国内軍
表示
国内軍(こくないぐん、ロシア語: Внутренние войска、英語: Internal troops)とは、ロシアを中心に、旧ソビエト連邦諸国等に見られ、警察権を監督する内務省内に置かれる準軍事組織である。内務省の指揮下にあることから、内務省軍とも呼ばれる。
概要
[編集]国内軍は、活動範囲は国内に限定されるが、欧州・中南米諸国等の国家憲兵とは異なり、純粋な軍事作戦を任務とした組織であり、犯罪捜査等には従事せず、国内での純粋な軍事活動、治安の維持、重要施設の警備等の活動作戦任務を目的とした内務省所属の軍事組織である。
国防省の管轄する国軍とほぼ同様の組織と武器を有し[1]、国内軍構成員の身分は軍人である。
現在旧ソ連邦諸国に見られる国内軍は、ソビエト連邦内務省に設置されていたソ連内務省国内軍の各国部隊が、ソ連邦崩壊に伴い各国の内務省に移管されて設立されたものである。
→「ロシア国内軍 § 歴史」も参照
国内軍の一覧
[編集]旧ソビエト連邦構成国の国内軍
[編集]- ベラルーシ国内軍 - ベラルーシ内務省国内軍司令官総局所属
- トルクメニスタン国内軍 - トルクメニスタン内務省
- キルギス国内軍 - キルギス内務省
- ウズベキスタン警備軍 - ウズベキスタン内務省警備軍総局所属
- タジキスタン国内軍 - タジキスタン内務省
- アルメニア国内軍 - アルメニア内務省
- アゼルバイジャン国内軍 - アゼルバイジャン内務省国内軍総局所属
組織改編した「国内軍」
[編集]- モルドバ - 1991年12月、西欧に倣い、国内軍を「モルドバ国家憲兵隊」(通称『カラビニエリ軍』)に改編した。管轄は内務省である。
- ジョージア国内軍 - バラ革命後の2004年に陸軍に編入され、第4歩兵旅団として再編。
- ウクライナ国内軍 - 2014年にウクライナ国家親衛隊に改編。管轄は国内軍時代と同様に内務省である。
- カザフスタン国内軍 - 2014年にカザフスタン国家警備隊に改編。管轄は国内軍時代と同様に内務省である。
- ロシア国内軍 - 2016年にOMONなどと共に、ロシア国家親衛隊として再編。指揮権は内務省からロシア連邦安全保障会議に移管され、実質的に大統領直属となる。
旧ソ連以外の共産圏諸国の国内軍
[編集]ワルシャワ条約機構加盟国を始めとする旧共産圏諸国でも、ソ連国内軍と同様の準軍事組織が設置される例が多かった。
- モンゴル:モンゴル国内軍
- 中華人民共和国:中国人民武装警察部隊
- 北朝鮮:朝鮮人民警備隊(2010年に朝鮮人民内務軍に改称)
- 東ドイツ:人民警察機動隊(ドイツ再統一に伴い解体)
- ポーランド:国内治安軍(1965年に郷土防衛隊に再編されるが、2008年に解隊される)
- ルーマニア:セクリターテ軍(王国時代の国家憲兵隊を解体・粛清・再編して設立。ルーマニア革命後に解隊され、国家憲兵隊が新たに設立される)
- ブルガリア:ブルガリア国内軍(共産主義政権崩壊後の1997年に国家憲兵隊に再編)
その他の「国内軍」
[編集]- カナダ国内軍 - カナダの軍の一つ。本土防衛および対テロ・災害救助を主任務とする。