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吉野朔実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
よしの さくみ
吉野 朔実
生誕 (1959-02-19) 1959年2月19日[1]
日本の旗 日本大阪府[1]
死没 (2016-04-20) 2016年4月20日(57歳没)
職業 漫画家
活動期間 1980年 - 2016年[1]
ジャンル 少女漫画青年漫画エッセイ漫画
代表作少年は荒野をめざす
ジュリエットの卵[2]
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吉野 朔実(よしの さくみ、1959年2月19日[1] - 2016年4月20日[2])は、日本の女性漫画家大阪府出身[1]血液型はO型[3]

人物・経歴

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1959年(昭和34年)年2月19日に大阪府で生まれ、熊本県千葉県で育つ[1]千葉県立柏高等学校を経て(江口寿史との対談[4]や、江口寿史が自らのTwitterアカウントで、江口と吉野と塩森恵子が同校出身と述べている[5])、短期大学を卒業[1][6]

1980年集英社少女漫画雑誌ぶ〜け』から「ウツよりソウがよろしいの!」でデビュー[1]1983年から『ぶ〜け』で大学生の青春群像を描いた『月下の一群』を連載開始した[1]

1980年代から1990年代までは『ぶ〜け』で連載を続け、1985年からは「少年は荒野をめざす[1]1988年からは「ジュリエットの卵」を連載[1]。これらの作品ではその後も吉野の作品のモチーフとなっていく心理学的な題材や人物の鏡像関係などが見られる[1]1991年からは、毎月50頁のオムニバス的連載「いたいけな瞳」、1993年には心理カウンセラーの女性と双子の男性を軸にした「エキセントリックス」を連載[1]。その後、集英社との専属契約が切れたため、2000年代以降は小学館の雑誌に活動の場を移す。

2001年に『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載開始した「瞳子」では青年誌に進出し、大学卒業後に就職しない男女の関係を描いた[1]

文学にも造詣が深くエッセイの執筆も手がけ、『本の雑誌』で連載していた書評エッセイは『お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き』(本の雑誌社、1996年)などとして出版されている[1]映画に関するエッセイは『こんな映画が、吉野朔実のシネマガイド』(パルコ出版、2001年)として出版された[1]。またNHKの書評番組『週刊ブックレビュー』にも書評者として何回か出演した。

2002年10月に小学館から刊行された漫画作品『記憶の技法』は、同名実写映画原作となり、2020年に映画『記憶の技法』として公開(制作・配給:KAZUMO)、同年11月27日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国ロードショーが開始された[7]

2003年より『月刊IKKI』で連載開始した「period」は現代の家族をテーマに、2014年完結までの長期連載となった[1][8]。死の直前となる2016年には『月刊フラワーズ』6月号に読み切り「いつか緑の花束に」とインタビューを掲載[1][8]、『本の雑誌』には「吉野朔実劇場」の連載を続けていた[8]

2016年4月20日東京都内で死去[1][8][2]。57歳没[1][2]小学館側の発表では「病気のため逝去」としか語られておらず、詳細な死因は明らかにされていない[9][10]

緻密で華麗な絵柄とクールで分析的な視点の作風を特徴とする。しばしば心理学を題材とし、青年期アイデンティティ・クライシスを描くため、直接的また間接的に双子を扱った作品が多く見られる。作風は松苗あけみ山本直樹の影響を受けたと語っている。[要出典]また歌人穂村弘精神科医春日武彦との交友関係が知られ、春日の著書の挿絵も手がけている。

作品リスト

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漫画単行本

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エッセイ

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  • 『お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き』本の雑誌社、1996年(角川文庫、2002年)
  • 『眠れない夜には星を数えて』大和書房、1996年
  • 『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』本の雑誌社、2000年(角川文庫、2004年)
  • 『こんな映画が、吉野朔実のシネマガイド』パルコ出版、2001年
  • 『弟の家には本棚がない』本の雑誌社、 2002年
  • 『犬は本よりも電信柱が好き』本の雑誌社、2004年
  • 『本を読む兄、読まぬ兄』本の雑誌社、2007年
  • 『シネコン111 吉野朔実のシネマガイド』エクスナレッジ、2007年
  • 『狂気な作家のつくり方』本の雑誌社、2009年(平山夢明と共著)
  • 『神様は本を読まない』本の雑誌社、 2010年
  • 『悪魔が本とやってくる』本の雑誌社、2013年
  • 『天使は本棚に住んでいる』本の雑誌社、2016年
  • 『吉野朔実は本が大好き』本の雑誌社、2016年(『お父さんは時代小説が大好き』『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』『弟の家には本棚がない』『犬は本よりも電信柱が好き』『本を読む兄、読まぬ兄』『神様は本を読まない』『悪魔が本とやってくる』『天使は本棚に住んでいる』の合本。)

絵本

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  • 『もっと幸福な一日』大和書房、1994年
  • 『プレゼントをあげる』大和書房、1999年
  • 『ましまる おかえりなさいをきくまでは』大和書房、2001年

画集

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  • 『FLOWER PIECES (Bouquet Excellent)』集英社、1988年

挿絵・挿入漫画など

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  • 春日武彦『「治らない」時代の医療者心得帳 カスガ先生の答えのない悩み相談室』医学書院、2007年
  • 春日武彦『精神のけもの道 つい、おかしなことをやってしまう人たちの話』アスペクト、2008年
  • 春日武彦『つまらない人生入門(鬱屈大全)』アスペクト、2011年
  • 柴田元幸『つまみぐい文学食堂』角川書店、2006年(角川文庫、2010年)

カバーイラスト

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 吉野朔実 東文研アーカイブデータベース、東京文化財研究所、出典:『日本美術年鑑』平成29年版、541頁。2019年10月17日、2021年11月4日閲覧。
  2. ^ a b c d “漫画家の吉野朔実さん死去 「少年は荒野をめざす」”. 朝日新聞. (2016年5月2日). http://www.asahi.com/articles/ASJ525JV5J52UCVL01S.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr01 2016年5月2日閲覧。 
  3. ^ 「ラブリー・インタビュー 吉野朔実」『グレープフルーツ』第21号(新書館、1985年)、170頁。
  4. ^ 「ふたりでワイワイ!ミニ同窓会 江口寿史vs吉野朔実」『ぶ~けせれくしょん』No.2(集英社、1984年)137頁。
  5. ^ 江口寿史 (2016年5月2日). “おれと吉野朔実さんと塩森恵子さんが同じ高校。千葉県立柏高校の後輩ども、母校から三人も漫画家が出てるの知らないだろ。”. Twitter. 2020年11月13日閲覧。
  6. ^ 著者紹介 紀伊国屋書店
  7. ^ 映画『記憶の技法』公式サイト 2021年11月4日閲覧。
  8. ^ a b c d 吉野朔実が病気のため逝去 コミックナタリー 2016年5月2日、2016年5月2日閲覧。
  9. ^ 小学館コミック「月刊flowers」 小学館
  10. ^ 【訃報】吉野朔実さん - 本の雑誌特派員 WEB本の雑誌、2016年5月2日

関連項目

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外部リンク

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