嘉義市立美術館
嘉義市立美術館 Chiayi Art Museum 嘉義市立美術館 | |
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施設情報 | |
正式名称 | 嘉義市立美術館 |
愛称 | 嘉美館 |
前身 | 台湾総督府専売局嘉義支局→菸酒公売局嘉義分局 |
館長 | 頼依欣 |
事業主体 | 嘉義市政府文化局 |
管理運営 | 嘉義市立美術館 |
建物設計 |
(専売局)梅澤捨次郎 (美術館化)黄明威、王銘顯 |
延床面積 | [1]:(4-5)968 |
開館 | 2020年10月6日[注 1] |
所在地 | 台湾嘉義市西区広寧街101号 |
位置 | 北緯23度28分37.7秒 東経120度26分26秒 / 北緯23.477139度 東経120.44056度 |
アクセス | 台鉄嘉義駅前站(東口)から徒歩圏内 |
プロジェクト:GLAM |
嘉義市立美術館 Chiayi Art Museum | |
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役職 | |
館長 | 頼依欣 |
組織 | |
上位組織 | 嘉義市政府 |
概要 | |
所在地 | 嘉義市西区広寧街101号 |
設置 | 2014年7月1日 |
改称 | 2020年11月7日 |
前身 | 嘉義市立美術館準備処 |
嘉義市立美術館(かぎしりつびじゅつかん、略称:嘉美館)は台湾嘉義市西区にある2020年秋開館の公立美術館とその運営組織の名称。市の古蹟建築物で、台湾総督府の技師梅澤捨次郎が設計した日本統治時代の台湾総督府専売局嘉義支局庁舎と複数の倉庫から構成される建物群をリニューアルして2020年秋に開業した。
沿革
[編集]陳澄波、林玉山、張義雄ら著名な画家を輩出し、公売局支局庁舎落成翌年の1938年に開かれた台湾総督府美術展覧会(府展)では入選者の約2割を嘉義出身者が占めるなど、戦前から「画都」と称されていた嘉義の芸術界復興の象徴として公売局庁舎は美術館へのリニューアルが推進された[2](p48)。
竣工前
[編集]2005年11月、行政院は古蹟登録された政府(財政部傘下台湾菸酒公司[注 2])所有の旧菸酒公売局分局庁舎に対して市による利用を同意した[3][4]。2010年から約5,800万ニュー台湾ドルを投じて着手した修復事業が2013年初頭に完了し、市立美術館の設置場所について市文化局は当地を含む複数の候補地を専門家を交えた意見集約を諮り、公売局跡が優勢となった。同年9月、6代目嘉義市長の黄敏恵(中国国民党)により複数の市立美術館立地候補から当地が選ばれた[5]。
1982年に県轄市から省轄市への昇格を果たしてから32周年となる2014年7月1日に美術館への再生事業の受け皿となる「嘉義市立美術館準備処(中国語: 嘉義市立美術館籌備處)」が嘉義市政府直属機関として設立された[6]
2014年中華民国統一地方選挙を経た2015年上半期、7代目市長の涂醒哲(民主進歩党)率いる新市政府および市議会では嘉義市立博物館活用などの異論が起きたが、結局8月には公売局案が維持されることとなった[7]。また、戦後に増築され、美術館としては使われない公売局の建物を嘉義市政府社会処が別用途で継続利用することを新市長が容認していたため、美術館化構想への中央政府の補助金申請の目途がつかない状態となるなど紆余曲折があった[8]。
2018年2月23日、嘉義市政府文化局は建設業者と調印、14ヶ月の工期(2019年6月完工予定)を経て3月28日に着工した[9]。この間古蹟本体の旧分局庁舎でレンガ部分の劣化により修復工程が増え、予算が追加されるなど[10][11]、工期の遅れが生じ1年遅れの2020年3月完工[12]、半年後の9月開館に予定が改められた。
プレイベント
[編集]いずれも2014年に開催されていた。
- 臺灣本壘,KANO精神-臺灣棒球精神主題展[13]
- 期間:2月14日 - 5月18日
- 内容:映画『KANO』を上映し、台湾の野球史にまつわる資料を展示。
- 繪聚‧諸羅派 特展(嘉義市立美術館籌備展)[6]
- 期間:7月1日 - 9月28日
- 内容:欧陽文、林玉山、張義雄ら嘉義ゆかりの画家作品を展示。
開幕へ
[編集]2019年5月、ウエストミンスター大学のアート・視覚文化論(Art and Visual Culture)で博士号を修了した女性キュレーターの頼依欣が初代館長に就任することが発表された[14]。
開館直前の2020年8月には二・二八事件の犠牲者で嘉義出身の画家陳澄波の作品が陳澄波文化基金会から寄贈された[15]。9月25日から3日間のプレオープンを経て[16]、10月6日に正式開業し[17]、11月7日に開幕式典が開催された[18]。
開幕後
[編集]古蹟棟内部の書店に大手の誠品書店が入居することが決まり、実現すれば嘉義では同書店の10年ぶりの復活となる[19]。2021年1月27日に年末までの期間限定店舗として開幕[20][21]。
建築
