埃 (数)
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謝察微『算経』や程大位『算法統宗』では「塵」までを大きな字で示し、「埃」以下は小さく記すのみである。現実には使われない。塵の1/10、渺の10倍に当たる。
10−10
[編集]『塵劫記』(吉田光由 1627)は、塵(10−9 = 1⁄10億)の10−1(= 1⁄10)倍の 10−10(= 1⁄100億)とし、この値が広く知られている。なお、『塵劫記』に載っている小数は「埃」が最小である。国際単位系では0.1ナノまたは100ピコに相当する。
中国ではオングストローム(Å = 10−10 m)を「埃 (拼音: アイ)」と呼ぶことがあるが、これはオングストロームの音訳「埃格斯特朗 (拼音: )」または「埃格斯特勒母 (拼音: )」の略であり、数の「埃」と直接の関係はない。
10−24
[編集]中国の『算学啓蒙』(朱世傑 1299)[1]は、万万進に則っているので、埃は塵(万万進では 10−16 = 1⁄1京)の10−8(= 1⁄1億)倍の 10−24(= 1⁄1秭)とする。
なおこの文献を『算学啓蒙』ではなく『算法統宗』(程大位 1592)とする資料があるが[2][3]、誤りと思われる[注 1]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 師尾潤「小数の名前」によると『算法統宗』の実際の記述と一致しない。