集]古くは本朝食鑑の鱗部の巻「鰯」の箇所に「或有甘塩者有糟漬者有塩麹漬者号曰黒漬」という下りがあり、「塩麹漬」という文字列が見られる[4]。
この後長らく「塩麴」に言及した資料は見当たらないが、2001年になって、料理漫画『おせん(3)』の中で、塩こうじが紹介される[1]。
2007年、大分県佐伯市の糀屋本店 浅利妙峰が漬け床ではなく、調味料として使う塩糀料理のレシピをブログや本で広めたのが呼び水となり[1]、2011年後半頃からさまざまな利用法で人気を博すようになった[5][6][7][8]。塩麹を利用したさまざまなレシピが書籍や料理教室で公開されており、最近では乾燥タイプ[9][10]や液体タイプ[11]も登場している。
製造方法
[編集]塩と麹を合わせ、水を加えたのち、発酵させることで作成する。NHKは塩:麹:水=1:3:4の重量比を基準としている[12][13]が、塩濃度を変えることもできる。ただし、塩濃度を下げすぎると調味機能や保存性が低下するとの指摘もある[14]。このほか、麹が水を吸うたびにひたひたになるまで水を足していくという作り方をすることもある[15]。
利用
[編集]肉や魚を漬けると、食品中のデンプンやタンパク質が糖やアミノ酸に加水分解され、うまみが増す[8]。野菜や魚、バゲットなどにかけ、そのまま提供する場合もある[16]。スープやソースの隠し味に利用されることもある[6]。
脚注
[編集]- ^ a b c ““塩こうじ”の発祥は大分? 東北? 常温保存できる“真”レシピとは”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2012年8月11日). 2018年6月28日閲覧。
- ^ a b 『絵でわかる麹のひみつ』
- ^ 長沼俊洋 (2012年4月29日). “塩こうじ、ブームに水差す官製市場 加工米品薄に”. 日本経済新聞 電子版 2014年11月14日閲覧。
- ^ 本朝食鑑 12巻. 8 コマ20
- ^ 「浅利妙峰さん こうじブームの火付け役」 朝日新聞「ひと」欄 2012.04.19
- ^ a b “伝統の塩こうじ、福井県内でブーム”. yomi Dr. (読売新聞社). (2011年10月16日). オリジナルの2012年12月1日時点におけるアーカイブ。 2012年1月30日閲覧。
- ^ 齋藤志寿子 (2012年1月24日). “味噌や塩麹や甘酒――自宅で作る発酵食が人気”. alterna 2012年1月30日閲覧。
- ^ a b “知りたい!:塩こうじブーム熟成中 手作りも簡単! まろやかな万能調味料”. 毎日jp (毎日新聞社). (2012年1月30日) 2012年1月30日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 「菊正宗 使いやすい顆粒/ 酒蔵が作った「塩糀」 菊正宗 使いやすい顆粒タイプで新発売」『ニュースリリース』、菊正宗酒造、2012年7月2日 。2014年11月14日閲覧。
- ^ “粉末タイプ 万能調味料塩麹 2012年1月24日通販販売開始しました。”. 共生ネットショップ. つけもと株式会社. 2014年11月14日閲覧。
- ^ 廣野順子 (2012年11月27日). “連載:ヒットの芽「サラサラとした液体タイプの塩こうじが1カ月で40万本販売」”. 日経トレンディネット 2014年10月14日閲覧。
- ^ “レシピ:生活向上委員会「塩こうじ」”. ゆうどきネットワーク. NHK. 2014年11月15日閲覧。
- ^ 馬場吉成. “麹と塩と水で作る凄いうまい調味料(前半)”. デイリーポータルZ. @nifty. 2014年11月15日閲覧。
- ^ “明日からデキる!生活向上委員会「徹底検証!“塩こうじ”決定版」”. ゆうどきネットワーク. NHK ONLINE. 2014年11月15日閲覧。
- ^ “塩麹(塩糀)の作り方”. 麹の池田屋醸造. 2014年11月15日閲覧。
- ^ “麹と塩と水で作る凄いうまい調味料(後半)”. デイリーポータルZ. @nifty. 2014年11月15日閲覧。
参考文献
[編集]関連項目
[編集]外部リンク
[編集]ウィキメディア・コモンズには、塩麹に関するメディアがあります。