[編集]専売事業時は中山路に面した庁舎正面入口が使用されていたが、美術館としては裏側の広寧街に面した中庭を経て旧製品倉庫の本館から出入りするように動線が改められた[22]。このため、住所表記も中山路659号から広寧街101号となっている。
中央が古蹟棟(A棟) 奥がB棟、左がC棟 |
B棟 |
B棟の吹き抜け | 古蹟棟内部の階段部 |
- A棟(古蹟棟)
梅澤捨次郎設計のA館(支局庁舎本館)はほぼそのままに、主に物販・飲食店や事務スペースとして使われている。
- B棟
老朽化で耐震性に難があった南西側B館(旧製品倉庫)は鉄筋コンクリートの外壁を除去し、CLT(Cross laminated timber、直交集成板)工法により木造梁とガラスのカーテンウォールを組み合わせて軽量化と断熱効果向上を実現し、かつ開放感を演出している[22][2](p49-50)。公売局時代には3階建て(戦前は2階建て)だったが4階建てとなり、中山路に面していない裏側に吹き抜け構造の三角形の中庭が増やされた[1]。
- C棟
1954年に酒類倉庫として増築された広寧街に面する南側の建物[23]。
組織
[編集]ロゴは「+1」(中国語: 加一、拼音: 。嘉義(拼音: )とほぼ同音)を意匠化している[24]。
- 館長
- 頼依欣:2019年5月1日 - 現任
立地
[編集]台鉄嘉義駅前站(東口)から徒歩圏内で、中正路対面には嘉義分局の酒工場だった旧嘉義酒廠をリニューアルした嘉義文化創意産業園区がある。
脚注
[編集]註釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “「嘉義市美術館部分空間 OT 案前置作業計畫」先期規劃報告(摘要版)” (中国語). 2020年11月22日閲覧。
- ^ a b 蔡孟廷 (2020年6月). “回顧與展望-美術館與博物館的空間再塑” (中国語). 工程 (中国工程師学会) (Vol.93 No.2): 頁48-50. ISSN 1015-0773 .
- ^ “公賣局嘉義分局 交市府利用” (中国語). 自由時報. (2005年12月3日)
- ^ “菸酒公賣局嘉義分局古色古香成古蹟” (中国語). 大紀元. (2005年12月2日)
- ^ “嘉義市立美術館 選定舊公賣局” (中国語). 中国時報. (2013年9月6日)
- ^ a b 黃國芳 (2014年7月1日). “嘉市慶升格 美術館籌備處揭牌” (中国語). 中央通訊社 (大紀元)
- ^ 廖素慧 (2015年8月8日). “選址敲定 嘉美館落腳舊公賣局” (中国語). 中時電子報
- ^ “嘉市美術館延宕 拚明年開館” (中国語). 中国時報. (2017年9月11日)
- ^ 王善嬿 (2018年3月28日). “嘉義市立美術館動土 新工法增建玻璃盒子” (中国語). 自由時報
- ^ “嘉義市立美術館變更設計 預計明年中開館” (中国語). 聯合報. (2019年9月27日)
- ^ 廖素慧 (2019年11月7日). “嘉義市立美術館工程一波三折 開館延明年中” (中国語). 中国時報
- ^ “嘉市音樂廳整建 文化局承諾26日竣工” (中国語). 自由時報. (2019年11月8日)
- ^ “台湾野球の精神展 台湾本塁KANO精神”. 旅々台北.com (2014年3月31日). 2020年11月29日閲覧。
- ^ “黃敏惠主持美術館館長/體育場場長佈達典禮” (中国語). 大紀元. (2019年5月1日)
- ^ “陳澄波44畫作 進駐嘉市美術館” (中国語). 中国時報. (2020年8月9日)
- ^ “【影音】百年畫都/嘉義市立美術館開館在即!文化部次長蕭宗煌:我也是嘉義子弟…” (中国語). 民報 People News. (2020年9月20日)
- ^ “搖身一變! 嘉義舊菸酒公賣局改裝成「市立美術館」新開館” (中国語). 聯合報. (2020年10月12日)
- ^ “嘉義市立美術館開幕 重新定義城市藝術新風景” (中国語). 台湾国際放送. (2020年11月12日)
- ^ “誠品嘉義店復活 選址市立美術館” (中国語). 新頭殼 newtalk. (2020年11月12日)
- ^ “睽違10年!誠品到嘉義市立美術館開店” (中国語). 聯合報. (2021年1月27日)
- ^ “【誠品書店嘉義市立美術館 期間限定店】1/27(三) Grand Opening!” (中国語). meet.eslite.com. 誠品 (2021年1月21日). 2021年1月30日閲覧。
- ^ a b 彭永翔 (2020年9月18日). “打破封閉老倉庫與藝術高牆!在畫都嘉義建一座非典型美術館─專訪嘉義市立美術館操刀建築師黃明威” (中国語). MOT TIMES明日誌
- ^ “【影音】嘉義市立美術館動土!「畫都嘉義」預約藝術未來” (中国語). 民報 People News. (2018年3月28日)
- ^ 高宜凡 (2020年9月26日). “重現1930年代「畫都」!嘉美館凝聚地方美學能量” (中国語). 遠見天下文化出版
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 嘉義市政府
- 他
- 行政院文化部
- 嘉義市立美術館 博物之島