四つ葉のクローバー (ロイテルの曲)
「四つ葉のクローバー」(よつばのクローバー、英語: Four-Leaf Clover)は、アメリカ合衆国の詩人エラ・ヒギンソン (Ella Higginson, 1862-1940) の詩「Four-Leaf Clover」[1]に、ルドルフ・エルネスト・ロイテル (Rudolph Ernest Reuter)[2]が作曲した歌曲。ロイテルは作曲時、ベルリンの王立音楽演劇アカデミー(現在のベルリン芸術大学)の学生であり、1909年から1912年まで東京音楽学校(東京藝術大学音楽学部の前身)の音楽教師であった。東京音楽学校学友会『音楽』第1巻第6号(目黒書店、1910年7月5日)に収録された日本語詞つきの初版楽譜「四つ葉のクロバ」(Where the Four-leaf Clover grow) に、1907年3月にベルリンのヴィルマースドルフで作曲されたことを示す記述がある[3]。
昭和戦前期の日本で、女学生などに愛唱されていた[要検証 ]。表記には揺れがあり、「四つ葉」は「四葉」、「四ッ葉」、「クローバー」は「クローバ」、「クローヴァ」、「クローヴァー」と記されることがある[要出典]。二葉あき子、関屋敏子らのレコードが制作され、また、当時出版されていた歌唱曲集に採録された[4]。
歌詞
[編集]初版楽譜で「からたちのや」とされた日本語詞の翻訳者は、大正時代に出版された楽譜によって吉丸一昌とする記述と、乙骨三郎によるとする記述が伝わっているが、内容は同一である[3]。
吉丸の名を挙げる、1941年の『女學生愛唱曲集 その一』(新興音楽出版社)に「四つ葉のクローバ」として収録された歌詞は以下の通りである。
四つ葉のクローバ
四葉の クローバ。
うららに照る 日影に
百千(ももち)の花 ほほえむ
人知らぬ 里に生ふる
四つ葉の クローバ
三つの葉は
希望 信仰 愛情のしるし
残る一葉は 幸福(さち)
もとめよ 疾(と)くその葉
希望深く 信仰固く
愛情厚くあれ
やがて汝(なれ)も 摘みてとらん
出典・脚注
[編集]- ^ “Four-Leaf Clover BY ELLA HIGGINSON”. Poetry Foundation. 2012年9月7日閲覧。
- ^ 作曲家の名の表記には揺れがあり、「ロイテル」のほか、関屋敏子盤では「R・E・ルーテル」とある。なお、『女學生愛唱曲集 その1』(1941年)pp20-21 掲載の楽譜には R.E.Reutel と姓が誤記されている。
- ^ a b 瀧井 2018, pp. 104–105.
- ^ 『女學生愛唱曲集 その1』(1941年)など。
参考文献
[編集]- 瀧井敬子『夏目漱石とクラシック音楽』毎日新聞出版、2018年。ISBN 978-4-6203-2498-2。
外部リンク
[編集]- 『四つ葉のクローバ』 ロイテル (大正)[リンク切れ] - 個人ブログであり典拠とはならないが、楽譜の画像などがある